著者
室谷 心
出版者
学校法人松商学園松本大学
雑誌
教育総合研究 = Research and Studies in Education (ISSN:21336114)
巻号頁・発行日
vol.1, pp.91-108, 2017-11-30

2017年7月2日に行われた東京都議会議員選挙は、小池百合子都知事率いる「都民ファーストの会」が圧勝し、自民党は歴史的大敗を喫した。本論文は、投票日前後での都議選に関係するキーワードを含むツィートを集め、その内容を解析したものである。研究の興味としては、ツィート数の時系列での変化、ツィートに含まれる単語の使用頻度分布、ツィート者数分布、リツィート数、被リツィート数分布などから、代表的SNSであるツィッターシステム上に流れる、都議会議員選挙関連情報の特徴を明らかにすることである。今回の解析の結果、都議会議員選挙関連のツィートの特徴として、リツィートの占める割合が非常に高いこと、異常に饒舌な参加者はいないことが明らかとなった。また、頻出単語を見る限り、"豊洲移転"や"受動喫煙"といった争点の話題は目立たず、ネガティブキャンペーンの単語の方が頻出していたという結果であった。
著者
守 一雄 宮澤 悟 村山 喬宏 森岡 優太
出版者
学校法人松商学園松本大学
雑誌
教育総合研究 = Research and Studies in Education (ISSN:24336114)
巻号頁・発行日
vol.4, pp.141-147, 2020-11-30

早口言葉“バスガス爆発”は練習をしてもなかなか上手く言えるようにならないことが知られている。 本研究では、“バスガス爆発”と音韻的にほとんど同じである“バスが砂漠発”という言葉を「足場」と して利用することで、この早口言葉が簡単に言えるようになるかどうかを実験的に検証した。大学生 36名をランダムに約半数ずつに割り振り、「足場かけ」条件(実験条件)と統制条件とで同じように1分 間の練習を行い、プリテスト・ポストテスト法による検証を行った。実験の結果、「足場かけ」条件 で効果が認められたが、「足場かけ」がない統制条件でも練習すればできるようになり、統計的な差 は認められなかった。
著者
守 一雄 宮澤 悟 村山 喬宏 森岡 優太
出版者
学校法人松商学園松本大学
雑誌
教育総合研究 = Research and Studies in Education (ISSN:24336114)
巻号頁・発行日
no.4, pp.141-147, 2020-11-30

早口言葉"バスガス爆発"は練習をしてもなかなか上手く言えるようにならないことが知られている。 本研究では、"バスガス爆発"と音韻的にほとんど同じである"バスが砂漠発"という言葉を「足場」と して利用することで、この早口言葉が簡単に言えるようになるかどうかを実験的に検証した。大学生 36名をランダムに約半数ずつに割り振り、「足場かけ」条件(実験条件)と統制条件とで同じように1分 間の練習を行い、プリテスト・ポストテスト法による検証を行った。実験の結果、「足場かけ」条件 で効果が認められたが、「足場かけ」がない統制条件でも練習すればできるようになり、統計的な差 は認められなかった。
著者
木村 晴壽
出版者
学校法人松商学園松本大学
雑誌
教育総合研究 = Research and Studies in Education (ISSN:24336114)
巻号頁・発行日
vol.2, pp.1-28, 2018-11-30

本論は、明治初期に開始された地方制度改革の過程で信州に設置された筑摩県を素材に、その教育行政のあり方を仔細に検討した。筑摩県は地方行政区として4年余り存続しただけの県ではあったが、その教育行政は独特であり、短期間に着々と小学校の設立が進んだだけでなく、学制施行直後の当時としては驚異的な高就学率をも達成した。これらの実績を評価した文部省は、官民ともに県全体が学制の主旨に沿った教育の充実を実現しているとして、筑摩県を賞賛した。迅速な学校設置や高就学率を実現するため筑摩県では、後に県の一部となる伊那県の時代から県の長官を務める人物が先頭に立って教育行政を牽引し、精勤賞や不就学補助金等の実効性ある施策を実施していた。さらには、長官である権令自ら県内の小学校を巡回して就学を督励するなど、むしろ特異ともいえる姿勢で教育行政と取り組んでいた。その最中、地方統治の完成を目指す政府が断行した府県統合策によって筑摩県は、発足から4年余りで旧長野県と統合された。筑摩県が消滅した後、統合長野県の教育行政からは、徐々に筑摩県色が失われていったが、就学率を含めた教育水準は、それなりに維持された。
著者
矢﨑 久 室谷 心 滝澤 毅
出版者
学校法人松商学園松本大学
雑誌
教育総合研究 = Research and Studies in Education (ISSN:24336114)
巻号頁・発行日
vol.6, pp.85-105, 2022-11-30

