著者
松井 浩
出版者
公益社団法人 日本アイソトープ協会
雑誌
RADIOISOTOPES (ISSN:00338303)
巻号頁・発行日
vol.19, no.11, pp.539-545, 1970-11-15 (Released:2010-09-07)
参考文献数
2

β線放射粒子からなる塵埃の放射能および粒度分布を測定する方法の1つとして, オートラジオグラフィによる方法を検討した。X線フィルムと原子核乾板のβ線に対する黒化特性を比較し, 分布測定上の問題点を調べた。X線フィルムの現像時間および温度の変化に対する黒化径の誤差は, それぞれ±0.1分, ±0.5℃のとき2~3%であり, 無視できる程度であった。線源と乾板の間の隔離層としてライファンを使用した場合50μ (~5mg/cm2) 程度までは核分裂生成物からのβ線に対して黒化径の変化を示さなかった。オートラジオグラフィによるβ線放射粒子の放射能分布および粒度分布決定における誤差, および実用上の要点について考察し, 測定例を示した。
著者
菅沼 悠介 石輪 健樹 川又 基人 奥野 淳一 香月 興太 板木 拓也 関 宰 金田 平太郎 松井 浩紀 羽田 裕貴 藤井 昌和 平野 大輔
出版者
公益社団法人 東京地学協会
雑誌
地学雑誌 (ISSN:0022135X)
巻号頁・発行日
vol.129, no.5, pp.591-610, 2020-10-25 (Released:2020-11-13)
参考文献数
101
被引用文献数
1

The Antarctic Ice Sheet (AIS) is one of the largest potential contributors to future sea-level changes. Recently, an acceleration of AIS volume loss through basal melting and iceberg calving has been reported based on several studies using satellite observations, including radar altimetry, interferometer, and gravity measurements. A recent model that couples ice sheet and climate dynamics and incorporates hydrofracturing mechanism of buttressing ice shelves predicts a higher sea-level rise scenario for the next 500 years. However, the calibration and reproducibility of the sea-level rise projection from these models relies on geological sea-level reconstructions of past warm intervals. This suggests that a highly reliable reconstruction of the past AIS is essential for evaluating its stability and anticipating its contribution to future sea-level rise. In particular, a relative sea-level reconstruction in East Antarctica is the key to solving the problems and refining future projections. The current understanding of sea-level change along the East Antarctic margin is reviewed, including Glacial Isostatic Adjustment (GIA) effects, and a new strategy is proposed to address this topic based on seamless sediment coring from marine to lake in the East Antarctic margin. This project will provide essential data on AIS change since the last interglacial period.
著者
伊達 修一 寺林 敏 松井 浩平 並木 隆和 藤目 幸擴
出版者
THE JAPANESE SOCIETY FOR HORTICULTURAL SCIENCE
雑誌
園芸学会雑誌 (ISSN:00137626)
巻号頁・発行日
vol.71, no.4, pp.485-489, 2002-07-15 (Released:2008-01-31)
参考文献数
11
被引用文献数
5 6

水道水を用いて作成した培養液による水耕栽培で, しばしば発生する根部褐変の原因について調査した.サラダナの根部褐変は次亜塩素酸の形態で存在する水道水中の残留塩素とアンモニウムイオンが存在する培養液でのみ発生し, どちらか一方しか存在しない培養液では発生しなかった.また, 次亜塩素酸あるいはアンモニウムイオンどちらかを含む培養液に交互に移植しても根部褐変は発生しなかった.従って, 根部褐変は次亜塩素酸とアンモニウムイオンにより生成するクロラミンにより発生するものと考えられた.さらに培養液中の残留塩素濃度の低下は, 光条件下で鉄イオンの存在により促進された.
著者
松井 浩 池沢 芳夫
出版者
日本エアロゾル学会
雑誌
エアロゾル研究 (ISSN:09122834)
巻号頁・発行日
vol.4, no.1, pp.17-25, 1989-03-20 (Released:2011-06-23)
参考文献数
35
著者
山本 英明 浅野 芳裕 松井 浩
出版者
Japan Health Physics Society
雑誌
保健物理 (ISSN:03676110)
巻号頁・発行日
vol.19, no.1, pp.25-32, 1984 (Released:2010-02-25)
参考文献数
15
被引用文献数
2 1

The literature on plutonium aerosols was surveyed for information (1) particle size distributions of plutonium aerosols from nuclear facilities, (2) collection efficiencies for plutonium aerosol particles of multi-stage HEPA filter systems used as exhaust air cleaning systems in these facilities, and (3) particle size distributions of plutonium aerosols discharged through the air cleaning systems.Following are the results.1. Mean particle sizes of plutonium aerosols from chemical plants are about 0.5μm AMAD and from fuel fabrication plants about 3μcm AMAD.2. Average collection efficiencies for plutonium aerosols of the first and second stage HEPA filters in the multi-stage HEPA filter systems exceed 99.99%.3. Mean particle sizes of plutonium aerosols discharged through the air cleaning systems are 0.2μm-0.4μm AMAD for chemical plants and 0.5μm-1.2μm AMAD for fuel fabrication plants.
著者
野口 宏 松井 浩 吉田 芳和
出版者
一般社団法人 日本原子力学会
雑誌
日本原子力学会誌 (ISSN:00047120)
巻号頁・発行日
vol.24, no.5, pp.381-389, 1982-05-30 (Released:2010-01-08)
参考文献数
16

