著者
PENDLEBURY David A.
出版者
一般社団法人 情報科学技術協会
雑誌
情報の科学と技術
巻号頁・発行日
vol.67, no.10, pp.546-549, 2017

<p>ユージン・ガーフィールドは20世紀後半の情報革命の牽引者であった。彼は,著者が自分の論文の中の引用文献で作ったリンクを活用して,引用索引を科学文献検索の世界に導入した。引用索引は,研究者に新たに正確な情報検索の手段を提供するだけでなく,科学文献から科学の構造と動向研究を可能にし,科学をマッピングする方法に拡大するとともに,国,研究機関,雑誌,著者の研究のパフォーマンス分析にも導入されている。彼は,情報科学者としてだけでなく,科学と芸術分野やホームレス支援の社会福祉団体へも多大な貢献をおこなった。デービッド・ペンドルベリー(安藤聡子 訳)</p>
著者
永崎 研宣
出版者
一般社団法人 情報科学技術協会
雑誌
情報の科学と技術 (ISSN:09133801)
巻号頁・発行日
vol.67, no.2, pp.61-66, 2017

<p>デジタル文化資料のWebでの流通の仕方を抜本的に改革し,より効果的効率的に共有するための規格,IIIFが研究図書館を発信源として国際的に広く支持を集めるようになってきており,英国図書館やフランス国立図書館をはじめ,多くの関連機関がこれに積極的に関わるようになっている。本稿では,IIIFの初期段階の構想を採り上げ,それが現在にどのように実現されているかを明らかにする。そして,IIIFが現在提供する様々な利便性について紹介するとともに,現在国内外でどのように広まっているか,その広がりがどういった状況をもたらし得るか,について検討する。さらに,人文学向けのテクスト資料のデジタル化に関するデファクト標準であるTEIについても触れ,両者の対比と今後の可能性を提示する。最後に,デジタル文化資料の国際的な規格に日本が積極的に関わっていくことの意義を述べる。</p>

1 0 0 0 OA 編集後記

出版者
一般社団法人 情報科学技術協会
雑誌
情報の科学と技術 (ISSN:09133801)
巻号頁・発行日
vol.67, no.11, pp.612-612, 2017-11-01 (Released:2017-11-01)

1 0 0 0 OA 行事予定表

出版者
一般社団法人 情報科学技術協会
雑誌
情報の科学と技術 (ISSN:09133801)
巻号頁・発行日
vol.67, no.11, pp.609-609, 2017-11-01 (Released:2017-11-01)

1 0 0 0 OA 標準化の世界

著者
宮澤 彰
出版者
一般社団法人 情報科学技術協会
雑誌
情報の科学と技術 (ISSN:09133801)
巻号頁・発行日
vol.67, no.11, pp.594-599, 2017-11-01 (Released:2017-11-01)
著者
伊神 正貫
出版者
一般社団法人 情報科学技術協会
雑誌
情報の科学と技術 (ISSN:09133801)
巻号頁・発行日
vol.67, no.11, pp.589-593, 2017-11-01 (Released:2017-11-01)

本稿では,ユージーン・ガーフィールド博士が開拓した情報資産や分析手法が,科学技術政策研究において,どのように活用されているかを,科学技術・学術政策研究所(NISTEP)におけるScience Citation Indexを用いた調査研究やサイエンスマップ調査の展開,これらの調査と科学技術政策立案との関係の変化を事例として概観する。
著者
佐々木 良一
出版者
一般社団法人 情報科学技術協会
雑誌
情報の科学と技術 (ISSN:09133801)
巻号頁・発行日
vol.67, no.11, pp.577-581, 2017-11-01 (Released:2017-11-01)

近年,IoT(Internet of Things)が注目されており,異なる分野の機器やシステムが相互に連携し,新しいサービスの提供が可能となると期待されている。一方,IoTを構成するシステムのセキュリティがIoTを実用化する上で大きな課題になっている。本稿では,最初に,重要インフラの制御システムや,コネクティドカー,防犯カメラなどの主要なIoTシステムに対する過去のサイバー攻撃や今後考えうる攻撃方法について紹介する。次に,IoT機器の認証基盤や,リスク評価手法,サプライチェーン対策なども含む種々のセキュリティ対策について解説している。IoTシステムのセキュリティの問題は今後ますます重要になると考えられ,研究の強化が必要となっている。
著者
村居 昌俊
出版者
一般社団法人 情報科学技術協会
雑誌
情報の科学と技術 (ISSN:09133801)
巻号頁・発行日
vol.67, no.11, pp.573-576, 2017-11-01 (Released:2017-11-01)

