- 著者
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山本 清龍
荒牧 重雄
- 出版者
- 一般社団法人 環境情報科学センター
- 雑誌
- 環境情報科学論文集 Vol.26(第26回環境情報科学学術研究論文発表会)
- 巻号頁・発行日
- pp.319-324, 2012-11-26 (Released:2014-09-20)
- 参考文献数
- 25
本研究では,わが国において最高峰を誇る富士山を事例として取り上げ,①高所登山における登山者属性と登頂断念にいたった理由,状況を把握すること,②自然公園における高所登山のリスク管理について考察することの2点を目的とした。その結果,富士登山者の63%が若年層であり初めての登山者が55%であること,登頂率は92%,登頂を断念した登山者が7%であることが明らかとなった。また,登頂を断念した理由は急性高山病とそれに類する自覚症状が多く,断念した登山者の76%は八合目で下山を開始していること,宿泊をしなかった登山形態では登頂を断念する登山者が有意に多いことなどが明らかとなった。最後に,結果をふまえて自然公園における高所登山のリスク管理について考察し,必要と思われる管理施策について提案を行った。