著者
朱 全安
出版者
千葉商科大学
雑誌
千葉商大紀要 (ISSN:03854566)
巻号頁・発行日
vol.41, no.4, pp.69-92, 2004-03

本論考では,長崎唐通事の家系の出身者で,後に幕府の儒者として新井白石・室鳩巣ら木下順庵門下の同学と同時期に活躍した深見玄岱を取り上げ,従来,書家としてしか注目されてこなかった彼が,実はその中国語能力によって学問と実務において活躍し,江戸時代の中国語の受容史における長崎唐通事の流れと内地の儒学者の流れを結び付ける役割を果したことを明らかにした。
著者
今村 修 イマムラ オサム Osamu IMAMURA
雑誌
千葉商大紀要
巻号頁・発行日
vol.51, no.2, pp.251-260, 2014-03
著者
相良 陽一郎 相良 麻里
出版者
千葉商科大学
雑誌
千葉商大紀要 (ISSN:03854566)
巻号頁・発行日
vol.43, no.4, pp.37-59, 2006-03

本研究では,青年期前および青年期全般における自己愛と攻撃性の関係について横断的に検討するため,572名の小学生・中学生・高校生・大学生を対象に,NPI-SとBAQにより自己愛傾向と攻撃性を測定し,下位尺度を含めた両尺度間の相関を年齢群ごとに検討した。その結果,自己愛が高いと攻撃性も高くなるという,先行研究と一致した結果が得られたほか,これまであまり検討されていない発達的な側面についての知見も得ることができた。しかし新たな問題も見出されたため,今後検討すべき課題についても指摘した。
著者
臧 世俊 ZANG Shi Jun
雑誌
千葉商大紀要
巻号頁・発行日
vol.51, no.2, pp.129-155, 2014-03
著者
オグロ タケシ Takeshi OGURO
雑誌
千葉商大紀要
巻号頁・発行日
vol.42, no.3, pp.93-125, 2004-12-31

本論考では,WH-the hell島を越えられないという観察を扱い,Lasnik and Saito(1992)の主張を支持し,その原因はそれらの句が焦点素性照合のためにWH島内部でA'位置に立ち寄るためであると論じた。その際に,従来ほとんど注目されたことのないWhat DID you buy?などの強調疑問文を扱い,焦点移動を伴う諸言語の研究に基づき,このような疑問文における文頭に移動したWH句が焦点句でもあると論じ,その振る舞いを検討した。あわせて,問題点として,WH-the hell句の摘出に強い逸脱性を見いださない話者がいることや,焦点移動を伴っていると思われるが強い島の効果を示さない感嘆文の例を示した。これらは,Boskovic(1998)の仮定に基づき,焦点移動には主要部の要請によるもの場合と移動する句自体の要請による場合があるとすることにより導かれると論じた。さらに,WH島の効果に関する項/付加詞の非対称性の原因についても考察した。
著者
朱 全安 Zenan SHU
雑誌
千葉商大紀要
巻号頁・発行日
vol.41, no.4, pp.69-92, 2004-03-31

本論考では,長崎唐通事の家系の出身者で,後に幕府の儒者として新井白石・室鳩巣ら木下順庵門下の同学と同時期に活躍した深見玄岱を取り上げ,従来,書家としてしか注目されてこなかった彼が,実はその中国語能力によって学問と実務において活躍し,江戸時代の中国語の受容史における長崎唐通事の流れと内地の儒学者の流れを結び付ける役割を果したことを明らかにした。
著者
張能 美希子 チョウノウ ミキコ Mikiko CHONO
雑誌
千葉商大紀要
巻号頁・発行日
vol.45, no.4, pp.47-63, 2008-03

本稿では動態的差別の定義を用いてタスマニア先住民抹消について説明した。動態的差別の定義は差別の2つの特徴,時間による差別の変化と差別の多面的な社会的機能に注目して提唱されている。従来の差別研究で,差別は画一的にネガティブな現象として提えられ,十分な検証を終えずに差別の撤廃という目的に向けて議論は進められがちであった。しかし,動態的差別の定義においては,差別が比較的無害な状態から,有害な状態へと変化するとしており,さらにそれらの変化が差別要素のスパイラルによって行われる,と説明されている。タスマニアの先住民は多くの書物で「絶滅した」とされている。しかし2001年現在,タスマニアのアボリジニの人口は15,733人居り,彼らは純血ではないものの確かにタスマニア先住民の子孫である。本稿ではタスマニア先住民のケースは,存在自体を抹消されてしまう,という差別の最悪のレベルにまで達しているとした。その上でなぜ,タスマニア先住民の存在が無視され,抹消されてしまうのか,という疑問について動態的差別の定義を用いて論じた。
著者
髙島 明
雑誌
千葉商大紀要
巻号頁・発行日
vol.53, no.2, pp.127-140, 2016-03
著者
外川 拓
雑誌
千葉商大紀要
巻号頁・発行日
vol.55, no.2, pp.123-142, 2018-03
著者
浅井 茂紀 アサイ シゲノリ Shigenori ASAI
雑誌
千葉商大紀要
巻号頁・発行日
vol.40, no.3, pp.95-115, 2002-12-31

この論文は,目次,I序論,II本論,第1節倫理学とは何か-人間の行為の原理を研究する学-第2なぜ倫理学が必要か-人倫と理法の学における価値-第3ソクラテスの「汝自身を知れ」-西洋倫理学の創始-第4プラトンの哲人政治と善のイデア-四元徳とイデア論-第5節アリストテレスの倫理学(実践哲学)-観照と中庸-,第6節イギリス経験論-経験について-,第7節大陸合理論-理性について-,第8節ドイツ観念論-カントの善意志について-,第9節キリスト教-愛について-,III結論(注付),から成立している。倫理学(Ethics)の語源,「倫理学」の訳語(井上哲次郎),倫理学の概念も説明した。孟子も「聖人は,人倫の至りなり。」(離婁上)と述べた位に,倫理,人倫や人道の言葉だけでも難解な問題であるが,西洋倫理学と関連して,人間の行為の原理を考察してみた。これら倫理学を分析や総合し,その全体的な体系付けをして,その中身の意義と価値を考慮した一研究論文である。
著者
江口 洌 エグチ キヨシ Kiyoshi EGUCHI
雑誌
千葉商大紀要
巻号頁・発行日
vol.41, no.1, pp.94-73, 2003-09-30

『書紀』は,天皇位に空白があってはいけないことを書いている。しかし『書紀』の紀年構成を見ていくと,その天皇位空白年が六ヶ所もある。それも3年に及ぶ空白もある。どうしてその空白を『書紀』は認めているのだろう。その理由を探ってみたい。紀年構成の理解には,暦数と易数への理解が必要である。日の皇子思想を強調する天皇王権は,太陽神と天皇権を重ねる目的で,太陽の運行(暦数)や天・地・人の相関関係の数字(易の三才関係の数字)を神秘化して,天皇紀を創っている。ここではその空位期間の1つである初代天皇神武崩御年から2代天皇綏靖即位年までの3年間の空位がどうして生じているのか,その理由を探ってみた。『書紀』時代の天皇を基軸として組み立てられた紀年構成において,神武と綏靖とを「威霊再生の関係」で以て,天武と元明とに関係づけようとした結果であることを説く。
著者
鷲谷 浩輔
雑誌
千葉商大紀要
巻号頁・発行日
vol.55, no.2, pp.143-151, 2018-03