著者
福野 勝久
出版者
公益社団法人 日本化学会
雑誌
化学と教育 (ISSN:03862151)
巻号頁・発行日
vol.62, no.4, pp.180-181, 2014-04-20 (Released:2017-06-16)
参考文献数
3

平成14年に教科書における発展的内容の記載が認められるようになって以降,高度な内容が掲載されるようになった。反面,平成21年の学習指導要領の改訂に伴い,問題の発見,問題の解決能力の育成が求められている。これを受けて「難しい知識,概念を無理して教える授業」ではなく,「合理的なものの見方を共有する授業」を通して,自然界の法則,現象と戦ってきた先人の知恵への敬意,そして座学の授業に対しても「受けてよかった」というありがたみを感じる授業づくりについて考えてみた。
著者
中森 建夫
出版者
公益社団法人 日本化学会
雑誌
化学と教育 (ISSN:03862151)
巻号頁・発行日
vol.53, no.9, pp.504-507, 2005

国立大学が独立法人化され,労働安全衛生法の適用を受け,化学実験などの事故に対する考え方も変わりつつある。そんな中で大学に入って初めて化学実験を体験する学生も増えている。そこで東工大2年次学生実験,特に合成実験での事故事例を基に,初心者向けの器具・薬品の安全指針なるものをまとめた。
著者
阿部 文一
出版者
公益社団法人 日本化学会
雑誌
化学と教育 (ISSN:03862151)
巻号頁・発行日
vol.57, no.12, pp.562-565, 2009
参考文献数
4

電気化学がイオンの存在や挙動を徐々に明らかにして行った。水溶液中ではイオンは水和しており,水溶液の電気伝導率と溶液中のイオンの移動に密接に関係している。中和反応の進み方と伝導率および酸塩基滴定などについて実際の測定を念頭に置いて解説する。
著者
安芸 晋治
出版者
公益社団法人 日本化学会
雑誌
化学と教育 (ISSN:03862151)
巻号頁・発行日
vol.55, no.3, pp.108-111, 2007
参考文献数
2

有機合成化学を学んだ者が,製薬企業の中で貢献できる仕事の領域は,新しい薬(化合物)を見出すことを目的とする創薬化学研究と,見つかった化合物を工場規模で製造するためのプロセス化学研究の2つに大きく分けられる。この両者は,有機化学の知識を使って化合物を造るという点においては同じであるが,その目的,研究の進め方が大いに異なる。本報では,プロセス化学研究の考え方,進め方の一端を示し,筆者の行ってきた研究例を紹介する。
著者
代田 寧
出版者
公益社団法人 日本化学会
雑誌
化学と教育 (ISSN:03862151)
巻号頁・発行日
vol.64, no.10, pp.510-513, 2016-10-20 (Released:2017-04-03)
参考文献数
9

神奈川県西部に位置する箱根火山は,大涌谷などで噴気活動が活発であり,数年ごとに群発地震が発生する活火山である。2015年には小規模ながら水蒸気噴火も発生した。本講座では,箱根火山の「恵み」の一つである「温泉」の成因と,「脅威」の一つである「火山ガス」と火山活動との関連性について解説した。温泉の成因については,過去に提唱されたモデルと最近の研究を対比し,それらの相違点や最近明らかになったことなどを整理した。火山ガスと火山活動との関連性については,火山活動の活発化に伴い火山ガスの組成が変化するデータを示すとともに,箱根火山活発化のメカニズムに関する二つの考え方について解説した。
著者
阿部 文一
出版者
公益社団法人 日本化学会
雑誌
化学と教育 (ISSN:03862151)
巻号頁・発行日
vol.55, no.2, pp.88-91, 2007
参考文献数
6

