著者
田崎 三郎 梅本 益雄
出版者
一般社団法人映像情報メディア学会
雑誌
テレビジョン学会誌 (ISSN:03866831)
巻号頁・発行日
vol.40, no.6, 1986-06-20

この会議の主催者は連合王国にあるIEREであり, 記録技術関連研究に関する成果のみを発表対象としているユニークな会議である.前回まではVideo&Dataであったが, 今回からはAudioが加わった.この会議は1973年, Birmingham大学においてスタートし, 第3回よりSouthampton大学に移り, 今回さらにSussex大学に会場を移して, 本年3月18日から21日まで開催された(前日の17日はTutorial dayで, この企画は毎回行われている).なお, 第5回からは2年おきに開催されている.毎回ほぼ40程度の発表件数と200名前後の参加者があるとのことで, まことにこじんまりとした会議である.日本人参加者は第4回(1982年)まで僅かであったが, 第5回には8名, 今回は9名を数えるようになった.会議は, 毎回シリアルセッション形式で行われている.いずれの開催地においても, 大半の参加者に対して, キャンパス内にあるdormitoyで泊り, 3食を共にしてもらう運営方針がとられている.さらに, 毎夜スポンサー付きの歓迎パーティがあり, そのハイライトにbanquetがある.このため自然に参加者同士語りあう機会が多くなり, 全体として和気あいあいのムードがただよう楽しい会議である.ただ, 会議運用はお世辞にもスタートとはいえず, 今回も相変わらずアナウンスメント等に不備が目立った.
著者
山田 光穂 福田 忠彦
出版者
一般社団法人映像情報メディア学会
雑誌
テレビジョン学会誌 (ISSN:03866831)
巻号頁・発行日
vol.43, no.7, pp.714-722, 1989-07-20
被引用文献数
6 1

広視野大画面画像から受ける画面効果の基礎データを得ることを目的として, 静止した視標間を注視点が移動するときに生じる視線の動きと頭の動きの機能の分担の関係を求めた.実験は, ±60°, ±16゜の大小2つの視標ボードを用い, あらかじめ指定した角度差毎に視標を順に注視させる場合と, ランダムに次に見る視標を指示する場合のそれぞれ2種類の実験を行った.大画角に順に提示される視標を注視する場合, 視標間の角度差が大きくなると頭の動く割合が大きくなり, 10°以上でその割合が65%前後で飽和するが, ランダム提示では, 飽和して一定値となるのは60°以上の大きな角度差からである.また, 小画角で順に注視させた場合にも, 視標の角度差とともに頭の動く割合に最小値の生じる角度差があり, 大画角の場合と見方に違いのあることが示唆された.