著者
奥野 丈晴 山田 雅之
出版者
社団法人 日本写真学会
雑誌
日本写真学会誌 (ISSN:03695662)
巻号頁・発行日
vol.74, no.6, pp.302-307, 2011 (Released:2012-12-19)
参考文献数
8

キヤノンはサブ波長構造を用いた高性能反射防止膜“SWC”を開発し,2008年12月,同膜を搭載したカメラ用交換レンズEF24mm F1.4L II USMを発売した.サブ波長構造体はアルミナ微結晶膜からなり,ゾル-ゲルプロセスによって形成されるため大面積・曲面への形成も容易である.さらに,レンズとアルミナ微結晶膜との間に中間の屈折率を有する薄膜層を挿入することで,様々な屈折率のレンズに対して優れた反射防止性能を実現可能である.
著者
Klaus B. Hendriks 河野 純一
出版者
社団法人 日本写真学会
雑誌
日本写真学会誌 (ISSN:03695662)
巻号頁・発行日
vol.52, no.2, pp.117-126, 1989-04-28 (Released:2011-08-11)
被引用文献数
1

障害をうけたり, 変色してしまった, ネガやポジプリントなどの写真画像は, 種々の方法で修復することができる。これのら方法のうちで最も一般的なのは, ポジプリントのコピーあるいは透過材料のデュープを作ることである。コピーを取る前か後にレタッチすることも有効である。版画や絵画の保存の分野で開発された伝統的な手法も写真の修復に序々に応用されつつある。また, とくに写真画像に対して開発された数々の技術も知られている。こうした例としては, 割れたガラスプレートネガを修復したり, 画像を担持しているゼラチン層を劣化した支持体から新しい安定な支持体へ移すことが挙げられる。さらには, 黄変したり, 変色した白黒写真を化学薬品の溶液で処理することもできる。本論文ではここ2-3年の間にカナダ国立公文書館で実際に行なわれた, 変退色した写真プリントの復元に関する実験研究について述べることにする。画像形成している銀粒子の劣化機構についても調べた。修復の過程で, 写真を構成する各種素材に対する種々の化合物の効果を注意深く調べる実験について, 特に詳しく述べた。処理浴の最終段にセレン調色浴を施すことによって, 修復された写真プリントの保存安定性はさらに向上する。本論文で述べる方法は全ての印画紙プリントに適用できるという訳ではないので, その制約については良く理解しておいて頂きたい。
著者
片桐 護八
出版者
社団法人 日本写真学会
雑誌
日本写真学会誌 (ISSN:03695662)
巻号頁・発行日
vol.61, no.6, pp.328-331, 1998-12-25 (Released:2011-08-11)

カメラの動力伝達手段として通常使用される平ギヤにかわり, ネジギヤと長軸シャフトによるシャフト・ドライブ機構を新開発し, 新製品のフィルム給送機構に採用した。小型で汎用性のある動力伝達機構を実現し, カメラの小型化を達成した。
著者
脇本 善司
出版者
社団法人 日本写真学会
雑誌
日本写真学会誌 (ISSN:03695662)
巻号頁・発行日
vol.29, no.1, pp.1-7, 1966-05-20 (Released:2011-08-11)
参考文献数
9

Photographic lenses have been manufactured for more than 100 years, and theoretical studies have also been continued throughout. Therefore, the progress was rather steady than striking. In recent years, however, some new types of the lenses have been developed, owing mainly to the use of new optical glasses and the introduction of an electronic computer to the lens design. Attempts have also been made to design lenses favorable for given camera mechanisms or properly corrected for newly developed emulsions. These trends will be discussed from the lens designer's viewpoint.
著者
田中 啓治
出版者
社団法人 日本写真学会
雑誌
日本写真学会誌 (ISSN:03695662)
巻号頁・発行日
vol.57, no.4, pp.246-248, 1994-08-25 (Released:2011-08-11)
参考文献数
7
著者
薮下 彰啓 川崎 昌博
出版者
社団法人 日本写真学会
雑誌
日本写真学会誌 (ISSN:03695662)
巻号頁・発行日
vol.66, no.4, pp.320-325, 2003-08-25 (Released:2011-08-11)
参考文献数
52

氷は地球表面上では雪として, 地球大気中では夜光雲と呼ばれる氷の微粒子として, 宇宙では星間塵として存在している. その表面や内部には様々な分子が吸着しているため光が照射されると光化学反応が起こる. このことは, 直接的に大気環境化学, 宇宙化学に関連している. 北極南極圏の大気汚染, 地球高層大気中のオゾン濃度減少, 地球の生命の発生などにおいては, 氷や雪が関与する光化学反応が重要な役割を果たしている. このような現象を引き起こす新しいタイプの不均一光化学反応の最近の話題について述べる.
著者
小岩井 保 穐田 英則
出版者
社団法人 日本写真学会
雑誌
日本写真学会誌 (ISSN:03695662)
巻号頁・発行日
vol.74, no.2, pp.56-62, 2011 (Released:2012-05-25)
被引用文献数
1