In appropriate evaluation of the internal dose of a population due to radioiodine released from a nuclear power plant during normal operation, it is necessary to clarify behavior of radioiodine in the environment. Sunlight appears to be one of the major factors in the chemical form changes, particularly for radioactive methyl iodide.In the present work, photodissociation of gaseous methyl iodide and production of elemental iodine and other iodine species under the sunlight-simulated white light from a xenon lamp in various atmospheric conditions were studied. Methyl iodide dissociated exponentially with the product of the intensity of light and the irradiation time. The dissociation of methyl iodide produced mainly elemental iodine, and other iodine species (e.g. particulate iodine) up to about 10% in relatively low concentration (less than 10-9g/cm3) of methyl iodide. The effect of relative humidity on the reaction was not observed.
著者
青山 裕彦 坂本 信之 松井 浩二
出版者
広島大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2002

脊椎動物は分節的に構成されていると考えられるが,その発生的基本単位は体節である.体節自身から発生する骨格や筋はもとより,脊髄神経や交感神経系の分節的形成も体節によって支配されている.本研究では脊椎動物のボディプラン形成機構を考察するため,体節から中軸骨格が形成される機構,とくにその胸部を特徴づける肋骨の部域特異的形態形成機構を題材に取り上げた.1.肋骨形成の3区画:体節周囲組織の肋骨形成との関わりを調べ,椎骨と結合している短い部分(近位肋骨)は神経管の底板や脊索に,その遠位にある長い部分(遠位肋骨)は表皮外胚葉に依存して発生することを示した.遠位肋骨はさらに壁側板に進入する部分(遠位肋骨胸骨部)としない部分(遠位肋骨椎骨部)の2区画に分けられる.これは近年提唱された(Burk, A),abaxial, primaxial区画にそれぞれ対応する.2.遠位肋骨形成と体節分化:表皮外胚葉と体節との相互作用を物理的に阻害すると,皮筋板の外側部(Sim 1),皮筋板辺縁近傍の椎板(Scleroaxis)の形成不全が示された.これらの遺伝子発現領域が遠位肋骨の形成に関わるのであろう.3.体壁筋の部域特異的形態形成〜腹壁筋の発生的分節性(1)体節の発生運命:腹壁の筋はほぼ第27体節のみからできることを移植実験から示した.その他の腰部体節は,肋骨のみならず,体壁筋も形成しないのである.(2)神経支配:ところが腹壁筋の支配神経は胸神経であった.筋の発生由来と支配神経の由来する分節が異なっており,支配神経からは筋の発生由来をいうことはできない.4.四肢形成と肋骨形成:胸部に四肢を誘導すると遠位肋骨胸骨部ができなかった.abaxial区画については,体壁と四肢が相補的に形成されるのである.5.中軸骨格原基の部域特異性の決定:体節形成の最も初期,原始線条から陥入する直前に,すでに決定されていることを,当該部位の移植と,そのHox遺伝子群の発現,形態形成能から示した.
著者
松井 浩
出版者
岩波書店
雑誌
世界 (ISSN:05824532)
巻号頁・発行日
no.465, pp.p304-317, 1984-08
著者
田村 瑞枝 山本 貴嗣 石井 太郎 萩原 徹 斎藤 正樹 服部 研吾 久山 泰 宮本 博文 小田中 佳子 加藤 洋司 新谷 和夫 松井 浩 杉下 靖郎 小田 福美
出版者
公益社団法人 日本人間ドック学会
雑誌
健康医学 (ISSN:09140328)
巻号頁・発行日
vol.16, no.3, pp.249-253, 2001-11-30 (Released:2012-08-27)
参考文献数
13

無症状の人間ドック受診者242人を対象に,尿中抗Helicobacter pylori抗体(ウリネリザ)を測定し血中抗体法と比較したところ,良好な一致率であった。内視鏡的検査を基準とした場合,ウリネリザの診断能は血中抗体法とほぼ同等であった。またウリネリザ陽性群では陰性群と比較して,上部消化管の有所見率が高い傾向が認められ,上部消化管のスクリーニングの一法として有用である可能性が示唆された。
著者
松井 浩明 高橋 隆
出版者
一般社団法人日本物理学会
雑誌
日本物理學會誌 (ISSN:00290181)
巻号頁・発行日
vol.59, no.6, pp.362-365, 2004-06-05
参考文献数
9

角度分解光電子分光(ARPES)の分解能はここ数年で大幅に向上し,強相関電子物理等の分野で多くの成果を上げている.しかし,フェルミ準位近傍(結合エネルギーE_B<数十meV)のARPESスペクトルを,理論的な一電子スペクトルとの比較から定量的に議論した例はまだ少ない.本稿では,高温超伝導体の高分解能ARPES実験から,BCS理論の予測するボゴリューボフ準粒子の直接観測に成功したので紹介する.
著者
坂根 直樹 松井 浩 澤入 房子 森 直樹 平澤 勇 竹村 智子 村上 博之 小暮 彰典 高倉 康人 梅川 常和 吉岡 敬治 吉田 俊秀
出版者
THE JAPAN DIABETES SOCIETY
雑誌
糖尿病 (ISSN:0021437X)
巻号頁・発行日
vol.44, no.6, pp.521-524, 2001-06-30

われわれは健康学習 (患者の生き方や価値観を重視し, 行動科学手法を用いた保健指導論) を用いた「楽しくてためになる糖尿病教室」の普及を目指し, 全国でグループワークやロールプレイを中心とした糖尿病教育ワークショップを実施し, 糖尿病医療スタッフ995名の意識や態度に与える影響を検討した. プログラム内容検討, 参加者の目標設定, グループワークや体験学習の必要性の有無で有意差が認められた. 従来は講義時間が大半を占めていたが, 終了後はグループワークや実技の必要性が再認識された.