著者
小野寺 博義 岩崎 隆雄 渋谷 大助 松井 昭義 小野 博美 町田 紀子 阿部 寿恵
出版者
公益社団法人 日本人間ドック学会
雑誌
健康医学 (ISSN:09140328)
巻号頁・発行日
vol.16, no.2, pp.157-161, 2001-08-31 (Released:2012-08-27)
参考文献数
7
被引用文献数
3

1996年度健診受診者2,396人中744人(31.1%)が超音波検査で脂肪肝と診断された。この744人全員が1999年度も脂肪肝と診断された。この中の12.0%の人でBMIが1.1以上減少しており,脂肪肝と診断されたことで肥満を改善しようという努力が感じられた。ALT,総コレステロール,中性脂肪でも異常値が改善・正常化している受診者が多くみられた。健康的行動変容の存在が示唆された。
著者
小野寺 博義 鵜飼 克明 岩崎 隆雄 渋谷 大助 松井 昭義 小野 博美 町田 紀子 阿部 寿恵
出版者
公益社団法人 日本人間ドック学会
雑誌
健康医学 (ISSN:09140328)
巻号頁・発行日
vol.15, no.3, pp.211-214, 2000-11-30 (Released:2012-08-27)
参考文献数
31
被引用文献数
6

1991年度から1998年度までの宮城県対がん協会の腹部超音波検査を併用した成人病健診(現在はがん・生活習慣病検診)受診者を対象として,脂肪肝の頻度およびBMIと血液生化学検査結果の変化を検討した。脂肪肝の頻度は16.6%から32.6%と7年間で2倍となった。総コレステロール,中性脂肪も有意に上昇しているのが確認された。生活習慣指導に役立つ事後指導システムの開発が急務である。
著者
小関 忠尚 中川 明子 嶺尾 徹 野々村 昌雄
出版者
JAPAN SOCIETY OF NINGEN DOCK
雑誌
健康医学 (ISSN:09140328)
巻号頁・発行日
vol.3, no.1, pp.136-141, 1988

「肥満とやせの判定表」は現在の日本人の性別,年齢階級別,身長別体重分布にもとついて作られ,合理的で,今後普及すると予想されるが,性,年齢に関係なく一本の数値でまとめられた「あなたの体重表」に比べ,加齢による体脂肪量増加が含まれているので,やせ方向に判定される傾向がある。体重による肥満判定には,体脂肪量が推定出来る背+上腕皮脂厚測定を併用する必要があり,これを併用すれば人間ドックの肥満判定にも使用出来ると考えられる。
著者
高橋 英孝 笹森 典雄 吉田 勝美 近藤 健文
出版者
公益社団法人 日本人間ドック学会
雑誌
健康医学 (ISSN:09140328)
巻号頁・発行日
vol.8, no.2, pp.47-49, 1993-10-20 (Released:2012-08-27)
参考文献数
21

人間ドックを受診したL806名(男1,502名,女304名)に生体インピーダンス法による体脂肪率の測定を実施し,体格指数と体脂肪率の組合せによる肥満評価法の検討を行った。体格指数および検査正常者(男133名,女45名)における体脂肪率の平均値と標準偏差は,男18.9±4.7%,女23.2±3.4%であった。体格指数正常かつ体脂肪率が男15~23%,女20~27%を標準値とし,体格指数が正常でも体脂肪率の増加がみられる者は,早期肥満として生活指導の対象になると考えられた。
出版者
公益社団法人 日本人間ドック学会
雑誌
健康医学 (ISSN:09140328)
巻号頁・発行日
vol.5, no.2, pp.27-27, 1991-02-20 (Released:2012-08-27)
被引用文献数
1
著者
星野 立夫 田辺 光子 大塚 裕子 清水 文子 山下 幸枝 坂下 清一 大濱 正 宮崎 博子 三浦 賢佑
出版者
JAPAN SOCIETY OF NINGEN DOCK
雑誌
健康医学 (ISSN:09140328)
巻号頁・発行日
vol.17, no.2, pp.152-155, 2002
被引用文献数
1