マイクロフォーサーズ規格の「マイクロ一眼オリンパスペン」は,2010年にカメラグランプリのダブルタイトルを受賞した.オリンパスペンシリーズの特徴は,上質で小型軽量,従来の一眼レフに比べて負担感がなく,静止画も動画も簡単に一眼画質で撮れることにある.特に「小型軽量」に関しては,カメラボディにとどまらず,交換レンズを含むシステム全てにおいてその思想を徹底している.交換レンズでは,マイクロフォーサーズ規格の小型化対応メリットを活かすと共に,光学設計や鏡枠(鏡筒)設計においても究極の小型化を目指して進化させてきた.交換レンズの小型軽量化を実現するためには,開発課程において沈胴機構による薄型化,鏡枠の高精度化,特殊レンズの活用,軽量化徹底,及びAF高速静音化等の技術課題を克服する必要があった.ここでは,それらの小型化技術について解説する.
著者
中西 秀彦
出版者
社団法人 日本写真学会
雑誌
日本写真学会誌 (ISSN:03695662)
巻号頁・発行日
vol.67, no.1, pp.29-34, 2004-02-25
参考文献数
7

オンデマンド印刷は, 一般的には少部数・短納期のコンピュータを駆使した印刷技術と捉えることができる.ただし, 組版を印刷会社でおこなうことはコスト上問題があり, 多くの場合顧客データをそのまま印刷している.これは顧客と印刷会社間でのソフトウエアの共通認識がなければ困難でもある.機械のマニュアル類をデータベースに蓄積しておき, 必要があり次第印刷するといった本来の意味でのオンデマンド印刷は, それだけで会社が成り立つほど, 多くの需要がある.<BR>出版に目を向けると, 絶版本をスキャニングして蓄積するといった当初の試みは成功しなかったが, インターネット受注による個別の全集製作, 本屋の店頭でのオンデマンド印刷といった試みがなされている. しかし, まだ, 品質的, 価格的には実験段階であり, 商業ベースとして成功しているとは言い難い. 今後, 価格面での競争力向上が鍵だろう.<BR>オンデマンド印刷はコンピュータと密接な関係があり, 印刷機というより情報処理端末である. オンデマンド印刷の前提にはプリプレスのフルデジタル化があり, 今まではこのデータ生成そのものに苦労してきた. CTPの普及とともにフルデジタル化は達成されつつあり, これからオンデマンド印刷の新時代がはじまる. そして最終的にはオフセット印刷の代替品としてではなく, One to Oneマーケティングや弱視者のための大活字本といったオンデマンドでなければならない商品を生みだすことで, 新たな印刷技術として定着するだろう.
著者
菊池 真一 小口 正信 宮川 俊夫 田部 洋 安田 正博 原 重夫
出版者
社団法人 日本写真学会
雑誌
日本写真学会誌 (ISSN:03695662)
巻号頁・発行日
vol.43, no.3, pp.163-168, 1980-06-20 (Released:2011-08-11)
参考文献数
2

The authors investigated on determining sensitivity of phototypesetting films and papers, based on the exposure condition which the line-width of character could be correctly reproduced under.The line-width is faithfully reproduced under the following conditions;Film: The exposure to cause 2.0+ΔD density units.Paper: Three times exposure to cause 0.7+ΔD density units.(ΔD is fog-plus-base density)Finally, the authors propose to determine the sensitivity as follows;Film: Sf=100/E (E: lux·Esec at D=2.0+ΔD)Paper: Sp=100/3E (E: lux·Esec at D=0.7+ΔD)
著者
宮川 俊夫 白井 靖男 森田 一朗 森田 峰子 北村 二朗 遠藤 正治
出版者
社団法人 日本写真学会
雑誌
日本写真学会誌 (ISSN:03695662)
巻号頁・発行日
vol.53, no.3, pp.219-225, 1990-06-28 (Released:2011-08-11)
参考文献数
38

In the former paper, Miyagawa et al. reported on Kohsai Udagawa's writing on albumen-on-glass photography, entitled “Potokarahii”. Yokusai Ihnuma who lived in Mino was Kohsai Udagawa's real father, and was one of famous scientists in 19th Century. He and his followers tried photography. Among them, his nephew, Ryuh-a Kojima was a tallent photographic technician. He opened a photographic studio in Gifu-ken, which was the first one in this prefecture. In 1873, he made an interesting collage picture composed of his familie's and his own portraits. It could be the oldest one of such kind of pictures in Japan. Yoshihiro Kuze studied photography with Yokusai Ihnuma in the Chemical Institute of the Ohgaki Clan. Reiji Esaki opened his photographic studio in Tokyo. He studied, at first, wet-collodion process, subsequently, he tried to use imported dry plate to take picture of rapid moving objects. In addition to them, he developed collage picture making. He made a surprising one composed of 1700 babies' photographic portraits which were taken with dry plate, in 1893.
著者
野田 篤広
出版者
THE SOCIETY OF PHOTOGRAPHY AND IMAGING OF JAPAN
雑誌
日本写真学会誌 (ISSN:03695662)
巻号頁・発行日
vol.65, no.7, pp.520-523, 2002

