著者
宮原 誠 名塚 悦郎 吉田 育弘 中川 匡弘
出版者
一般社団法人映像情報メディア学会
雑誌
テレビジョン学会誌 (ISSN:03866831)
巻号頁・発行日
vol.39, no.10, pp.905-911, 1985-10-20
被引用文献数
1

人間の色彩感覚を適確に表現し, かつその尺度を均等に表現する表色系であるマンセル(HVC)表色系に注目し, カラー画像の伝送時に生ずるひずみを色知覚の許容限以下にするような色立体分割方法を考案した.また, 量子化された色情報の代表値を予測符号化する伝送方式を検討した.この結果, エントロピー約3.5(bit/pixel)で, ほぼ満足できる画質の画像を伝送できた.色感覚をあらわすH, V, Cは互いの独立性が良いので, Y, I, Qと比較した場合, 色情報を無駄なく符号化することができ, また輪郭部の情報損失も少なくできるなど, 多くの利点がある.
著者
佐藤 甲癸
出版者
一般社団法人映像情報メディア学会
雑誌
テレビジョン学会誌 (ISSN:03866831)
巻号頁・発行日
vol.48, no.10, pp.1261-1266, 1994-10-20
被引用文献数
34 10

液晶表示デバイス(LCD)を用いた電気的に書き換えが可能な計算機合成ホログラム(CGH)が, 立体テレビの方式として注目されている.本論文では, まず比較的容易に入手可能なTN型LCDの位相変調特性を用いてキノフォームを作成し, その特性について検討を行った.さらに, 大容量のフレームメモリーおよび多チャンネルのLCDを用いて, カラー立体動画像表示を行うシステムの作成を行い, RGB3色のレーザを用いて再生像の再生位置および像サイズなどの再生波長依存性, および色の再現性, 動画像特性など本システムの特性の評価を行いその有効性を明らかにすることができた.
著者
藤掛 英夫 安達 三郎 沢谷 邦男 柴田 康弘
出版者
一般社団法人映像情報メディア学会
雑誌
テレビジョン学会誌 (ISSN:03866831)
巻号頁・発行日
vol.39, no.11, pp.1097-1102, 1985-11-20

用地難や電磁環境問題を避けるために, 中波放送アンテナを例えば山頂に設置することが考えられている.しかし, 山頂に設置した場合の中波放送アンテナの特性をあらかじめ予想することは, これまで理論的にも実験的にも困難であった.そこで本論文では, 山頂アンテナに関する筆者らのこれまでの理論の検証と, 山岳モデルを用いた実験方法の確立を目的として, モデル実験を行って得た測定結果について述べている.実験モデルには, 良導体である平地を模擬する導体地板上に, 損失性誘電体で構成された回転対称型のモデル山岳を製作し, この上に埋設接地線を施した直立モノポールアンテナを立てた.この実験装置によって, 先の筆者らの理論的報告の検証を行うと共に, 理論的には困難な, 接地効果がアンテナ特性に及ぼす影響を明らかにする.これによって, ある条件下において山頂中波アンテナが, 実用上有効であることを結論している.
著者
佐藤 誠
出版者
一般社団法人映像情報メディア学会
雑誌
テレビジョン学会誌 (ISSN:03866831)
巻号頁・発行日
vol.50, no.11, 1996-11-20

第13回パターン認識に関する国際会議(13th ICPR)が, 1996年8月25日〜29日に, 建国1000周年を迎えたオーストリアの首都ウィーンで開催された.本会議は, 2年ごとに開催される, パターン認識の国際会議である.1000件に近い応募の中から, 約250件の口頭論文と約450件のポスタ論文が選ばれた.前回のイスラエルの時に比べて, ポスタ論文が倍近くに増えている点が, 本会議の特徴である.会場のウィーン工科大学の収容能力の大きさが充分であり, しかも, 会議をすすめるスタッフが充実しているため, 大規模な会議が極めてスムーズに運営されていた点が印象深い.これまでと同様に, 本会議は4つのトラックに分かれて, ほぼ独立に運営されている.4つのトラックは以下の通りである.A : Computer Vision B : Pattern Recognition and Signal Analysis C : Applications and Robotic Systems D : Parallel and Connectionist Systems各トラックのテーマは, 毎回少しずつ変わってきているが, 最近の傾向としては, 以前に比べて, 4つのトラックの発表分野がそれほど明確に分別されていない点がある.トラック間でかなり研究内容が重複してきており, このような複数トラックの運営方式が良いのかどうか充分検討する必要があると思われる.本会議の主な参加国と4つのトラックの発表統計を表1に示す.参加国は40カ国を越えていたが, 常連国の発表件数が多く, 全体の6割をアメリカ, 日本, フランス, ドイツ, イギリスが占めていることがわかる.その他では, 台湾や香港からの参加が多かったことが目に付いた.
著者
村岡 一信 千葉 則茂 太田原 功
出版者
一般社団法人映像情報メディア学会
雑誌
テレビジョン学会誌 (ISSN:03866831)
巻号頁・発行日
vol.49, no.10, pp.1252-1258, 1995-10-20
被引用文献数
11

コンピュータグラフィックスによるリアルな自然景観のシミュレーションのためには, 季節感の表現法の開発が重要である.本論文では, 冬季の近接景観, すなわち庭園の石や灯籠などの積雪景観シミュレーションのための積雪モデルを提案する.本手法では, 少数のパラメタを指定することで, 冠雪などの代表的な積雪形状を生成することができる.
著者
谷中 一寿
出版者
一般社団法人映像情報メディア学会
雑誌
テレビジョン学会誌 (ISSN:03866831)
巻号頁・発行日
vol.40, no.9, 1986-09-20

ICCは, IEEEのコミュニケーションズソサエティの後援で毎年6月ごろ開催され, 毎年冬に開催されるGLOBECOMと並んで, 電気通信全般に関する世界で最大規模の会議の一つである.今回は1986年6月22日〜25日, カナダのトロントで開催された.今回の主テーマは, "通信を通じた世界の統合"で, 60セッションが設定され, 24ヵ国から384件の論文が発表された.このうち16セッションがミニテーマ"世界中に広がる通信網"に割当てられ, ISDN関連の発表が行われたことが今回の特徴である.国別論文数を表1に示す.日本の55件の内訳は, NTT24件, 日電12件, 大学・官公庁(郵政省, NHK各1件を含む)7件, 三菱4件, 富士通3件, 日立, 東芝各2件, 古河1件であった.
著者
小野 洋三
出版者
一般社団法人映像情報メディア学会
雑誌
テレビジョン学会誌 (ISSN:03866831)
巻号頁・発行日
vol.34, no.5, pp.378-383, 1980-05-01

NHKの国際放送「ラジオ日本」は, ヨーロッパ, 中東, アフリカ, 北米東部および中南米では, 受信状況が劣化し, 改善が強く要請されてきた.受信改善のための抜本的解決策である海外中継放送が, ポルトガル・シネスから, ヨーロッパ, 中東地域向けに開始されたので, その概要について紹介する.