著者
鈴木 公啓
出版者
日本応用心理学会
雑誌
応用心理学研究 (ISSN:03874605)
巻号頁・発行日
vol.44, no.2, pp.113-122, 2018-11-30 (Released:2019-08-15)
参考文献数
23

This study investigated the influence of male pattern baldness on the impression of men among adult Japanese men and women. Participants were 79 men and 87 women (mean age = 39.17, SD = 10.75, range: 20-59). They rated 4 types of photographic stimuli based on the Modified Norwood-Hamilton Scale (Takashima et al., 1981) on several dimensions of impressions. Analysis showed that the amount of cranial hair influenced impressions of photographic stimuli. Results showed that baldness was perceived to be a sign of senescence. Furthermore, baldness was perceived to demonstrate several features (e.g., social maturity), an attribute relevant to senescence. Neither sex nor age of the participant influenced the differences in impression of photographic stimuli.
著者
鈴木 公啓
出版者
日本社会心理学会
雑誌
社会心理学研究 (ISSN:09161503)
巻号頁・発行日
vol.30, no.1, pp.45-56, 2014-08-18 (Released:2015-06-06)
参考文献数
48
被引用文献数
2

Body image disturbance and body image discrepancy considered as factors of body dissatisfaction and a drive for thinness were investigated. Participants were presented with new figural stimuli (contour drawings/silhouettes) ranging from thin to heavy developed based on real and objective data—human body size measurements and 3-D image data. Results indicated that female participants overestimated their body size, though the degree of overestimation is not particularly large. It is suggested that competition with members of the same sex generates body dissatisfaction and a drive for thinness. Furthermore, participants rated ideal body size thinner than their perceived body size. It was found that the differences between perceived body size and ideal body size relate to body dissatisfaction and a drive for thinness.
著者
鈴木 公啓 菅原 健介 完甘 直隆 五藤 睦子
出版者
一般社団法人 日本繊維製品消費科学会
雑誌
繊維製品消費科学 (ISSN:00372072)
巻号頁・発行日
vol.51, no.2, pp.113-127, 2010-02-20 (Released:2016-08-31)
参考文献数
18
被引用文献数
1

本論文では,見えない衣服である下着の関心の実態と背景にある心理について,下着に対する“こだわり''の観点から明らかにすることを目的とした.研究1では,下着に対するユーザの意識,特に,求める心理的機能の実態を明らかにし,その世代間の違いを検討した.結果,現代女性の比較的幅広い年代(18~59歳)において,下着への強く多様なこだわりが見られることが明らかになった.特に,若い世代は異性との交流場面でこだわりが強いが,決して異性に対する直接的な効果ばかりではなく,自分自身に対する効果を意識していることが示された.研究2では,お気に入りの下着に対する意識を調査し,下着へのこだわりの背景にある心理について明らかにすることを目的とした.その際には,心理的機能がどのような場面,目的で期待されているのか,心理的機能は下着の何が作り出しているのか,心理的機能を期待する背景にどのような欲求や個人要因が関与しているのかについて検討し,下着のこだわりの背景にある心理的機能について,新たな側面から明らかにすることを目的とした.さらに,下着のこだわりの心理モデル構築を目指した.結果,モデルは支持され,下着にも心理的な機能があり,その機能への期待が,下着へのこだわりに結びついているということが明らかになった.中でも,気合いの効果が極めて重要であり,様々な場面でのベースとなっていることが確認された.このことから,幅広い年代の女性が,日常生活において直面する様々な場面において,その場面に取り組み課題を達成するための心理的資源を得るために,それに合わせたお気に入りの下着を選択して着用していることが明らかになったといえる.
著者
鈴木 公啓
出版者
公益社団法人 日本心理学会
雑誌
心理学研究 (ISSN:00215236)
巻号頁・発行日
vol.83, no.5, pp.389-397, 2012 (Released:2013-03-01)
参考文献数
51
被引用文献数
3 1

