出版者
日経BP社
雑誌
日経ビジネス (ISSN:00290491)
巻号頁・発行日
no.1328, pp.34-37, 2006-02-13

今年1月、牛丼再開を目前に控えて、吉野家ディー・アンド・シー社長の安部修仁はこう語っていた。その後、まさかの輸入再停止で不本意ながら牛丼再開を延期せざるを得なかった。今の状況では奇異に聞こえる言葉だが、その裏には、吉野家が2年かけて挑戦してきた「壮大な実験」(安部)の成果が表れてきた自信があった。
出版者
日経BP社
雑誌
日経ビジネス (ISSN:00290491)
巻号頁・発行日
no.1015, pp.150-153, 1999-11-08

8月2日、東京・銀座の日産自動車本社。時計の針は午後6時50分を指しているというのに、外にはうだるような昼間の暑さの残滓が漂っていた。13階の役員レストラン。9人の中堅社員がやや青ざめた面持ちでテーブルに着く。午後7時ちょうど、今夜の夕食会のホスト(もてなし役)が登場した。日産の最高執行責任者(COO)に就任した、カルロス・ゴーンである。 「コンバンワ。
出版者
日経BP社
雑誌
日経ビジネス (ISSN:00290491)
巻号頁・発行日
no.1635, pp.86-89, 2012-04-02

2253人――。2011年の労災事故での死者数(速報値)だ。3月11日に発生した東日本大震災とそれに伴う大津波の影響で、例年よりも大幅に増えた。ただ、震災関連の死者数は1273人(同)で、大きな自然災害がなくても毎年1000人前後が業務中に命を落としていることになる。ちなみに阪神・淡路大震災の時は、地震発生が早朝だったため前年比約100人増にとどまった。
出版者
日経BP社
雑誌
日経ビジネス (ISSN:00290491)
巻号頁・発行日
no.1192, pp.107-110, 2003-05-19

「もう何も取られたくない」。大阪府に住む主婦、江川聡美さん(仮名)は、昨年夏に自宅に泥棒に入られてから、ノートパソコンを常に持ち歩くようになった。自宅に置いて外出することが、不安でたまらないのだ。 泥棒に入られたのは、家族で近所の花火大会に出かけていた時。
出版者
日経BP社
雑誌
日経ビジネス (ISSN:00290491)
巻号頁・発行日
no.1156, pp.46-49, 2002-09-02

「テーハンミングクッ(大韓民国)!」。6月25日、サッカーワールドカップ(W杯)大会準決勝の韓国対ドイツ戦。韓国内では街頭で700万人が熱狂的な応援を繰り広げた。大半の人が私設応援団「赤い悪魔」に倣って赤いTシャツを着ている。シャツには「011 SKテレコム」の文字が見える。韓国最大の携帯電話会社、SKテレコムが赤い悪魔のスポンサーとして大量のシャツを配布したからだ。
出版者
日経BP社
雑誌
日経ビジネス (ISSN:00290491)
巻号頁・発行日
no.1390, pp.84-91, 2007-05-07

「実は、もうつぶれると思っていたんですよ。だから、(社長就任の話も)いったんは断ったくらいで…」 1999年2月初め、継ぎ手メーカー、イハラサイエンスの専務(当時)だった中野琢雄は、創業者の長男でもある2代目社長からの社長就任要請を固辞していた。
出版者
日経BP社
雑誌
日経ビジネス (ISSN:00290491)
巻号頁・発行日
no.1199, pp.136-138, 2003-07-07

撤退の決定から一転、再生の行方を左右する社長肝いりの事業へ——。2002年6月、ケンウッドの安藤正輝は、再び手に入れたチャンスに胸が高鳴った。安藤は当時、オーディオ製品をはじめとするホームエレクトロニクス事業の営業部長だった。 同事業は、2002年3月期で売上高826億6300万円、73億2800万円の営業赤字で、ケンウッドの「お荷物部門」だった。
出版者
日経BP社
雑誌
日経ビジネス (ISSN:00290491)
巻号頁・発行日
no.1335, pp.61-63, 2006-04-03

昨年11月26日。イタリア・ミラノに開業したMUJIのミラノ2号店の周りには朝から長蛇の列が並んだ。1号店を出したのは、2004年12月。それからわずか1年ばかりで、2号店開業に漕ぎ着け、しかも多くの客が列を成した。MUJIはパリと並ぶファッションの都で「ブランド」として受け入れられたのである。 良品計画による「無印良品」がスーパー西友の片隅で産声を上げたのは1980年。
出版者
日経BP社
雑誌
日経ビジネス (ISSN:00290491)
巻号頁・発行日
no.1295, pp.104-106, 2005-06-13

都内最大規模の国際展示場、東京ビッグサイトで今年4月20日から開かれた「国際フラットパネルディスプレイ展」で、ある企業のブースに人だかりができた。東芝だ。お目当ては新たに開発した「平置き型の立体ディスプレー」。30秒見るのに1時間以上待つ長蛇の列となった。東芝は平置き型でゲーム狙う 「ペットボトルや缶の映像を表示します。
出版者
日経BP社
雑誌
日経ビジネス (ISSN:00290491)
巻号頁・発行日
no.1337, pp.60-65, 2006-04-17

3月29日の早朝。野菜を仕入れるため、いつもと同じように青果市場を訪れたスーパーまるまつ(福岡県柳川市)の松岡義一社長は思わず笑みを浮かべた。他社が1袋50円前後で競り落とそうとしたフキを80円で購入することができたからだ。 他社より6割も高い価格で仕入れることになったにもかかわらず松岡社長が満足しているのは、「98円で売り切れる」という勝算があったためである。
出版者
日経BP社
雑誌
日経ビジネス (ISSN:00290491)
巻号頁・発行日
no.1728, pp.38-41, 2014-02-10

