著者
村島 伸治
出版者
THE SOCIETY OF PHOTOGRAPHY AND IMAGING OF JAPAN
雑誌
日本写真学会誌 (ISSN:03695662)
巻号頁・発行日
vol.65, no.3, pp.190-194, 2002

我々は, 低価格入門ファミリークラスSLRで, 高価格中級クラスSLRの機能・性能を今までにない超小型ボディに収めることができるプラットフォームを開発した. 我々はそこに, 超小型を実現する全体レイアウト, 高品位な高倍率ファインダー, 超ワイドな多点AF, 合焦箇所を投光表示する技術, 裏蓋開閉ミスを未然に防ぐ安全機構など, 多くの技術を融合させた.
著者
水口 淳
出版者
THE SOCIETY OF PHOTOGRAPHY AND IMAGING OF JAPAN
雑誌
日本写真学会誌 (ISSN:03695662)
巻号頁・発行日
vol.68, no.4, pp.287-292, 2005

ディジタルカメラシステムの階調再現に関わる因子と, その影響について論じた. ディジタルカメラシステムの特徴として, 実シーンを再現するシステムであること, 再現画像がモニタディスプレイで鑑賞されることの二点を主にとりあげ, それぞれに起因する問題を論じた. より詳細には, 再生系のビューイングフレアの影響, 撮影時と画像鑑賞時の条件の違いによるカラーアピアランスの問題などが含まれる.
著者
金森 仁志 浅井 義行 若江 祐子 窪田 英明 尾崎 吉明 松本 政雄
出版者
THE SOCIETY OF PHOTOGRAPHY AND IMAGING OF JAPAN
雑誌
日本写真学会誌 (ISSN:03695662)
巻号頁・発行日
vol.66, pp.96-97, 2003

Theoretical and experimental approaches for edge enhancement effect of vision on an X-ray radiographic image were carried out. Psychophysically enhanced portions in density unit at the both sides of a step edge image were derived from MTF's of vision and radiographic systems. Experimantal values were obtained using our new method. Experimental values distributed around theoretical values, and their qualitative behaviour was similar to that of theoretical values. Discrepancy between theoretical and experimental results dues to nonlinearity of human visual system.
著者
高橋 覚 青木 茂樹
出版者
社団法人 日本写真学会
雑誌
日本写真学会誌 (ISSN:03695662)
巻号頁・発行日
vol.78, no.4, pp.228-234, 2015 (Released:2016-12-21)
参考文献数
10

我々は原子核乾板から成るガンマ線望遠鏡を開発し,気球フライトによる宇宙ガンマ線観測計画(GRAINE計画:Gamma-Ray Astro Imager with Nucler Emulsion)を推進している.これまでに達成した成果を概観し,将来展望について述べる.
著者
有村 秀孝 窪田 英明 松本 政雄 金森 仁志
出版者
THE SOCIETY OF PHOTOGRAPHY AND IMAGING OF JAPAN
雑誌
日本写真学会誌 (ISSN:03695662)
巻号頁・発行日
vol.61, no.4, pp.228-235, 1998

本研究の目的は医療用増感紙-フィルム系に対する特性曲線の形の管電圧依存性を調べることである。管電圧50kVから100kVで5種類の系の特性曲線を測定した。それは両面増感紙/両面乳剤フィルム系 (dual system) を使って作成したX線写真の (1) 両面乳剤,(2) フロント乳剤と (3) バック乳剤の特性曲線とフロント増感紙またはバック増感紙からの光を遮断したdual system (single system) を使って作成したX線写真の (4) フロント乳剤と (5) バック乳剤の特性曲線である。ダブルクロスオーバー光を考慮して特性曲線の形の管電圧依存性を理論的に調べるために, SilbersteinとVybornyの特性曲線の式を変更した。その式を使うために, フロント増感紙が発する露光量に対するバック増感紙の発する露光量の比 (相対露光量) の管電圧依存性を求めた。相対露光量は特性曲線の形に最も影響を及ぼす要因である。結果として, 測定した5種類の特性曲線の形は管電圧にほとんど依存しなかった。本研究で用いた系に関して, 変更した式を使い, 次の2つのことを示した。(1) 管電圧50kVから100kVまでの相対露光量の0.538から0.667の範囲ではdualsystemの特性曲線の形はほとんど変化しない。(2) 相対露光量が0.4以下になる低い管電圧ではdualsystemの両面乳剤の特性曲線の形が明かに変化する。
著者
相原 聡
出版者
社団法人 日本写真学会
雑誌
日本写真学会誌 (ISSN:03695662)
巻号頁・発行日
vol.69, no.5, pp.320-326, 2006-10-25 (Released:2011-02-17)
参考文献数
17

