著者
高久 由美
出版者
新潟県立大学
雑誌
県立新潟女子短期大学研究紀要 (ISSN:02883686)
巻号頁・発行日
vol.43, pp.251-260, 2006-03-10
著者
石原 和夫 佐藤 彩乃 曽根 英行
出版者
新潟県立大学
雑誌
県立新潟女子短期大学研究紀要 (ISSN:02883686)
巻号頁・発行日
vol.45, pp.9-18, 2008
被引用文献数
1

わが国の伝統的な発酵調味料である味噌は、製法や産地によりその風味は異なり、また、種類は多く地域性の高い調味料である。さらに、原料の大豆や発酵・熟成に由来する多くの機能性を持つ優れた食品でもある。味噌は主として、味噌汁として食され、その味噌汁の調理にあたっては、味噌を溶かし短時間沸騰させる。そのことにより、香味が最大限引き出され、おいしさが感じられる。しかし、過度の加熱では、多くの香気成分が揮発、あるいは逆に増加することで風味が損なわれ、おいしさは減少することが知られている。本研究では、味噌汁中の香気成分が味噌の種類や加熱時間の長短によりどのように変化するか香気成分捕集方法として動的ヘッドスペース法を用いて検討した。実験には、越後味噌、信州味噌、八丁味噌、西京味噌の4種類の味噌を用いて、未加熱、加熱時間10〜60分での香気成分の変化をガスクロマトグラフィー(以下、GC)により分析し、比較検討を行った。GC分析の結果検出された総ピーク数は、越後味噌111、信州味噌106、八丁味噌113、西京味噌65であり、越後味噌、信州味噌、八丁味噌の香気成分は西京味噌に比べ、多種類の成分より構成されていた。また、GCパターンを比較すると、越後味噌、信州味噌は類似し、八丁味噌、西京味噌はそれぞれ特有のGCパターンを示した。GCの総ピーク面積は、越後味噌が一番大きく、次いで西京味噌、八丁味噌で、信州味噌は一番少なく、他の味噌の約41〜50%に相当した。標準化合物および文献をもとに、各味噌汁中の香気成分を解析したところ、味噌汁の香気成分として、アルコール13、アルデヒド7、有機酸4、エステル12、合硫化合物2、炭化水素5、ケトン類1の総計44種類の化合物を同定または推定した。これら化合物のうち、94〜99%占めたのがアルコール類で、このうちethanolが一番多く、越後味噌で65.14%、信州味噌で67.05%、八丁味噌で82.82%、西京味噌で93.19%であった。八丁味噌と西京味噌はその発酵・熟成には酵母の関与が比較的少ないにもかかわらず、ethanol量の多いのは上述の「酒精」の添加によるものと考えられる。そして、ethanolのほか、2-methylbutanol、3-methylbutanol 、methanol、2-methyl-1-propanol、n-butanol、n-propanolなどが主なアルコール類として検出された。越後味噌、八丁味噌、西京味噌中の多くのアルコール類は加熱により減少する傾向を示したが、信州味噌では増加またはほとんど変化しないという特徴が認められた。各味噌汁中のアルデヒド類としてethanal、hexanal、benzaldehydeなどが検出され、これらは一般に加熱により増加する傾向にあり、他の香気成分との違いが認められた。アルデヒド類の加熱による増加は一般的にも知られ、その原因は味噌中の遊離アミノ酸からストレッカー分解により生成されるためと考えられる。有機酸のacetic acidは越後味噌、butyric acidは八丁味噌、2-methylbutyric acidと3-methylbutyric acidは信州味噌中で最も多いことが認められた。そして、加熱によりacetic acidは減少、butyric acid は増加、2-methylbutyric acidと3-methylbutyric acidは変化がないという、それぞれの特徴を示した。各味噌汁中で検出された主なエステル類はethyl acetate、ethyl heptanoate、ethyl lactateおよび2-methylbutyl acetate と3-methylbuty lacetateなどであり、量的にはethyl acetateは八丁味噌、ethyl heptanoate は越後味噌、ethyl lactateは信州味噌に多いことが認められた。これらのうち量的に多かったethyl acetateも加熱により増加する傾向にあったが、八丁味噌では加熱10分で一旦急激に減少することが認められた。そして、エステル類はその種類や味噌の違いにより加熱による傾向が異なったが、信州味噌ではethyl dodecanoateのみ減少傾向を示し、その他多くのエステル類は増加する傾向があった。食欲化合物のdimethyl disulfideは加熱により減少し、3-methylthiopropanal(methional)は増加した。また、炭化水素類ではハ丁味噌においてtridecane、hexadecaneに増加がみられた。これらの結果から、味噌汁の香気成分の中には加熱により減少するもの、逆に、増加するもの、また、味噌の種類による違いなど解析することができた。また、前報では香気成分捕集法として静的ヘッドスペース法を用い、味噌汁の香気成分として15化合物を同定または推定したが、本研究での動的ヘッドスペース法では44化合物が同定または推定されたことから、後者の分析法の優位性が認められた。
著者
山崎 光子
出版者
県立新潟女子短期大学
雑誌
県立新潟女子短期大学研究紀要 (ISSN:02883686)
巻号頁・発行日
no.21, pp.91-104, 1984-03

