著者
笹田 周作 石井 智也 小林 優里 清水 菜央 小宮山 伴与志
出版者
一般社団法人日本体力医学会
雑誌
体力科学 (ISSN:0039906X)
巻号頁・発行日
vol.71, no.2, pp.239-247, 2022-04-01 (Released:2022-03-14)
参考文献数
30

We investigated the effect of anodal transcranial direct current stimulation (anodal tDCS) on the performance of full-effort box stepping exercises in athletes and non-athletes. Twenty-one subjects (athletes: five men and six women, non-athletes: four men and six women) participated in this study. tDCS was applied through two electrodes placed on the vertex (anode) and the forehead (cathode). A 2-mA anodal stimulation was applied for 15 minutes, while sham stimulation was applied on different days with similar electrodes. Participants were asked to apply a maximal effort while stepping up and down a 10-cm tall box for 20 s following termination of the tDCS. The 20 s box stepping was repeated three times with 15 s of rest. The number of total steps was significantly increased following anodal tDCS compared to sham tDCS. The degree of increase in performance was more prominent in non-athletes than in athletes. In non-athletes, a differential pattern of fatigue in performance between stimulus conditions was observed. In contrast, this significant performance modulation between stimulus conditions was not detected in athletes. Our findings of improved stepping performance following anodal tDCS depended on the training level of the subject group; this implies modulation of descending command from CNS to active muscles by tDCS. It is suggested that the degree of neural modulation for controlling complex and full-effort leg movements due to tDCS is higher in non-athletes than in athletes.
著者
渡邊 慎一 石井 智也 石井 仁 岩井 将行
出版者
人間-生活環境系学会
雑誌
人間と生活環境 (ISSN:13407694)
巻号頁・発行日
vol.30, no.1, pp.21-27, 2023 (Released:2023-09-28)
参考文献数
16

本研究は、雪洞「かまくら」内の温熱・空気・紫外線環境を明らかにすることを目的とする。測定は、2019年2月12日に岐阜県高山市において実施した。屋外および「かまくら」内において、気温、相対湿度、気流、長短波放射量、CO2濃度、UV Indexを測定した。測定日の昼間(9:30〜16:00)において、屋外の平均気温は2.2℃であり、「かまくら①(出入口が1ヶ所)」および「かまくら②(出入口が2ヶ所)」の平均気温はそれぞれ0.4℃および−1.1℃であった。UTCIの平均値は、屋外が20.4℃、「かまくら①」が2.2℃、「かまくら②」が1.8℃であった。「かまくら」内のCO2濃度は、炭の燃焼や人体の呼気によって上昇した。昼間の屋外におけるUV Indexの最大値は4.61であり、紫外線の強さは「中程度」と評価された。一方、「かまくら」内では最大でも0.05であり、紫外線強度は極めて小さかった。
著者
小西 伴尚 石井 智也 福永 真之 森田 健太郎
出版者
日本森林学会
雑誌
日本森林学会大会発表データベース
巻号頁・発行日
vol.131, 2020

<p> 昨年度より、三重高校(中高一貫高校部)1年生140名全員で、目標とした『自分から行動をとる生徒を増やす』『地域への関心を高め、その魅力や課題を発見し、行動がとれる』に向けて、近隣の大台町旧宮川村にて、高校 1年生全員が学ぶことができるプログラムを計画・実施してきた。1年目は、できる限り生徒自身が何事も行うように仕向け、教員は大枠(実行委員会を組織すること、取組の途中に遠足を利用すること、対象地域を旧宮川村にすること、最低一年間地域のことを考え・課題をみつけ・自分(達)ができることを考え・行動にでること)のみを設定することとした。これにより、実行委員会の生徒は感化され、目的に合った生徒が育ってきたが、他の生徒の変容は少なかった。その後、引き続き旧宮川村や自分の地元、学校のある松阪市の課題を見つけ、行動に出る機会を作り、動き出す生徒を増やしている。</p><p> また、同様の企画を本年度の1年生にも引き継いで実施した。そこでは、一年目に組んだ教員が学年団におらず、さらに準備期間が短くなった中で、実施にこぎつけ、生徒が動く内容は少なくなったが、良い経験となった。発表では、引き継ぎの難しさも踏まえて報告する。</p>
著者
土'谷 敏治 安藤 圭佑 石井 智也 花井 優太 八剱 直樹
出版者
公益社団法人 日本地理学会
雑誌
日本地理学会発表要旨集
巻号頁・発行日
vol.2011, pp.6, 2011