禁煙指導の一助とするため,男性の喫煙率と年齢および職種との関連性を人間ドック受診者で調べた。受診者数の多い5職種を選び,その職種の2000年度の男性受診者全員を対象とした。男性の喫煙率は,若い年代で高く,年代が進むにつれて低下する傾向を示したが,年代だけでなく職場環境も喫煙率に影響している事が示唆された。生活習慣病予防のためには若い年代に対する禁煙指導の強化が望まれるが,職場環境を考慮したたばこ対策が必要と考えられた。
著者
小林 由希 湯本 幸子 青木 君代 西尾 由美子 藤沢 敏子 千葉 あかね 関 夏恵 保科 知子 阿部 かおり 高田 定男 宮澤 耕次 加藤 憲之 社浦 康三
出版者
JAPAN SOCIETY OF NINGEN DOCK
雑誌
健康医学 (ISSN:09140328)
巻号頁・発行日
vol.17, no.3, pp.318-321, 2002
被引用文献数
3

2000年下半期人間ドックでPWV検査を受けた869名を対象とした。年代別,性別の比較では,女性に対して男性のPWV高値が示された。年齢とPWV,拡張期血圧と収縮期血圧のそれぞれとPWVとの間にも男女共に相関がみられた。治療中を含む高血圧者群と血圧正常者群では有意に高血圧者群のPWVが高い結果となった。血清総コレステロール値とPWVでは男女共に有意な相関はみられなかった。動脈硬化予防には高血圧予防に対する働きかけが重要である。
著者
中澤 浩二 野末 則夫 甲田 証
出版者
公益社団法人 日本人間ドック学会
雑誌
健康医学 (ISSN:09140328)
巻号頁・発行日
vol.18, no.3, pp.350-353, 2003-12-19 (Released:2012-08-27)
参考文献数
6

2型糖尿病患者の治療中に血糖とHbA1cの相互関係の乖離がみられる場合がある。特に鉄欠乏性貧血を呈する場合に多い。今回HbA1cの値に及ぼす鉄代謝に注目し検討した。1)1群は2型糖尿病に鉄欠乏性貧血を合併している患者6例についてHbA1c,血糖,ヘモグロビン(Hb),血清鉄,総鉄結合能(TIBC),不飽和鉄結合能(UIBC),フェリチン等を測定した。2)2群は2型糖尿病で鉄欠乏性貧血を合併して無い患者40例(男24,女16)のHbA1c,血糖,Hb,血清鉄,TIBC,UIBC及びフェリチン等を測定した。3)3群は正常対照群として某企業における女子240例のHbA1c,血糖,Hb,血清鉄等を比較した。4)72ヶ月追跡しえた2型糖尿病貧血合併例1例のHbA1c,血糖,Hb,血清鉄,TIBC,UIBC及びフェリチン等を測定しHbA1cと鉄代謝との関連を観察した。HbA1cとの関連について1)ヘモグロビンとは1群で正の相関(P<0.01)がみられたが2,3群では関連が無かった。2)血糖とは1,2,3群でいずれも正の傾向をしめした。3)血清鉄とは1群の貧血合併例ではHbA1cと負の相関をしめした(P<0.01)。2,3群では関連が無かった。4)TIBCでは1群と正の相関をみた(P<0.05)。5)UIBCとは1群と正の相関をしめした(P<0.01)。6)フェリチンとは1群と2群で負の傾向をしめした。7)長期観察例ではHbA1cと血清鉄に関連がみられた。2型糖尿病患者で鉄欠乏性貧血を呈する者はHbA1cとヘモグロビンとでは正の相関を示し血清鉄との間で負の相関がみられた。鉄剤の投与によりHbA1cは安定し血糖と相互関係の乖離は改善された。
著者
田村 瑞枝 山本 貴嗣 石井 太郎 萩原 徹 斎藤 正樹 服部 研吾 久山 泰 宮本 博文 小田中 佳子 加藤 洋司 新谷 和夫 松井 浩 杉下 靖郎 小田 福美
出版者
公益社団法人 日本人間ドック学会
雑誌
健康医学 (ISSN:09140328)
巻号頁・発行日
vol.16, no.3, pp.249-253, 2001-11-30 (Released:2012-08-27)
参考文献数
13

無症状の人間ドック受診者242人を対象に,尿中抗Helicobacter pylori抗体(ウリネリザ)を測定し血中抗体法と比較したところ,良好な一致率であった。内視鏡的検査を基準とした場合,ウリネリザの診断能は血中抗体法とほぼ同等であった。またウリネリザ陽性群では陰性群と比較して,上部消化管の有所見率が高い傾向が認められ,上部消化管のスクリーニングの一法として有用である可能性が示唆された。
著者
北尾 武 宮森 弘年 神野 正博
出版者
公益社団法人 日本人間ドック学会
雑誌
健康医学 (ISSN:09140328)
巻号頁・発行日
vol.18, no.1, pp.42-44, 2003-06-30 (Released:2012-08-27)
参考文献数
5