Thinness is considered as one type of adornment; as such, it has a psychological function for others. Thus the drive for thinness and dieting were investigated from the viewpoint of impression management. Study 1 investigated a model that the need for approval affects dieting through the outcome expectancies of others' evaluations and the drive for thinness. The results of structural equation modeling indicated high validity for this model. Study 2 investigated the moderating role of self-esteem in the relationship between positive/negative outcome expectancies of others' evaluations and the drive for thinness. The results showed that self-esteem did not act as a moderator between the two components and the drive for thinness.
著者
鈴木 公啓
出版者
日本グループ・ダイナミックス学会
雑誌
実験社会心理学研究 (ISSN:03877973)
巻号頁・発行日
vol.55, no.1, pp.50-59, 2015 (Released:2015-12-22)
参考文献数
35

印象管理の枠組みで痩身を考えた場合,体型印象管理予期も対象の種類によって異なる可能性が考えられる。そこで,本論文は,体型印象管理予期が対象によってどのように異なるかについて明らかにすることを目的とした。被調査者である若年女性は,買い物場面と海水浴場面の2つの場面における,親密度(友人,知人,他人)×対象の性別(同性,異性)の6種類の対象に対する体型印象管理予期についての回答をおこなった。分析の結果,体型印象管理予期の2側面である体型ポジティブ印象予期および体型ネガティブ印象予期の得点は,それぞれ,海水浴場面が買い物場面よりも高く,また,知人が他に比し高く,そして,異性の方が同性よりも高いことが確認された。そこには,評価の安定性や価値が関係していると考えられた。
著者
鈴木 公啓 菅原 健介 西池 紀子 小松原 圭司 西口 天志 藤本 真穂
出版者
一般社団法人 日本繊維製品消費科学会
雑誌
繊維製品消費科学 (ISSN:00372072)
巻号頁・発行日
vol.55, no.9, pp.677-686, 2014-09-20 (Released:2017-11-28)
参考文献数
11

本論文では,男性における下着の着用や購入の関心の実態,および,下着へのこだわりの背景にある心理機序について明らかにすることを目的とした.その際,心理的機能がどのような場面,目的で期待されているのか,心理的機能は下着の何が作り出しているのか,心理的機能を期待する背景にどのような要因が関与しているのか,それらをまとめた下着のこだわりの心理モデルを構築し検討した.結果,男性において,下着にも心理的な機能があり,その機能への期待が,下着へのこだわりに結びついているということが明らかになった.中でも,気合いの効果が極めて重要であり,様々な場面でのベースとなっていることが確認された.幅広い年代の男性が,日常生活において直面する様々な場面において,課題を達成するための心理的資源を得るために,お気に入りの下着を着用していることが示された.ただし,そのプロセスについては,女性ほど分化していないことも併せて示された.
著者
鈴木 公啓
出版者
日本社会心理学会
雑誌
社会心理学研究 (ISSN:09161503)
巻号頁・発行日
vol.30, no.1, pp.45-56, 2014-08-18

Body image disturbance and body image discrepancy considered as factors of body dissatisfaction and a drive for thinness were investigated. Participants were presented with new figural stimuli (contour drawings/silhouettes) ranging from thin to heavy developed based on real and objective data-human body size measurements and 3-D image data. Results indicated that female participants overestimated their body size, though the degree of overestimation is not particularly large. It is suggested that competition with members of the same sex generates body dissatisfaction and a drive for thinness. Furthermore, participants rated ideal body size thinner than their perceived body size. It was found that the differences between perceived body size and ideal body size relate to body dissatisfaction and a drive for thinness.
著者
鈴木 公啓
出版者
日本パーソナリティ心理学会
雑誌
パーソナリティ研究 (ISSN:13488406)
巻号頁・発行日
vol.32, no.2, pp.99-101, 2023-10-04 (Released:2023-10-04)
参考文献数
9

This study aimed to examine the psychological processes that occur in the background of the tendency to prefer stylish masks under mask mandates by establishing a model that focuses on the expectation of psychological efficacy. A web-based survey of 447 adult women was conducted in February 2023. The analysis results showed that the cognition of psychological efficacy is associated with a preference for stylish masks. In addition, the desire for social approval related to the expectation of psychological efficacy. This process is similar to that of other types of personal adornment.
著者
鈴木 公啓
出版者
学校法人 三幸学園 東京未来大学
雑誌
東京未来大学研究紀要 (ISSN:18825273)
巻号頁・発行日
vol.11, pp.119-129, 2017-12-26 (Released:2018-12-04)
参考文献数
21