_I_.はじめに<BR> 2002年の乗合バス事業に対する規制緩和以前から,多くの自治体がコミュニティバスの運行を始めた.鈴木(2007)は,コミュニティバスとは,「既存の交通機関のサービスが技術的または経営的理由で行き届かない地域の住民の交通手段を確保するため,既存のバスよりも小型の車両をもって,市町村が何らかの形で関わり,何らかの財政支援を背景として運行される乗合バス」としている.また,1995年に運行を開始した武蔵野市のムーバスの模造品が続出したため,「循環ルート」で「ワンコイン運賃」が常識との認識も生まれていると指摘している.<BR> 茨城県ひたちなか市は,市内の公共交通機関の維持に積極的に取り組んでいる地方自治体の1つである.茨城交通の湊線鉄道事業からの撤退表明を受けて,2008年にひたちなか海浜鉄道として第三セクター化し,2009年と2010年には乗合タクシーの実証運行も行った.さらに,2006年10月から「スマイルあおぞらバス」というコミュニティバスを運行している.2系統で始まったこのコミュニティバスは,運行経路の変更や増設を経て,2011年1月現在5系統となっている.ただし,上記の鈴木(2007)の指摘のように,運賃100円の循環ルートを運行し,もっも長い系統では,循環ルートを1周するのに1時間50分程度を要する.運行経路などに対する市民の評価も,賛否両論が聞かれる.<BR> 2010年10月,このひたちなか市コミュニティバスについての調査の機会がえられた.本報告では,上記の点を踏まえ,ひたちなか市のコミュニティバスが,市民にどのように利用され・評価されているのかを明らかにするため,利用者数や利用のパターン,利用者の属性や利用の特色,利用者の評価について調査するとともに,今後の課題について検討することを目的とする.<BR> _II_.調査方法<BR> 利用者数については,ひたちなか市も停留所ごとの乗降数を調査している.ただし,個々の乗客の乗車・降車停留所までは明らかではない.今回は利用パターンを明らかにすることを目指し,乗降停留所を特定して,旅客流動調査を行った.これによって,OD表レベルでの利用者数の把握が可能となる.利用者の属性や利用の特色,評価については,車内で調査票を配布し,利用者自身が記入する方式を基本としたアンケート調査を実施した.ただし,記入が困難な場合については,調査票をもとに調査員が聞き取りを行った場合もある.主な調査項目は,居住地・性別・年齢・職業の利用者の属性,利用目的,利用頻度,コミュニティバスに対する評価などである.<BR> 調査は,5系統のコミュニティバス全便に調査員が乗車し,旅客流動調査と配布・聞き取り調査を行った.旅客流動調査は基本的には悉皆調査である.配布・聞き取り調査については,できるだけ多くの利用者に対する調査を心がけたが,車内空間が狭く,1名の調査員では混雑時や短区間の利用者については調査に限界があるため,悉皆調査とはなっていない.調査日は,平日と土・日曜日の違いを考慮して,2010年10月15日(金),16日(土)の2日間実施した.<BR> _III_.調査結果の概要<BR> 旅客流動調査の結果,10月15日(金)438人,10月16日(土)478人,2日間の合計で延べ914人の利用者があった.もちろん系統によって利用者の多寡があり,都心部系統の利用者が多い.また,都心部系統や那珂湊系統では金曜日より土曜日の利用者が多いが,他の系統は逆になる.旅客流動は,JR勝田駅の乗降が卓越し,各停留所・勝田駅間の利用が主要なパターンであるが,勝田駅以外では,ショッピングセンターや公共施設,病院,一部の住宅団地での利用者が多い.しかし,その他の多くの停留所では,ほとんど乗降がみられなかった.<BR> 利用者に対するアンケート調査では,2日間で401人から回答がえらた.各系統とも女性の利用者比率が高く,60歳代以上の高齢者の利用が卓越する.利用目的も買い物目的が最も多く,高齢者の利用を反映して通院目的の利用も多い,しかし,都心部の路線を中心に通勤目的の利用がみられ,土曜日には,10歳代を含む若年層の利用や,那珂湊コースのように観光目的の利用も増加する.<BR> このような点から,極端に長い循環ルートの再編とともに,通勤利用・土休日の買い物利用・観光利用など,いわゆるコミュニティバスの枠にとらわれない路線の設定や対象利用者の拡大を検討していく必要がある.
著者
内藤 千尋 田部 絢子 石川 衣紀 石井 智也 池田 敦子 柴田 真緒 能田 昂 田中 裕己 高橋 智
出版者
学校法人松商学園松本大学
雑誌
教育総合研究 = Research and Studies in Education (ISSN:24336114)
巻号頁・発行日
vol.4, pp.109-116, 2020-11-30

本稿では、筆者ら「北欧福祉国家における子ども・若者の特別ケア」研究チーム(代表:髙橋智日本 大学教授・東京学芸大学名誉教授)が調査したフィンランドのユースセンター「ハルユユースセンター (Harjun Nuorisotalo)」「ヌメラユースセンター(Nummelan nuorisokeskus)」(2019年9月)および「ヴァ モス・エスポー(Vamos Espoo)」の取り組みの紹介を通して、多様な発達困難を有する若者支援のあ り方を検討した。若者向けの発達支援の一つであるユースセンターの特徴は、若者の支援ニーズに丁 寧に寄り添う専門家やピアの存在により、ユースセンターが若者の居場所や安心できる環境となって いることである。日本の若者支援においても事後対応的支援ではなく、地域での早期・予防的支援と しての居場所づくりや支援内容の検討が課題である。