単板式の超小型・高精細カラーカメラを目指して, 光の3原色それぞれにのみ感度を持つ有機光電変換膜を積層した単板カラー撮像デバイスの研究に取り組んでいる. セルを用いた実験では有機材料を選択することで光の3原色にほぼ対応した感度を持つ有機光電変換膜が作製できることを確認し, 有機光電変換膜を適用した撮像管による動作実験ではハイビジョンにも対応可能な高い解像度が得られることがわかった. さらに, 有機膜を1枚積層したCMOSイメージセンサを試作し特性評価を行ったところ, 有機膜で生成された電荷による明瞭な信号出力電圧が観測され, 有機材料を光電変換部に適用した積層型単板カラー撮像デバイスの開発に見通しを得ることができた.
著者
船生 望 小川 誠 内藤 明 田中 益男 大野 信
出版者
社団法人 日本写真学会
雑誌
日本写真学会誌 (ISSN:03695662)
巻号頁・発行日
vol.68, no.2, pp.152-159, 2005-04-25 (Released:2011-08-11)
参考文献数
3

著者らは, デジタル写真システムの階調特性を直接, 電子的に評価する研究を行っている.本報では, 明るい被写体をデジタルカメラ (DSC) で撮影し, PCディスプレイ画面やプリンタで再現した画像における階調特性に対するカメラの影響をD-CTS (Digital Camera-through Sensitometry) で検討した結果を記す.石膏の円錐体を明るく照明してカメラ撮影して得た所謂ハイキー調なデジタル写真画像の階調性にもDSC機種の階調に対する依存性が現れた. そこで, その状況をD-CTSにて検討するために, 前報において用いた明度リニアステップチャートを, 明るい領域のみに限定した明度域の分割チャートを制作した. そのチャートを用いたD-CTSにおいてPC画面上で測色するSoftcopy Evaluationによると, 明るい階調においてのDSC機種の階調に対する依存性がはっきりと現れた. 一方, 従来からの等濃度ステップのGray Scaleチャートを用いたCTSによるDensitometryでは, DSC機種の階調に対する依存性は顕著ではなかった. 検討の結果, 明度の領域を明るい領域に限定した等明度ステップチャートは, 明るい被写体に対するDSC毎の階調再現性を評価するのに適するD-CTSのターゲットとなることがわかった.
著者
丹羽 公雄
出版者
社団法人 日本写真学会
雑誌
日本写真学会誌 (ISSN:03695662)
巻号頁・発行日
vol.67, no.6, pp.561-568, 2004-12-25 (Released:2011-08-11)
参考文献数
14

写真乾板を放射線の飛跡検出器に特化した原子核乾板は素粒子・原子核・宇宙線などの放射線を3次元的な飛跡としで記録する検出器である.最近になっで, 光学顕微鏡による観察時間の障害が自動飛跡読み取り技術によっで克服された.ミクロンの空間分解能で放射線の飛跡を捉える能力を活用した素粒子・原子核・宇宙線などの実験を紹介し, 今後の原子核乳剤自身の改良すべき課題についでも議論する.
著者
荒木 昭生
出版者
社団法人 日本写真学会
雑誌
日本写真学会誌 (ISSN:03695662)
巻号頁・発行日
vol.34, no.3, pp.135-153, 1971-09-30 (Released:2011-08-11)

Exposure mechanisms of a camera have been rapidly developped after the war.The original type of this exposure adjustment mechanisms of the camera was Semi Automatic Type (manual adjustment mechanisms by means of linking mechanisms in accordance with the indication of exposuremeter).And Automatic Type of exposure adjustment mechanisms called E.E.(Electric Eye) appeared.Now Electric Shutter Camera is the most popular.Further more the electric shutter camera with a flash photographic apparatous is popular as Full Automatic Camera.This paper reports technical tendency of exposure adjustment of camera in Japanese patent and/or utility model publications with their statistical graphs and examples.
著者
山形 由史
出版者
THE SOCIETY OF PHOTOGRAPHY AND IMAGING OF JAPAN
雑誌
日本写真学会誌 (ISSN:03695662)
巻号頁・発行日
vol.67, no.2, pp.148-151, 2004