本研究は、現在の日本における美容医療(美容整形・プチ整形)の経験や興味の実態を確認すると同時に、美容医療に関わる態度、イメージ、そして心理的特徴などについても明らかにすることを試みた。 美容医療の経験のある者は少ないが、興味を有する者は多いことが確認された。そして、美容医療の経験は、他の身体変工の経験と関連があること、興味/経験があるほど社会で美容医療が受容されていると考えていること、プチ整形は美容整形に比べてコンプレックス解消というイメージが無いこと、また、興味/経験があるほど、周囲の人が美容医療を経験したと考えていることなどが明らかとなった。さらに、興味/経験によって、心理的特徴が異なっていた。そこからは、容姿への不満や装った姿こそが本当の姿であるという考えが、美容医療を受けることを推し進め、そして、施術を経験することによって、自己に満足し、新しい姿が自己像として定着していくプロセスが想定された。
著者
中井 義勝 任 和子 鈴木 公啓
出版者
一般社団法人 日本心身医学会
雑誌
心身医学 (ISSN:03850307)
巻号頁・発行日
vol.57, no.1, pp.69-74, 2017 (Released:2017-01-01)
参考文献数
18

食行動異常のため受診した患者を対象に, DSM-5診断基準を用いて回避・制限性食物摂取症 (ARFID), 神経性やせ症摂食制限型 (AN-R) とAN過食・排出型 (AN-BP) の診断を行い, その臨床症状を3群間で比較検討した. ARFIDは, 食行動障害および摂食障害群570例中83例 (14.6%) で, 全例が女性であった. ARFIDはAN-BPに比し初診時年齢が若く, 罹病期間が短かった. 精神病理を検討した結果ARFIDが3群間で最も低いことを示唆する結果であった. 今回検討した思春期以降のARFIDの臨床症状は欧米で報告されている小児のARFIDの臨床症状と異なる点があった.
著者
鈴木 公啓 菅原 健介 完甘 直隆 五藤 睦子
出版者
一般社団法人 日本繊維製品消費科学会
雑誌
繊維製品消費科学 (ISSN:00372072)
巻号頁・発行日
vol.51, no.2, pp.113-127, 2010

<p>本論文では,見えない衣服である下着の関心の実態と背景にある心理について,下着に対する"こだわり''の観点から明らかにすることを目的とした.研究1では,下着に対するユーザの意識,特に,求める心理的機能の実態を明らかにし,その世代間の違いを検討した.結果,現代女性の比較的幅広い年代(18~59歳)において,下着への強く多様なこだわりが見られることが明らかになった.特に,若い世代は異性との交流場面でこだわりが強いが,決して異性に対する直接的な効果ばかりではなく,自分自身に対する効果を意識していることが示された.研究2では,お気に入りの下着に対する意識を調査し,下着へのこだわりの背景にある心理について明らかにすることを目的とした.その際には,心理的機能がどのような場面,目的で期待されているのか,心理的機能は下着の何が作り出しているのか,心理的機能を期待する背景にどのような欲求や個人要因が関与しているのかについて検討し,下着のこだわりの背景にある心理的機能について,新たな側面から明らかにすることを目的とした.さらに,下着のこだわりの心理モデル構築を目指した.結果,モデルは支持され,下着にも心理的な機能があり,その機能への期待が,下着へのこだわりに結びついているということが明らかになった.中でも,気合いの効果が極めて重要であり,様々な場面でのベースとなっていることが確認された.このことから,幅広い年代の女性が,日常生活において直面する様々な場面において,その場面に取り組み課題を達成するための心理的資源を得るために,それに合わせたお気に入りの下着を選択して着用していることが明らかになったといえる.</p>
著者
鈴木 公啓 野村 竜也
出版者
Japan Society for Fuzzy Theory and Intelligent Informatics
雑誌
知能と情報 (ISSN:13477986)
巻号頁・発行日
vol.35, no.3, pp.706-711, 2023-08-15 (Released:2023-08-16)
参考文献数
23