近年,大学図書館に期待される機能や役割はますます増加している。本学図書館では,従来コレクションの構築と適切なナビゲーションを主機能としていたが,学修支援や教育活動への直接の関与が必要とされはじめている。そのため,2016年9月開館の新図書館では,人的リソースを定型業務から学修支援や教育活動への関与へとシフト,場所的リソースを本の置き場所から学修の場所へとシフトする必要があり,ICT機器やネットワークによる仕掛けを模索してきた。そこで本学新図書館におけるICT機器の導入経緯,選定方針,各機能,運用方法などを紹介していきたい。
著者
田口 忠祐
出版者
一般社団法人 情報科学技術協会
雑誌
情報の科学と技術 (ISSN:09133801)
巻号頁・発行日
vol.67, no.11, pp.559-559, 2017-11-01 (Released:2017-11-01)

今月は,「IoT:モノのインターネット」をテーマにお送りいたします。現在,インターネットの普及はもちろんのこと,様々なセンサーの小型化,低価格化,省電力化が進み,これまでインターネット接続とは無縁だったモノにも各種センサーや情報通信端末が搭載されるようになってきました。さらに,私たち自身もスマートフォンの爆発的な普及により,インターネットに繋がった端末機器を携帯している時間が多くなり,自ずと様々な「モノ」がインターネットにつながることで受けられるサービスを享受するようになってきています。最近では「IoT:Internet of Things モノのインターネット」という言葉も定着してきています。そこで今回の特集ではIoTに注目し,その最新動向や事例紹介を行うことにより,現在の正確な状況把握,課題点の認識,そして今後のサービス展開などを考える契機となることを目指し,専門家の方々に論じていただきました。まず,境野哲氏には,IoTについて,現在の状況から今後の展望,課題について広範に論じていただきました。続いて,IoTを活用した事例として,藤井篤之氏,中西華子氏には,現在,スマートシティのモデル地域となっている福島県会津若松市の事例について論じていただきました。また,村居昌俊氏には,スマートフォンやビーコンを活用し新たなサービスを展開している大学図書館の事例について論じいただきました。一方で,これまでインターネットに接続していなかったモノがインターネットに接続することによる新たなリスクやセキュリティ対策といったことが求められてきています。そこで,佐々木良一氏には,実際のIoTシステムに対するサイバー攻撃の事例,セキュリティ対策,リスク評価等について論じていただきました。最後に,別所正博氏,坂村 健氏には,今後到来するであろうIoT時代に活躍できる人材の育成について,現在大学で行われている教育の事例を論じていただきました。本特集が,インフォプロの方々にとって,今後ますます進展するであろうIoTについて,現状や課題を適切に把握し,活用するための一助となれば幸いです。(会誌編集担当委員:田口忠祐(主査),長野裕恵,古橋英枝)

1 0 0 0 OA 編集後記

出版者
一般社団法人 情報科学技術協会
雑誌
情報の科学と技術 (ISSN:09133801)
巻号頁・発行日
vol.67, no.10, pp.558-558, 2017-10-01 (Released:2017-10-01)

1 0 0 0 OA 協会だより

出版者
一般社団法人 情報科学技術協会
雑誌
情報の科学と技術 (ISSN:09133801)
巻号頁・発行日
vol.67, no.10, pp.556-557, 2017-10-01 (Released:2017-10-01)

1 0 0 0 OA 行事予定表

出版者
一般社団法人 情報科学技術協会
雑誌
情報の科学と技術 (ISSN:09133801)
巻号頁・発行日
vol.67, no.10, pp.555-555, 2017-10-01 (Released:2017-10-01)
著者
豊田 恭子
出版者
一般社団法人 情報科学技術協会
雑誌
情報の科学と技術 (ISSN:09133801)
巻号頁・発行日
vol.67, no.10, pp.550-553, 2017-10-01 (Released:2017-10-01)

シカゴのハロルド・ワシントン・ライブラリ・センターには,大人向け,中高校生(ティーンズ)向け,子供向けの3か所にメイカースペースが設置され,そのすべてに3Dプリンタをはじめとしたハイテク機器が置かれている。背景には,オバマ政権の進めた「STEM教育」の重視や,「ものづくり立国」戦略がある。政府方針にのっとり,全米の学校,図書館,博物館に3Dプリンタの設置が急速に進んだ。特に図書館は,新技術を地域の若者や創業者,中小企業に広げ,地元の産業競争力をつけるのに重要な役割を担わされている。メイカースペースを内包することで,地域における図書館の存在が,再評価されているといえる。
著者
小野 永貴
出版者
一般社団法人 情報科学技術協会
雑誌
情報の科学と技術 (ISSN:09133801)
巻号頁・発行日
vol.67, no.10, pp.539-545, 2017-10-01 (Released:2017-10-01)