自然科学系の学会誌や理科教育の雑誌と日本写真学会誌との共通点に関しては明確ではないが, 化石は, 何百・何千万年単位の文化財保存という観点で共通性があるかもしれないということで, 寄稿することにしました.<BR>文化財の中にも, 今まで一般に知れることなくどこかに埋もれていたものが, 何かの機会に発見・発掘され, その意義が見直されたりすることがよくあるようです.古生物学における貴重な化石の発見・発掘も, そうした文化遺産の発見・発掘の経緯によく似ていることもあるのではないかということで, この学会誌のページを埋める意義をそのあたりに求めて, 気楽に読んで頂けることを期待しております.<BR>原稿には, 先頃科学教育研究協議会編集の理科教育雑誌「理科教室」に投稿したものを, 少し手直しして転載します.
著者
浜野 裕司 田部 洋
出版者
社団法人 日本写真学会
雑誌
日本写真学会誌 (ISSN:03695662)
巻号頁・発行日
vol.39, no.4, pp.225-231, 1976-07-25 (Released:2011-08-11)
参考文献数
21
著者
松田 義弘 高橋 則英 原 正人
出版者
THE SOCIETY OF PHOTOGRAPHY AND IMAGING OF JAPAN
雑誌
日本写真学会誌 (ISSN:03695662)
巻号頁・発行日
vol.69, pp.22-23, 2006

The latest digital ink-jet prints have achieved excellent image quality, not only of color photographs, but also monochrome images, of which many photographers still think as important media for fine art and creative photography. In this presentation, discussed is the image stability of those digital ink-jet B & W prints. To evaluate the stabilities, used for accelerated aging are xenon and fluorescent light test, thermal chamber test and ozone exposure test. Through those aging test, the latest ink-jet prints are evaluated as having exceedingly improved image stability.
著者
佐藤 徹哉 山本 紀和 中村 誠
出版者
社団法人 日本写真学会
雑誌
日本写真学会誌 (ISSN:03695662)
巻号頁・発行日
vol.69, no.3, pp.191-196, 2006-06-25 (Released:2011-02-17)

世界初の有効840万画素16: 9CCD, 広角28mm相当からの光学4倍の光学式手プレ補正 (O.I.S.: Optical Image Stabilizer) 搭載Leica DC Vario-Elmaritレンズを搭載したDMC-LX1により, 撮影アスペクト比を操る楽しみをはじめとする新たな楽しさの提案を行った.新開発のレンズとCCDをはじめとする要素技術とデザインが一体となって商品開発を行って, コンパクトサイズを犠牲にすることなくクリエイティブコンパクトモデルと称するにふさわしい表現力を備えたカメラを実現した. ユーザアンケートの結果では, 購入者の多くが新たな16: 9での撮影に満足されている一方で, 4: 3での撮影と併せて, 撮影アスペクト比を一つの表現手段として使う様子が伺われた.

1 0 0 0 OA 21世紀の科学

著者
神前 熈
出版者
社団法人 日本写真学会
雑誌
日本写真学会誌 (ISSN:03695662)
巻号頁・発行日
vol.58, no.6, pp.566-572, 1995-12-25 (Released:2011-08-11)
参考文献数
13

20世紀の初頭における物理学の革命的な発展を教訓として, 科学の今世紀における進歩のあとを反省し, 21世紀における自然科学の未来像を予測する。科学の発展は, 異なる学問分野間の「結合と統一」を指向していることが結論される。
著者
佐藤 修伊 馬場 重司
出版者
社団法人 日本写真学会
雑誌
日本写真学会誌 (ISSN:03695662)
巻号頁・発行日
vol.28, no.2, pp.70-77, 1965-08-15 (Released:2011-08-11)
参考文献数
9