東京都千代田区のホテルニューオータニ。ここ数年、毎日午後6時過ぎに、オフィス棟から自宅に真っすぐ帰るオランダ人の姿がある。人材派遣・紹介業で世界2位のランスタッド・ホールディングスの日本法人でCEO(最高経営責任者)を務めるマルセル・ウィガース…
出版者
日経BP社
雑誌
日経ビジネス (ISSN:00290491)
巻号頁・発行日
no.1331, pp.70-74, 2006-03-06

今から半年ほど前。夏の暑さが落ち着いた2005年9月半ば、後にロッテリア社長となる公認会計士の篠崎真吾は、東京・原宿にほど近い雑居ビルの4階の会議室にいた。 そこはカジュアル衣料専門店「ユニクロ」を展開するファーストリテイリング元副社長の澤田貴司が立ち上げた企業再生ファンドの事務所。2人は1時間ほど、企業再生の話題で盛り上がった。澤田が、声を上げる。
著者
國松 善次
出版者
日経BP社
雑誌
日経ビジネス (ISSN:00290491)
巻号頁・発行日
no.1350, pp.139-142, 2006-07-17

7月2日に投開票が行われた滋賀県知事選挙で、私はまさかの敗退を喫しました。選挙戦前半の世論調査では、私の方が優勢だったんですよ。投票日当日、「非常に厳しい情勢だ」という話はマスコミの方からも聞いていました。それでも、私が負けるとはちょっと予想していなかった。だから「落選」という事実は全く意外でしてね。
著者
益川 敏英 堀場 雅夫
出版者
日経BP社
雑誌
日経ビジネス (ISSN:00290491)
巻号頁・発行日
no.1481, pp.104-109, 2009-03-09

堀場 ノーベル物理学賞、おめでとうございます。少し不思議に思ったのですが、なぜ35年前の研究が今頃受賞することになったんですか。 益川 確かに理論は1970年代にできました。ですが、素粒子論は実証科学ですから、理論を確かめるにはまず、「トップクォーク」という物質を見つけ、さらに、それがしかるべき振る舞いをすることを確認しなければいけない。
出版者
日経BP社
雑誌
日経ビジネス (ISSN:00290491)
巻号頁・発行日
no.1610, pp.96-98, 2011-10-03

忙しくて運動する時間がない。せめて日常生活の中で、効率的にエクササイズができれば──。 このニーズに応えて売れている運動靴がある。「トーニングシューズ」だ。履いて歩くだけで、体形の引き締めや姿勢改善が期待できると言われ、横ばいが続く運動靴市場の中で、数少ない急成長商品となっている。 「トーニング(toning)」とは、体の筋肉やバランスを整えるという意味。
出版者
日経BP社
雑誌
日経ビジネス (ISSN:00290491)
巻号頁・発行日
no.1729, pp.26-35, 2014-02-17

この工場脇のベンチは、岩田製作所にとって社員が気軽に交流できる大切な場所だった。昼休みや休憩時間、工場やオフィスで働く社員たちがこのベンチに集まる。そこで交わされる何気ない会話は、岩田製作所の成長に大きな役割を果たしてきた。
出版者
日経BP社
雑誌
日経ビジネス (ISSN:00290491)
巻号頁・発行日
no.1661, pp.92-95, 2012-10-08

「さすがに、この冬はつき合い切れない。我々は我々の商売をする」。大手百貨店の幹部はこう打ち明ける。 今夏、百貨店業界で大きな波紋を呼んだバーゲンの「後ろ倒し」。三越伊勢丹ホールディングスの大西洋社長が口火を切り、夏のバーゲン開始時期を遅らせる取り組みが始まった。 大西社長の狙いは、百貨店業界とアパレル業界の正常化にあった。
出版者
日経BP社
雑誌
日経ビジネス (ISSN:00290491)
巻号頁・発行日
no.1090, pp.35-38, 2001-05-07

このごろ人に渡す名刺には、何の肩書もない。週に1度、月曜日にだけ、都内・新大手町ビルにある野村総合研究所に出てくる。経験豊富な秘書こそ1人ついているけれど、自室があるわけではない。大きめの応接室をその日だけ、自分用に使っているようだ。 株式の買い上げ計画が再び議論され、相場てこ入れ策が云々される中、田淵にはどんな思いが去来したか。
出版者
日経BP社
雑誌
日経ビジネス (ISSN:00290491)
巻号頁・発行日
no.1013, pp.84-88, 1999-10-25

9月に台湾で発生した大地震は、1995年の阪神・淡路大震災以来、日本の社会に改めて地震の恐ろしさを見せつけた。近代建築物が倒壊し、死者は2000人を超えた。台湾中部大地震は、南北に走る断層がずれたために起こった。内陸直下型地震と呼ばれ、阪神大震災と同じ型の地震だ。 深刻な被害をもたらす地震がいつ、どこで起きるか。日本では様々な地震予知が研究されてきた。
著者
佐々木 伸
出版者
日経BP社
雑誌
日経ビジネス (ISSN:00290491)
巻号頁・発行日
no.1170, pp.127-130, 2002-12-09

米映画のテーマパーク「ユニバーサル・スタジオ・ジャパン(USJ)」を巡っては、今年の夏以降いくつもの不祥事が表面化しました。 そのため、USJの運営会社であるユー・エス・ジェイ社長だった阪田晃社長が辞任し、代わりに私が10月23日付で社長となりました。従って、私の使命は、一にも二にも失墜してしまったUSJに対するお客様の信頼を回復することだと思っています。