著者
水崎 野里子
出版者
駒澤大学
雑誌
論集 (ISSN:03899837)
巻号頁・発行日
vol.52, pp.73-93, 2000-08
著者
樋口 純明
出版者
駒澤大学
雑誌
論集 (ISSN:03899837)
巻号頁・発行日
vol.17, pp.59-71, 1983-03

《精神の昼の領域》が文明を牛耳っている現代においては,実証や裏付けという,客観的記録によって人の言動の価値が定められ,また,人の方も自分が加わっている客観的実在物たる体制や組織の意向に自分の意思のすべてを任せきることによって,主体的決断の重責から逃れた空白の安逸を楽しんでいる。他方,《精神の夜の領域》は《昼》の一元的な明るさ,健全な単純さを嗤いながら,夢想の海の中を遊戈しつつ社会的実効性に背を向け,蟄居して全能の主観に淫している。これは共に各領域の偏向著しい場合を述べたが,本来,《昼》は太陽が現出させているのであって,その暖かい光の恵みは生命維持の必要条件であり,人の心を自然の新鮮なオゾンで満たしてくれるはずのものである。また,《夜》に輝く月は,雪のごとく降り注ぐ月光によって,《昼》の景色を一変させ,その演出を通して人の感受性を富ましめてくれるものである。私は以下,精神世界を二元論的に構成する比喩,《昼》と《夜》とを,その比喩の中に象徴的に実在する天体,《太陽》と《月》とに還元することによって,この二元性の根源を問い易い形にした。そして,まず序論で,ドイツ語圏において同様な観点から展開されている二元論をフリードリヒ・シラー(1759-1805),カール・グスタフ・ユング(1875-1961)のもとに辿って,この二元性をそれぞれ異なる仕方において洞察した先達のいることの確認を試みた。さらに本論においては,エルンスト・クレッチュマー(1888-1964)のもとにその確認作業を続けたあと,ルドルフ・シュタイナー(1861-1925)の内に,この二元性の根源をただす問いに対する「答え」を探ってみる。そして,最後に《太陽》と《月》の二元論を総括することになろう。元来,この二元性は,文学作品におけるリアリズムとロマンチシズムの対置や,文学研究における実証主義とヘルメノイティックの対置とも完全に対応するものである。したがって,この二元性のあり方を文学的・心理学的・精神病理学的に探究した先達の論考を辿ったり,秘教的な著作の内にその「根源」を読み取らんとしたりする試みは,文学の本質をめぐる作業として無益なことではあるまい。
著者
河内 信弘
出版者
駒澤大学
雑誌
論集 (ISSN:03899837)
巻号頁・発行日
vol.4, pp.73-88, 1975-03
著者
難波江 和英
出版者
神戸女学院大学
雑誌
論集 (ISSN:03891658)
巻号頁・発行日
vol.61, no.2, pp.107-122, 2014-12

本稿は、ジャン・ボードリヤールの思想を時系列に即して解説・批判するシリーズの最終回である。今回のテーマはテロリズム、特に2001年9月11日の米同時多発テロをめぐる論考を取り扱う。テキストは、『テロリズムの精神』(2002年)、『パワー・インフェルノ』(2002年)、『世界の暴力』(2003年)、『暴力とグローバリゼーション』(2004年)である。但し『世界の暴力』は、『パワー・インフェルノ』の表現・内容と重複しているため、相互参照にのみ利用する。『テロリズムの精神』の斬新さは、米同時多発テロを「出来事の『母型』としてとらえた点にある。つまり、あのテロは、世界を全体化するグローバル・パワーを逆流させる供儀として、単一の価値観に支えられた世界秩序から、その普遍性を奪うすべての暴力を象徴している、ということである。『パワー・インフェルノ』はそこからさらに、ツインタワーの象徴性、米同時多発テロに関する仮説、他者の不在、を主たる論点として展開する。ツインタワーは、その双子性によって、二項対立を無効にするハイパーリアルの世界を象徴している。テロリストたちのターゲットは、まさにこの象徴性にあった。ボードリヤールは、そうした観点に立って、テロリズムという暴力を、世界システムにより他者性を奪われた、あらゆる文化による拒否の表現、自死を介した他者性の贈与とみる。『暴力とグローバリゼーション』は、ボードリヤールの日本での講演録であり、出来事、非・出来事、現代の暴力をメインテーマにしている。現代人は他の何ものにも還元できない出来事を情報へ変換して、それを記号化された現実として、つまり非・出来事として消費している。米同時多発テロでさえ、真の出来事として勃発しながら、情報処理され、いわゆる現実と置換されて、非・出来事へ転落していく。出来事の代替物として非・出来事を生産し、流通させるグローバル・パワーの膨張、そこに、ボードリヤールは「現代の暴力」を見る。
著者
中里 浩明 滝野 匡悦 Hiroaki NAKAZATO Masayoshi TAKINO
雑誌
論集
巻号頁・発行日
vol.36, no.1, pp.177-198, 1989-07
著者
高橋 薫
出版者
駒澤大学
雑誌
論集 (ISSN:03899837)
巻号頁・発行日
vol.8, pp.97-112, 1978-12
著者
水谷 知久 Tomohisa MIZUTANI
雑誌
論集
巻号頁・発行日
vol.8, no.3, pp.45-65, 1962-02
著者
関根 秀雄
出版者
青山学院大学
雑誌
論集 (ISSN:03874370)
巻号頁・発行日
vol.1, pp.39-63, 1960
著者
東森 勲
出版者
神戸女学院大学
雑誌
論集 (ISSN:03891658)
巻号頁・発行日
vol.45, no.1, pp.1-28, 1998-07
著者
松本 丁俊 Matsumoto Atsutoshi
出版者
駒澤大学外国語部
雑誌
論集
巻号頁・発行日
no.62, pp.165-180, 2005-03