人間ドックでの甲状腺超音波検査での甲状腺がん検診とTSH測定による甲状腺機能亢進症および(潜在性)甲状腺機能低下症発見の対費用効果を調べた。1例の甲状腺がん発見のための費用は342万円で1例の甲状腺機能異常症発見の費用は12万5千円であり,がん検診よりもTSH測定による機能異常症検診の方が有効と考えられた。
著者
河合 めぐみ 佐藤 恵 川嶋 修司 大城 宏之 臼田 多佳夫 吉川 裕之 大篠 浩
出版者
公益社団法人 日本人間ドック学会
雑誌
健康医学 (ISSN:09140328)
巻号頁・発行日
vol.19, no.1, pp.66-70, 2004-06-25 (Released:2012-08-27)
参考文献数
12

聖隷予防検診センターにおけるヘリコバクターピロリ(H.pylori)除菌治療の現状と今後の展望について報告する。まず上部消化管内視鏡検査にて潰瘍の診断と,迅速ウレアーゼテストを行った。除菌治療を先行させた後,潰瘍の深さ,大きさに応じて抗潰瘍薬を投与した。そして再度内視鏡検査を施行し潰瘍治癒を確認した後,尿素呼気試験を施行した。2000年11月より,2003年10月までに尿素呼気試験を終了した症例は計193例,平均年齢54.0歳,男性158例,女性35例で,症例のうちわけは胃潰瘍73例,十二指腸潰瘍91例,両潰瘍合併29例であった。除菌成功率は85.5%で,副作用は下痢が最も多かったが,いずれも軽度であった。アルコールや喫煙の生活習慣と,除菌治療の成功率とは相関を認めなかった。除菌成功後の潰瘍再発率は3.2%と非常に低率であったが,除菌失敗後の潰瘍再発率は47.4%と高率であった。除菌治療は,成功すると潰瘍再発が少ないため,有効な治療法である。しかし,失敗すると再発率が47.4%と高率であった。潰瘍はストレスやアルコール,喫煙などの因子も関与するが,基本的に主因はH.pyloriであることを再認識した。1日も早い2次除菌治療法が確立され,保険適応になることが望まれる。
著者
草務 博昭 志村 俊郎 寺本 明
出版者
公益社団法人 日本人間ドック学会
雑誌
健康医学 (ISSN:09140328)
巻号頁・発行日
vol.13, no.3, pp.325-327, 1998-11-30 (Released:2012-08-27)
参考文献数
10

症例1:28歳女性。頭痛を主訴にMRIを施行,両側側脳室前角付近を中心にほぼ左右対称的に広がる脂肪腫,さらに同時に合併する脳梁形成不全症と診断された。神経学的異常所見は認められなかった。症例2:29歳女性。頭重感を主訴として頭部MRIを施行,左側脳室拡大と脳梁形成不全症と診断された。これらの症例はいずれも手術の適応はなく経過観察としている。これら2症例について若干の考察を加え報告する。
著者
楊箸 俊恵 楊箸 隆哉 寺澤 茜 小牧 静江 堀川 豊 洞 久美子 竹内 健太郎 翠川 洋子 相澤 孝夫
出版者
JAPAN SOCIETY OF NINGEN DOCK
雑誌
健康医学 (ISSN:09140328)
巻号頁・発行日
vol.16, no.1, pp.25-29, 2001

疾病予防・健康増進を目的とした通信システムを構築し,希望で入会し1年間フォローした93名の検査値・運動量の変化を調べた。総コレステロール値,中性脂肪値,糖負荷試験に異常のあった者は各検査値の改善と運動量の増加が認められた。また各検査値が正常だった者は元来運動量が多いが,入会後もそれを維持できていた。医療従事者と年間何回か通信するこの継続個別指導システムは,健康改善に有効であることが確認された。
著者
宗 栄治 山崎 昌典 緒方 徹 古賀 淳 船越 健彦 那須 繁 江里口 健次郎
出版者
JAPAN SOCIETY OF NINGEN DOCK
雑誌
健康医学 (ISSN:09140328)
巻号頁・発行日
vol.9, no.1, pp.61-63, 1994

平成4年6月から12月までの健診受診者2,557名を対象とし,10MHzプローブを用い,甲状腺一次スクリーニングを施行した。高解像超音波装置を用い,形状,石灰化像,辺縁に注目し,また大きさにより拾い上げることにより,高率に甲状腺癌が発見された。また同時にスクリーニングで発見された微小癌を如何に考え,対処するかが今後の課題になると思われた。