日本の大学における情報リテラシー教育は,大学図書館における利用者教育の発展形と,情報処理教育の一般教育化の2つの文脈がある。これらは異なる経緯や視点をもち,複数の組織から独立的に実施される場合が多い。一方で,現在の大学の現場では両者とも「情報リテラシー教育」という共通の目標語のもと展開されることがあり,本来は大学全体で接続的・統合的に実施されるべきと考える。本稿ではこれらの議論を振り返りつつ,両者の視点を接続・統合して実施された情報リテラシー科目の事例を解説する。そのうえで,小中高大が接続した情報リテラシー教育の実現にむけて,将来展望と課題を考察する。
著者
有山 裕美子
出版者
一般社団法人 情報科学技術協会
雑誌
情報の科学と技術 (ISSN:09133801)
巻号頁・発行日
vol.67, no.10, pp.533-538, 2017-10-01 (Released:2017-10-01)

ICT技術の発達に伴い,教育現場にもかなりのスピードでICTを活用した教育が進行している中で,「情報リテラシー」は,ともすればコンピュータやインターネット活用に重点を置かれがちである。しかし当然のことながら,我々が受け取る「情報」は,インターネットからの情報だけではない。この予測不可能な高度情報化社会において学校図書館が担うべき使命は,紙の情報も含めたあらゆる情報に適切にアクセスし,それらの中身を自ら取捨選択し,活用することができる「情報リテラシー」を身につけた人材の育成である。本稿では,中学および高等学校における情報リテラシー教育の実践の一例を,思考のプロセスに重点を置きながら紹介する。
著者
塩谷 京子
出版者
一般社団法人 情報科学技術協会
雑誌
情報の科学と技術 (ISSN:09133801)
巻号頁・発行日
vol.67, no.10, pp.527-532, 2017-10-01 (Released:2017-10-01)

小学校現場において情報リテラシーとほぼ同様の概念で使われている用語に,情報活用能力,情報活用スキルがある。これらを習得・活用する場は,主に情報教育,図書館教育であるが,これらは,各教科等の学習における問題解決学習や探究的な学習の中に組み込まれていることが多い。そこで,本稿では,実践事例を紹介しながら,情報リテラシー教育を推進するための視点を整理した。その結果,情報リテラシー教育が行われるためには教科や学年を超えた教員間の連携が必要であり,このような連携が生まれると,教科横断的な視点である授業デザインや探究の過程が教員間の話題になることがわかった。
著者
古橋 英枝
出版者
一般社団法人 情報科学技術協会
雑誌
情報の科学と技術 (ISSN:09133801)
巻号頁・発行日
vol.67, no.10, pp.513-513, 2017-10-01 (Released:2017-10-01)

今月号の特集タイトルは「情報リテラシー教育のいま」です。日本国内における情報活用能力の教育の必要性に関する議論は,1985年6月の臨時教育審議会第一次答申に始まった,と言われています。1998年から1999年にかけて中学校の技術家庭科において「情報とコンピュータ」が必修になり,高等学校に教科「情報」が新設されました。情報教育における「情報活用能力」は「情報リテラシー」と同義として扱われるようになり,小・中・高等学校図書館(以下,学校図書館)では「調べ学習」や「探究的学習」において一定の役割を果たしてきました。また,大学図書館においても1996年に学術審議会が「大学図書館における電子図書館的機能の充実・強化について(建議)」を公表し,この中で情報リテラシー教育への支援と教育体制の整備が挙げられています。本特集では,学校図書館における情報リテラシー教育と,大学図書館で実施されている情報リテラシー教育について制度と実際の取り組みについて概観し,相互の連携における課題を明らかにするとともに,初等・中等・高等教育機関全体での情報リテラシー教育のデザインの可能性について論じることを目的としています。総論では,鶴見大学の河西由美子氏に米国における情報リテラシー概念の発展から日本の情報教育との関連,学校教育及び学校図書館における課題を中心に論じていただきました。関西大学の黒上晴夫氏には,学校教育における思考スキルの育成に一定の役割を果たしているシンキングツールについて,具体的な思考の過程を解説いただきながら,詳細にご紹介いただきました。この思考スキル・情報リテラシーを,実際の教育現場においてどのように育んでいるのか,初等教育(小学校)については学校図書館の司書教諭のご経験もある,関西大学の塩谷京子氏に,中等教育(中・高)については工学院大学附属中学・高等学校の司書教諭である有山裕美子氏に,高等教育(大学)については大学における情報リテラシー授業の授業設計のご経験のある日本大学の小野永貴氏に,それぞれ実践例を交えつつ,課題や展望について論じていただきました。本特集が,各教育課程の現場に関わるみなさまにとって,また,学校図書館・大学図書館のみならず,生涯学習を支える地域の公共図書館で勤務されるみなさまにとっても,日々受け取る多くの情報をいかに判断し,正しく活用し,他者とのコミュニケーションにつなげ,新たな視点を得ることで成長していくのか,という人類の基本的な行動について,改めて考える機会になれば幸いです。(会誌編集担当委員:古橋英枝(主査),小山信弥,中村美里,久松薫子)