松本大学総合経営学部総合経営学科では、教育企画として学科1年生に対して、基礎学力向上のためのe-learningシステムを導入している。昨年は2019年度および2020年度の入学生についての基礎学力コースの利用状況、成績との関係、入試区分別、高校課程別、GPA、学修行動調査などIR的視点を併せた分析を実施した。今回は2021年度入学生を加えた分析を行った。
著者
小林 俊一
出版者
学校法人松商学園松本大学
雑誌
教育総合研究 = Research and Studies in Education (ISSN:24336114)
巻号頁・発行日
vol.4, pp.13-29, 2020-11-30

日本では公的医療保険制度のために国が薬価を定めて、2年ごとに改定している。その薬価改定の 特徴を抽出するため、1101種類の医薬品の薬価の過去20年間における10回の改定の変動倍率の分布を 調べた。さらに、薬価の価格帯ごとの変動倍率も分析した。その結果、薬価の変動倍率は最近20年間 で0.9倍から1.03倍までの間に集中していることがわかった。また、改定ごとの変動倍率の分布は一様 ではないこともわかった。薬価の価格帯ごとの変化倍率も、その分布は価格帯ごとに形状が異なるこ とがわかった。
著者
石澤 美代子 成瀬 祐子 水野 尚子 藤岡 由美子
出版者
学校法人松商学園松本大学
雑誌
教育総合研究 = Research and studies in education (ISSN:24336114)
巻号頁・発行日
vol.4, pp.203-212, 2020-11

管理栄養士養成課程において臨地実習は必須であり、本学には臨地実習Ⅰ~Ⅳの4種類がある。そのうち臨地実習Ⅱは病院へ赴き10日間の実習を行い、終了後はパワーポイントを用いて実習の概要や課題をまとめ、大学で「対面・ブース形式」により報告会を行っている。しかし、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)拡大により対面が難しい状況となったので、2020年度は報告会をオンライン・ブース形式(オンライン報告会)にて行った。オンライン報告会は聴講者にはメリットが多く発表者側も有益な報告会になる可能性が示唆されたので、対面実施が難しいなかでもオンラインによる報告会は、代替方法として有用であると思われた。
著者
岸田 幸弘 吉岡 典彦
出版者
学校法人松商学園松本大学
雑誌
教育総合研究 = Research and Studies in Education (ISSN:24336114)
巻号頁・発行日
vol.5, pp.191-206, 2021-11-30

本事例は、生徒の生活ノートと連動した学級通信を発行し続けている中学校教師の実践を詳細に分析し、一つの事例として検討することを通して、改めて学級通信の役割と作成の視点を明らかにした。生徒・保護者・同僚職員のアンケート調査から、生徒の文章表現力を高め、担任教師と生徒との信頼関係を築き、生徒同士の仲間意識を醸成することをねらいとした生活ノート連動型学級通信は、先行研究で指摘されている「保護者との連携」「子どもとの信頼関係」「教師としての資質向上」「子ども同士の信頼関係」を構築するツールとして機能していたことが示唆された。
著者
成瀬 祐子 硲野 佐也香 水野 尚子
出版者
学校法人松商学園松本大学
雑誌
教育総合研究 = Research and studies in education (ISSN:24336114)
巻号頁・発行日
vol.4, pp.213-217, 2020-11