Fluctuation of sensitizing effects of 5, 5'-diphenyl-3, 3', 9-triethyl oxacarbocyanine bromide on silver chloride emulsion was studied, it is owing to gelatins presented in emulsions.Some of gelatins remarkably reduce sensitizing effect of the dye, but the others slightly or not.It was confirmed that reducing of dye sensitization is due to inhibiting of the dye adsorption on AgCl by gelatin impurity, which is soluble in methanol.
著者
園池 実覧
出版者
社団法人 日本写真学会
雑誌
日本写真学会誌 (ISSN:03695662)
巻号頁・発行日
vol.50, no.6, pp.483-491, 1987-12-28 (Released:2011-08-11)
参考文献数
41
被引用文献数
2

A brief review of the studies performed in the author's laboratory on the sulfur sensitization is given. The studies are now in progress and the results up to date are also introduced with some speculations. The sensitization is mainly studied with large crystals of AgCl pulled up from the melt doped with sulfide. Then the purpose of the studies mainly aims to explain the physical properties of the doped crystals in terms of the structure of sulfur centers in AgCl which undergoes many complex transformations during the photographic processes.A hypothetical mechanism of the sulfur sensitization in large crystals of AgCl is also given, where the silver sulfide is introduced in several forms in the crystal depending on the different conditions of the treatment, and S2--interstitial silver ion compexes are considered hole traps and S2--halogen ion vacancy complexes electron traps in order to explain the successive experimental results so far obtained.
著者
鈴木 啓仁 森多 浩三 三舛 正幸 高橋 真哉
出版者
社団法人 日本写真学会
雑誌
日本写真学会誌 (ISSN:03695662)
巻号頁・発行日
vol.66, no.6, pp.590-596, 2003-12-25 (Released:2011-08-11)
参考文献数
19

過酸化水素 (H2O2), 次亜塩素酸 (NaClO), 亜塩素酸 (NaClO2) および過酢酸 (CH3COOOH) を用いて, 酸化剤種, 酸化pH, 添加量の違いによるゼラチン中のメチオニンおよびアルデヒドの変化について検討した. 合わせてメチオニン, アルデヒドの変化に伴う物理抑制度変化について調べた, ゼラチンの酸化によりメチオニン, アルデヒド含量は変化し, それらの変化は酸化剤種, 酸化剤添加量および処理pHにより異なることがわかつた. アルデヒドは弱い酸化にて減少し, 強い酸化にて増加する傾向にあった.アルデヒドの上昇は酸化による遊離還元糖の発生が要因の一つであると考えた. 酸化によるメチオニンの低減に伴い, 物理抑制度の上昇が認められた. この上昇の要因の一つとしてメチオニンの乳剤pAgへの影響を考えた.
著者
野澤 靖 井駒 秀人 岡野 眞治
出版者
社団法人 日本写真学会
雑誌
日本写真学会誌 (ISSN:03695662)
巻号頁・発行日
vol.64, no.2, pp.92-99, 2001-04-25 (Released:2011-08-11)
参考文献数
13
被引用文献数
1

高感度カラーネガフィルムのカブリ上昇, 感度低下, 粒状劣化等の経時による性能劣化は, 自然放射線の影響が大きい。自然放射線を宇宙線, 環境放射線 (γ 線), 自己被曝の3種に分類し, 各々の高感度カラーネガフィルムの劣化に対する寄与率を明らかにした。γ線に対するハロゲン化銀乳剤の感度は, 乳剤のγ線吸収率と固有感度に比例する事を示した。
著者
植田 久美子 山本 昇志 中口 俊哉 津村 徳道 三宅 洋一
出版者
社団法人 日本写真学会
雑誌
日本写真学会誌 (ISSN:03695662)
巻号頁・発行日
vol.67, no.Suppliment1, pp.28-29, 2004-05-27 (Released:2011-08-11)
参考文献数
2
被引用文献数
1

For exact color reproduction between printing matter and projected image, it is necessary to match the color on absolute XYZ color space. However, the color value of each pixel is affected by stray light from the surrounding pixels which is due to the multi-reflection of optical lens in projector. In this paper, we analyzed the influence of each color value between printing matter and projected image, and modeled the relationship. This model became possible to estimate the color change of projected image. Using this estimation, the color of image is corrected to match the printing matter. We demonstrate the proposed method for the print of Macbeth color checker and shows that the model is effective for color matching of projected images.