本研究は,職種毎の対人コミュニケーション場面におけるジェンダーロボット選好について明らかにすることを目的としておこなった.また,ジェンダー選好において,性役割平等志向性が関連しているかについても検討をおこなった.成人男女1000名を対象に検討をおこなった.その結果,人間,アンドロイド型ロボット,そして機械型ロボットのいずれにおいても,そしてどの職種であっても,コミュニケーション相手として性別がどちらでもかまわないとする者が多いことが示された.ロボットを日常生活に導入する際には必ずしも性別を付与しないで良いことが示唆される.また,ロボットの側を特定のジェンダーに設定してもそれはステレオタイプの再生産とならない可能性が考えられた.
著者
鈴木 公啓 代田 剛嗣
出版者
日本パーソナリティ心理学会
雑誌
パーソナリティ研究 (ISSN:13488406)
巻号頁・発行日
vol.13, no.1, pp.91-101, 2004 (Released:2004-11-25)
参考文献数
18

本研究は,Thought-Shape Fusion Scale(TSFS)の邦訳版を作成することを目的とした.はじめに,TSFS邦訳版の妥当性確認に使用するために,TSFの概念の元となったThought-Action Fusionを測定するThought-Action Fusion Scale(TAFS)の邦訳版を作成し,高い信頼性と妥当性を確認した.次に,大学生女子,短期大学生女子,そして看護学校生女子あわせて342名に対し,邦訳したTSFS,TAFS邦訳版,EAT邦訳版の下位尺度のうち「摂食制限」「食事支配」,およびEDI邦訳版の下位尺度のうち「痩せ願望」「体型不満」,そして日本語版SDSを施行した.TSFS邦訳版の33項目版と15項目版の両者について高い信頼性と妥当性が確認された.使用目的によって使い分けることも可能であることから,TSFS邦訳版は,利用に際し十分に有用に活用できると考えられる.今後は,TSFS邦訳版を使用することにより,痩せ願望やダイエット,そして摂食障害のメカニズムの解明がおこなわれることが期待される.
著者
鈴木 公啓 菅原 健介
出版者
学校法人 三幸学園 東京未来大学
雑誌
東京未来大学研究紀要 (ISSN:18825273)
巻号頁・発行日
vol.7, pp.89-99, 2014-03-21 (Released:2018-12-15)
参考文献数
27

本研究は,これまで十分に扱われてこなかった,基本的属性との関わりをとおし,承認欲求の性質を改めて基本から明らかにすることを目的とした。基本的属性としては,性別と年齢,体型,そして,結婚の有無,職業を扱った。分析の結果,いくつかの関連が見出された。承認欲求が社会との関係性に影響していること,そして,承認欲求が社会との関係性の影響を受けていることが示唆された。よりよく社会に適応して生活を営む上で,承認欲求が基本的な部分でその役割を果たしていることが確認されたといえる。
著者
鈴木 公啓 真家 英俊 寺島 宏紀
出版者
学校法人 三幸学園 東京未来大学
雑誌
東京未来大学研究紀要 (ISSN:18825273)
巻号頁・発行日
vol.15, pp.93-99, 2021-03-31 (Released:2021-05-26)
参考文献数
29

This study aims to investigate the relationship between oneʼs gait patterns and psychological characteristics such as affect and personality. Fifty-two adults( men = 18, women = 34, mean age = 33.8, age range = 18-72) participated in this study. Their gait patterns were assessed by an apparatus, while psychological characteristics were assessed by several self-report questionnaires. Results showed that vitality was positively related to some specific gait patterns. With walking goal-oriented behavior, vitality as energy for the environment is considered to be reflected on the gait patterns. Furthermore, with other psychological variables were not related to the gait patterns, it is considered that the perceived psychological characteristics from gait patterns may not be related to actual psychological characteristics.
著者
鈴木 公啓
出版者
公益社団法人 日本心理学会
雑誌
心理学研究 (ISSN:00215236)
巻号頁・発行日
pp.94.22309, (Released:2023-06-30)
参考文献数
29

This study aimed to clarify the characteristics of body image of Japanese high school girls and the relationship between body dissatisfaction and the desire to lose weight using objective silhouette figures developed based on real and objective data from Japanese girls. Additionally, the girls’ body image was also examined by male high school students. A total of 169 female and 148 male high school students were asked to respond to several body images using an objective silhouette figure. The female high school students also responded to items measuring body dissatisfaction and the desire to lose weight. The results confirmed that the girls had not overestimated their body image and that they idealized a body shape considerably slimmer than their current body shape. The results also suggest that cognition rather than substance of body shape is related to body dissatisfaction and the desire to lose weight. Furthermore, the results also indicated that estimation gaze by same-sex rather than opposite-sex is essential in determining the ideal image.