液体と気体,液体と液体(例えば有機溶媒と水),固体と液体などの境界には,必ず界面が存在する。界面の科学は古くから知られているが,今だに解明されていない点も多い。本企画では,界面化学の基礎から最新情報までを4回の連載にて解説する。ここでは,界面張力の発生のメカニズムとエネルギーの状態について概観し,特に気体-液体界面の張力についてと,測定方法の代表的なWilhelmy法について原理を述べる。また,ぬれについても基礎的なことを述べる。
著者
松下 俊雄
出版者
社団法人日本化学会
雑誌
化学と教育 (ISSN:03862151)
巻号頁・発行日
vol.46, no.11, pp.717-719, 1998-11-20
著者
芳賀 洋一
出版者
公益社団法人 日本化学会
雑誌
化学と教育 (ISSN:03862151)
巻号頁・発行日
vol.61, no.11, pp.526-529, 2013

半導体などに用いられる微細加工技術によって,小さく高機能なマイクロ化学センサが実現し,用いられている。小型(マイクロ)である利点を活かした生体計測について,検体計測,体内計測,および体表におけるウェアラブル体外計測に分けて,実例を紹介しながら代表的なマイクロ化学センサの種類とその動作原理を述べる。また,新たな手法として核磁気共鳴(NMR)計測,ゲルの体積変化を利用した生体成分計測,皮下に留置する微細加工を用いた流路付き微小針についても述べる。
著者
栗山 敏秀
出版者
公益社団法人 日本化学会
雑誌
化学と教育 (ISSN:03862151)
巻号頁・発行日
vol.44, no.2, pp.92-94, 1996
参考文献数
2

バイオセンサは, バイオテクノロジーとエレクトロニスの融合の典型的な例であり, 種々の測定原理を持つセンサが開発されている。ここではグルコース(ぶどう糖)を酸化する酵素であるグルコースオキシダーゼを含む膜とイオン濃度を検出するFETであるISFETを組み合わせたバイオセンサについて解説し, これを用いた経皮的な血糖値測定について紹介する。
著者
東 あかね
出版者
公益社団法人 日本化学会
雑誌
化学と教育 (ISSN:03862151)
巻号頁・発行日
vol.63, no.1, pp.38-39, 2015

2013年12月,「和食;日本人の伝統的な食文化」が国連教育科学文化機関(ユネスコ)の無形文化遺産に登録された。料理そのものではなく,人々の自然の尊重の精神や風俗・風習に根差した食文化が,世界から注目され,次世代に継承されるべきものとして認められたのである。一方で,わが国の食の現状は大きく変化しつつあり,改めて「和食」を文化や科学の視点で見直す必要に迫られている。本稿では,「和食」の特徴について述べるとともに,日本人化学者によるうま味の発見の経緯や日本人の健康と栄養の課題について概説する。わが国の健康を支えてきた「和食」を,一層健康的なものにするとともに,その食事と食文化を子供たちと世界に伝え,すべての人々に健康な生活がもたらされることを願っている。
著者
竹内 敬人
出版者
社団法人日本化学会
雑誌
化学と教育 (ISSN:03862151)
巻号頁・発行日
vol.40, no.5, 1992-05-20
著者
武政 三男
出版者
公益社団法人 日本化学会
雑誌
化学と教育 (ISSN:03862151)
巻号頁・発行日
vol.52, no.11, pp.738-741, 2004
参考文献数
3

近年,ハーブは,健康によい薬草として注目されている。日本におけるスパイスのイメージは刺激物であり,ハーブのイメージは身体によく,香りがあり,かつ食べられる草なのである。しかしスパイスの多くは刺激がな < ,また食用とされる多くのハーブは食品の分類(加工食品)ではスパイスなのである。生活習慣病予防や高齢者社会での食生活などの見地から,スパイスに対する期待は今後ますます高まるものと予想される。スパイスを単なる調味料としてではなく,食品機能面をサイエンスでみてみると面白い効果が数多く認められる。ここではスパイスをどのように活用したらよいか,さらに新たな活用化の可能性について提案してみたい。