著者
鈴木 公啓
出版者
学校法人 三幸学園 東京未来大学
雑誌
東京未来大学研究紀要 (ISSN:18825273)
巻号頁・発行日
vol.11, pp.119-129, 2017

<p> 本研究は、現在の日本における美容医療(美容整形・プチ整形)の経験や興味の実態を確認すると同時に、美容医療に関わる態度、イメージ、そして心理的特徴などについても明らかにすることを試みた。 美容医療の経験のある者は少ないが、興味を有する者は多いことが確認された。そして、美容医療の経験は、他の身体変工の経験と関連があること、興味/経験があるほど社会で美容医療が受容されていると考えていること、プチ整形は美容整形に比べてコンプレックス解消というイメージが無いこと、また、興味/経験があるほど、周囲の人が美容医療を経験したと考えていることなどが明らかとなった。さらに、興味/経験によって、心理的特徴が異なっていた。そこからは、容姿への不満や装った姿こそが本当の姿であるという考えが、美容医療を受けることを推し進め、そして、施術を経験することによって、自己に満足し、新しい姿が自己像として定着していくプロセスが想定された。</p>
著者
須田 誠
出版者
学校法人 三幸学園 東京未来大学
雑誌
東京未来大学研究紀要 (ISSN:18825273)
巻号頁・発行日
vol.9, pp.83-93, 2016-03-21 (Released:2018-12-13)
参考文献数
23

There is the chapter “Disruptive,Impulse-Control,and Conduct disorders” on the DSM-5 compiled by the American Psychiatry Association. It is recognized that the disorders cited in the category develop as they affect each other with the passing of time,and the process is called “DBD march.” Those who have gone through the DBD march have the potential to show antisocial behavior such as delinquency and crime. This paper reviews the DBD march and then introduces a case example of the process. A number of attention-deficit and disruptive behavior disorders peculiar to the Attention-Deficit/Hyperactivity Disorder,Oppositional Defiant Disorder,Conduct Disorder and Antisocial Personality Disorder periods are sorted out based on this case,and consideration is given to how to deal with those disorders.
著者
井梅 由美子
出版者
学校法人 三幸学園 東京未来大学
雑誌
東京未来大学研究紀要 (ISSN:18825273)
巻号頁・発行日
vol.13, pp.11-21, 2019-03-29 (Released:2019-05-30)

本研究では、大学生の男女が将来の自身の結婚や子育てに対してどのようなイメージを抱いているのか、どのような性役割観を持っているのか、実態について明らかにし、これらの結婚観・子育て観に影響を及ぼす要因として、幼少期および現在の父母との関係、父母の夫婦関係、自身の対人交流の仕方(対象関係)から検討した。調査対象は大学生男女380名である。はじめに、結婚観、子育て観の尺度を検討し、結婚観については「結婚への期待・肯定感」と「結婚への負担感」の2因子、子育て観では「子育てへの期待・肯定感」と「子育てへの不安感」の2因子が見出された。各尺度得点の性差を検討したところ、「結婚への期待・肯定感」と子育て観の2因子いずれも女性の得点の方が有意に高かった。次に、これらに影響している要因を検討し、女性では、現在の母親との信頼関係が結婚および子育てへの期待感につながっていた。また、男女ともに幼少期のアンビバレントな愛着パターンの得点の高さが結婚観、子育て観にネガティブな影響を与え、一方、女性では拒否的な愛着パターンの得点の高さはむしろ結婚、および子育てへの期待を高めていた。さらに、対象関係の下位尺度は様々な影響を与えており、総じて、幼少期の母子関係よりもむしろ、現在の人間関係においての適応が結婚観、子育て観に影響を与えていることが推測された。
著者
三村 昌司
出版者
学校法人 三幸学園 東京未来大学
雑誌
東京未来大学研究紀要 (ISSN:18825273)
巻号頁・発行日
vol.8, pp.113-123, 2015

<p><b> </b> 本稿は、日本の近世近代移行期研究における「主体」という研究対象について、史学史的考察をもとに、改めてその可能性について考えるものである。戦後歴史学において、「主体」は研究対象として重要な位置を占めながら、1970 年代の構造主義や国民国家論(批判)の登場により、後景に退いていった。 しかし1980 年代に研究の進んだ地域社会論において、実は「主体」という研究視座がそのなかで生きており、1990 年代以降ふたたび「主体」を対象とし、かつ方法論的に改めて考察を深める研究が登場しつつあるとみている。最後に、日本における近代社会形成の理解のために、近世近代移行期における「主体」を方法論とした研究の可能性について言及した。</p>
著者
末藤 美津子
出版者
東京未来大学
雑誌
東京未来大学研究紀要 (ISSN:18825273)
巻号頁・発行日
vol.2, pp.41-50, 2009-03-20

アメリカにおいて英語を合衆国の公用語と定めようとする運動は、1980 年代に台頭した。この英語公用語化運動の成果として、いくつかの州では英語公用語化法案が成立し、2008 年現在では、25 の州が英語を公用語と宣言している。それぞれの州における英語公用語化法案は一様ではなく、英語以外の言語への許容度に濃淡がある。本稿では、英語以外の言語を使用することへの制限が最も厳しいと言われた、アリゾナ州の英語公用語化法案に注目し、その法案の成立をめぐる経緯を整理する。そのなかで、英語公用語化運動の推進者の側と、それを阻止しようとする人々の側とで、少数言語者の言語権がどのように考えられていたのかを明らかにする。
著者
田中 元 鈴木 哲也
出版者
学校法人 三幸学園 東京未来大学
雑誌
東京未来大学研究紀要 (ISSN:18825273)
巻号頁・発行日
vol.7, pp.209-218, 2014

<p> 中高理科教員の免許を取得できる大学の教育系/理学系学部それぞれに於いて化学関連シラバスを調査し、化学用語をノードとしたマップを作成した。今回、マップ作成に当たりノードだけでなくエッジのウエイト評価も行い、マップに採用するノードの選別により妥当性を持たせた。このマップを基に、理学系を教育系の対照とした分析を行い、将来の理科教員に求められている化学リテラシーの姿に迫ろうというものである。結論として、教育系に於ける化学教育はミクロ的領域からマクロ的領域へと理論化学を横断する形を主とし、そこから外れる他の要素の比重は有意に小さいことが挙げられる。ここに見られるものは、化学の使われ方よりも、化学そのものを教えるという目的である。教育系における化学教育の現在の形に於ける改良点、他の方向に向いた発展の可能性が、本研究により示される可能性がある。</p>
著者
鈴木 光男
出版者
東京未来大学
雑誌
東京未来大学研究紀要 (ISSN:18825273)
巻号頁・発行日
vol.3, pp.19-28, 2010-03-20

The purpose of this study was to show the educational significance of children's "performance" activities observed in aschool's focal events, i.e., graduation ceremony and school musical performance. Using ethnographic method, performancequality in children's learning activities in such occasions was observed, and especially self-expressions were recorded for later analysis. Result of the analysis showed that the educational meaning of "performance" in learning activities is to exhibit self-propelling actions and to establish relationship with their communities. Through the on-going process of interaction with others, a child performs actions to bridge himself and the society in continuously reflecting manner. To facilitate children's social-self interactive qualities improvement, performance activities should be highly advocated as a child-based integrated learning/teaching process.