中判フィルム対応フィルムスキャナのユーザ調査から, 高画質はもちろんのこと使いやすさが求められていることを我々は知った.解像度, 速度, ダイナミックレンジなど基本スペックで最高を目指すべく各ブロックでハードウェア, ソフトウェア技術を融合させるとともに, 使い勝手を高めるための小さな改善を多く積み上げることでユーザ満足度の高い中判フィルム対応フィルムスキャナを開発することができた.
著者
若代 滋
出版者
THE SOCIETY OF PHOTOGRAPHY AND IMAGING OF JAPAN
雑誌
日本写真学会誌 (ISSN:03695662)
巻号頁・発行日
vol.75, no.3, pp.272-274, 2012

PENTAX Qは,レンズ交換が可能なデジタルカメラとしては驚くほどに小さいながらも,本格的なデジタル一眼カメラの性能に加え,様々な特徴を盛り込んだカメラである.ここでは,如何にして従来の固定概念を払拭して顧客の潜在ニーズを満足するカメラの開発を行ったかを解説する.<br>
著者
竹前 三喜夫
出版者
THE SOCIETY OF PHOTOGRAPHY AND IMAGING OF JAPAN
雑誌
日本写真学会誌 (ISSN:03695662)
巻号頁・発行日
vol.58, no.4, pp.373-375, 1995

マルチメディア時代の到来と共にデジタルスチルカメラが大きくクローズアップされてきている。当社でも業務用分野に焦点を合わせたSLRタイプデジタルスチルカメラを開発した。一般に此の分野のデジタルスチルカメラは既存の銀塩SLRカメラとの混用が多く, 交換レンズやアクセサリーの共用, 違和感のない操作性が重要となる。しかしながら, これまでのカメラバック方式のデジタルスチルカメラではファインダーの見難さ, 測光領域や測距領域の不都合, 撮影レンズの長焦点距離化等の問題点があった。この為, 新規開発の縮小光学系を採用してこれらの問題を解決し, 更にスピードライトのTTL調光をも可能とした。
著者
瀧宮 和男 杉野 寛佳
出版者
社団法人 日本写真学会
雑誌
日本写真学会誌 (ISSN:03695662)
巻号頁・発行日
vol.78, no.4, pp.244-247, 2015 (Released:2016-12-21)
参考文献数
19

有機半導体を用いる薄膜トランジスタにおいて高い移動度を実現するためには,有機半導体の分子構造に加えて,分子集合体(結晶,薄膜など)の構造も重要である.本稿では,幾つかの高移動度有機半導体について,報告されている薄膜トランジスタにおける移動度を参照しつつ,それらの結晶構造を基に分子間の移動積分値を見積もることで,分子集合体における電子構造の次元性を評価した.その結果,高移動度の薄膜トランジスタを与える有機半導体の多くは,分子配列が異なっていても,等方的なキャリア輸送を可能とし得る二次元的な電子構造を持つことが示された.
著者
石川 貞康
出版者
社団法人 日本写真学会
雑誌
日本写真学会誌 (ISSN:03695662)
巻号頁・発行日
vol.66, no.Suppliment1, pp.6-9, 2003-11-11 (Released:2011-08-11)
参考文献数
6

Silver halide crystals are the functional centers, in other words, the “engines”, of silver halide photographic materials. The process of manufacturing silver halide crystals comprises many technologies that control crystal size, shape, halide composition, and other essential aspects. With a focus on the manufacture of several silver halide crystals, development of recent technologies are reviewed and discussed.
著者
竹内 宏
出版者
社団法人 日本写真学会
雑誌
日本写真学会誌 (ISSN:03695662)
巻号頁・発行日
vol.76, no.3, pp.273-276, 2013-06-25 (Released:2014-06-17)

ニコンのフラッグシップデジタル一眼レフカメラD4,および有効36.3 M ピクセル一眼レフデジタルカメラD800 に搭載した“アドバンストシーン認識システム”は,測光センサー“91K ピクセルRGB センサー”の情報を用いシーンを分析する事で,オートフォーカス,露出制御,オートホワイトバランスなどのカメラ機能の向上を図る新技術である.本稿では,アドバンストシーン認識システムの開発と特徴について紹介する.
著者
中野谷 一 安達 千波矢
出版者
社団法人 日本写真学会
雑誌
日本写真学会誌 (ISSN:03695662)
巻号頁・発行日
vol.77, no.4, pp.296-300, 2014 (Released:2016-09-28)
参考文献数
15

近年,熱活性化遅延蛍光(TADF: Thermally Activated Delayed Fluorescence)過程を有機EL素子の発光材料として利用す ることで,内部量子効率100%に達する高効率有機EL素子が実現され,非常に大きな注目を集めている.本研究では,TADF過程を利用した新たな発光機構として,TADF分子をドナー,蛍光分子をアクセプターとすることで,電流励起によりTADF分子上で生成した全ての励起子を蛍光分子へとエネルギー移動させることを提案し,従来の蛍光材料を発光中心とする有機EL素子においても,リン光素子,TADF素子と同様に理論限界に達する内部量子効率が実現可能であること,さらに,その有機EL素子耐久性も大幅に改善することを明らかとした.