1.資料についての情報(1)ここであつかう資料は,農作業用と思われる上半衣型(二部式)の3点である。(2)収集者は,2点はアチック・ミューゼアム同人であり,1点は個人の蒐集家によって採集されたものである。(3)採集時期は,1点は1934年であり,他の2点は不明である。(4)採集地は,山形県と宮崎県,1点は不明である。(5)呼称は,鉄砲袖袷短衣,農作業衣,ヤマジバン(又はタナシ)である。2資料の分析a.形状(1)本資料の構成要素は,身頃,袖,衿から成っている。(2)衿は,かげ衿型が2点,本衿襦袢型が1点である。(3)袖は,鉄砲袖と半袖と平袖である。(4)馬のりは3点ともあり,11.5cmから20.5cmである。(5)つけ紐は,胸もとのはだけるのをふせぐために左右の胸元に紐の一組がつけられたものが1点だけある。(6)各資料の寸法①丈については,最少値81.5cm,最大値91cmである。②裄丈は,最少値45cm,最大値70.5cmである。細袖と半袖は仕事着の長短,両極端の長さの袖なのでその差異が大きい。b.材料(1)織布の材質と柄,染め色①素材は3点とも木綿布で,組織は平織である。②糸密度は,縫糸は〔22本/cm〕から〔41本/cm〕まで,緯糸は〔14本/cm〕から〔26本/cm〕までである。③布の厚さは,0.7mmから6.9mmまでである。④合わせ布の枚数は,3点とも2枚合わせである。⑤布の重さは,600gから690gである。⑥表布の織柄は,紺地茶縞のもの1点,紺無地のもの1点,浅黄無地と黒地縞のもの1点である。裏布の織柄は,白地の手拭いを用いたもの1点,浅黄無地のもの1点,浅黄無地と黒地縞と白茶無地のもの1点である。表布で2種類の布を用いた資料は2点,1種類の布を用いた資料は1点であるといえよう。(2)刺子糸,縫い糸の材質と色①刺子糸,縫い糸いずれも3点とも木綿糸である。②刺子糸の撚り方は,3点とも右撚りである。縫い糸も3点とも右撚りの糸を用いているが,1点だけ部分的に左撚りの糸を用いているものがある。③刺子糸の色は,紺を用いたものが2点,白と黒を用いたものが1点である。④縫い糸は,紺を用いたものが2点,白と黒を用いたものが1点である。⑤刺し方は,縦刺しが1点,矢羽根状に刺したものが1点,模様刺しが1点である。刺し方の針目は,〔9針目/10cm〕から〔24針目/10cm〕であり,その間隔は,〔4本/10cm〕から〔20本/10cm〕である。c.縫い方と裁ち方(1)縫い方①縫い方は,合わせ縫いと伏せ縫いで縫ってあるもの2点,合わせ縫いだけで縫ってあるももの1点である。その縫い目は,合わせ縫いは〔10針目/10cm〕から〔12針目/10cm〕であり,伏せ縫いは〔6針目/10cm〕から〔8針目/10cm〕である。②へりとりの様子は,裾だけへりとりがあるもの1点,衿,衿下,袖,裾にあるものが1点,へりとりのないものが1点である。(2)裁ち方①布幅は,31.5cmから34cmである。②表布の用尺は,440cmから655cmであり,1反でほぼ2枚分の作業着が出来ることになる。