松本大学では、2020年4月16日新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に対する緊急事態宣言の対象地域が全都道府県に拡大されたことを踏まえ、2020年度前期授業を遠隔で行うことを決定した。その後、5月25日の緊急事態解除宣言を受け、学内入構許可申請書を提出し、新型コロナウイルス感染症対策本部長の承認を受けて対面授業が可能となった。本報告では、このような状況のもと管理栄養士養成において必修科目となっている給食経営管理実習に対して、平時と同等の教育効果をあげるべく取り組んだ筆者らの活動を報告する。
著者
安藤 江里
出版者
学校法人松商学園松本大学
雑誌
教育総合研究 = Research and studies in education (ISSN:24336114)
巻号頁・発行日
vol.1, pp.1-17, 2017-11

本論におけるわらべうたとは、日本の伝統文化としての歌を伴う伝承遊びである。決して古いものではなく、常に子どもの日常生活の遊びの中で創造・継承されるものであり、音楽的な側面だけでなく、身体性や社会性など子どもの発達における人格形成に寄与する教育的意義を持つ。そして学校教育におけるわらべうた教育の変遷を踏まえ、特に幼児期から低学年への幼小接続期に位置付けることを提案し、教員養成において学生がわらべうたを再経験することの有用性を実践的研究から考察し論じた。制度上の課題は多いが、幼小接続の視点からわらべうたを積極的に取り入れる教員を養成するために必要な経験であり、その意識を高めていく必要性も明らかとなった。
著者
内藤 千尋 田部 絢子 石川 衣紀 石井 智也 池田 敦子 柴田 真緒 能田 昂 田中 裕己 高橋 智
出版者
学校法人松商学園松本大学
雑誌
教育総合研究 = Research and Studies in Education (ISSN:24336114)
巻号頁・発行日
vol.4, pp.109-116, 2020-11-30

本稿では、筆者ら「北欧福祉国家における子ども・若者の特別ケア」研究チーム(代表:髙橋智日本 大学教授・東京学芸大学名誉教授)が調査したフィンランドのユースセンター「ハルユユースセンター (Harjun Nuorisotalo)」「ヌメラユースセンター(Nummelan nuorisokeskus)」(2019年9月)および「ヴァ モス・エスポー(Vamos Espoo)」の取り組みの紹介を通して、多様な発達困難を有する若者支援のあ り方を検討した。若者向けの発達支援の一つであるユースセンターの特徴は、若者の支援ニーズに丁 寧に寄り添う専門家やピアの存在により、ユースセンターが若者の居場所や安心できる環境となって いることである。日本の若者支援においても事後対応的支援ではなく、地域での早期・予防的支援と しての居場所づくりや支援内容の検討が課題である。
著者
成 耆政 須澤 和広
出版者
学校法人松商学園松本大学
雑誌
教育総合研究 = Research and Studies in Education (ISSN:24336114)
巻号頁・発行日
vol.3, pp.55-87, 2019-11-30

本稿では、ソーラーシェアリング(営農型太陽光発電)事業により、関係事業者の利益を図り、以て本事業を普及させるため、採算の取れるビジネスモデルの可能性について論じる。そのため、第一に、ソーラーシェアリングの定義や目的、着目した植物の性質などの概要を述べる。第二に、関連した制度や目的の達成度などの現状と、そこから見えてくる課題を明らかにする。第三に、先進的事例を分析するために、事業を類型化し、関連した事例を取り上げる。そして第四に、新しい制度や技術に対応したソーラーシェアリングのビジネスモデルの採算性を試算する。結論として、PPAモデルを導入することが、今後のソーラーシェアリング事業の活路の一つであると主張する。
著者
香取 智宜
出版者
学校法人松商学園松本大学
雑誌
教育総合研究 = Research and Studies in Education (ISSN:24336114)
巻号頁・発行日
vol.3, pp.139-154, 2019-11-30

「税務会計」という学問が、如何なる形で大学・短期大学で教授されているかを考察するために本稿を執筆した。この学問は、現在の学問領域において複雑な位置付けにあり、つまり、法律的分野の学問なのか、それとも会計的学問に属するものなのかが、研究者の中で意見が分かれるものである。したがって、教授する大学教員がどちらのスタンスを重視して授業に臨まれているかを、使用されている教科書に基づいて検討するものである。