2 0 0 0 OA 衿の分類

著者
平沢 和子
出版者
県立新潟女子短期大学
雑誌
県立新潟女子短期大学研究紀要 (ISSN:02883686)
巻号頁・発行日
vol.21, pp.65-73, 1984-03

2 0 0 0 IR 衿の分類

著者
平沢 和子
出版者
県立新潟女子短期大学
雑誌
県立新潟女子短期大学研究紀要 (ISSN:02883686)
巻号頁・発行日
no.21, pp.65-73, 1984-03
著者
岡田 玲子 太田 優子 Okada Reiko Ota Yuko
出版者
県立新潟女子短期大学
雑誌
県立新潟女子短期大学研究紀要 (ISSN:02883686)
巻号頁・発行日
vol.27, pp.111-123, 1990-03

幼児栄養をより的確に把握するために,昭和47年,52年,57年および62年度の都市近郊幼児の,食物・栄養素等摂取状況について検討を加えた。対象児は4~6歳児10~25名で四季の各連続3日間(通年12日間)の食物摂取量を個人別に秤量調査し,食品構成目安量ならびに個人別に算定した栄養所要量と対比して,5~15年間の推移の状況を調べ,以下の結果を得た。(1)摂取食品数は,57年度に30種類に至ったが,他は26~29種類であり,動物性食品数は6~7種類で15年間さしたる変動はなかった。(2)食品摂取状況は,15年の間さしたる変動のみられなかったのは豆類のみで,米・穀類,砂糖・菓子・果実・卵類が有意に減少,緑黄色野菜のみが有意に増加して目安量を超えた。62年度に至って卵・乳類が目安量以下に減じ,その摂取割合は75,82%となった。また,穀類のそれは82.2→59.2%に減じた。(3)栄養素等摂取状況は,15年間に適量摂取域内ではあるものの,エネルギー(摂取割合117-102%)と鉄(同108-94%)が有意に減少,ビタミンAのみが有意に増加した。また,ビタミンDの摂取割合は59-17%へ有意に減少した。(4)摂取エネルギー比については,穀類(40→35%)・糖質(59→53→51→54%)エネルギー比は漸減,脂肪エネルギー比(28→32→34→31%)漸増後減少,タンパク質エネルギー比は漸増して横ばいで推移した。(5)動物性タンパク質比は漸増後減少して54.1%になり,摂取エネルギー1,000kcal当りコレステロール・食塩摂取量はやや漸増,P/Sは漸減,Keyの食事因子φ量,Na/K,およびP/Caは漸増傾向をそれぞれ示した。(6)対象児の体位は体位推計基準値に比し,身長(99~110%),体重(94~101%)共に適正範囲にあり,体力評価は中位の成績であった。(7)対象児の平均1日当り歩行歩数は11,011±2,061歩であった。
著者
茅野 潤一郎
出版者
新潟県立大学
雑誌
県立新潟女子短期大学研究紀要 (ISSN:02883686)
巻号頁・発行日
vol.45, pp.205-214, 2008

This study focuses on intentional vocabulary learning by Japanese EFL high school students using vocabulary books, and aims to examine the relationship between the use of Vocabulary Learning Strategies (VLS) and the attainment in vocabulary learning. Explanatory factor analysis showed that VLS were classified into five factors : organization, repetition and concentration, review, use of L1, and use of context The subjects were given the same vocabulary test twice, at the beginning and the end of the school year, and they were divided into four groups based on cluster analysis of the students' performance on the tests. The difference in use of each VLS between those four learner groups was compared, and it was found that only organization strategy had a significant positive effect on vocabulary retention.