著者
森 俊太
出版者
静岡文化芸術大学
雑誌
静岡文化芸術大学研究紀要 (ISSN:13464744)
巻号頁・発行日
vol.3, pp.51-56, 2002

本論では、日本の大学とアメリカの大学の学期制度を比較した。具体的には、静岡文化芸術大学とアメリカ合衆国の異なるタイプの2大学、カリフォルニア大学サンタクルズ校(州立)とコロラドカレッジ(私立のリベラルアーツ大学)の学期制度を比較した。静岡文化芸術大学では、セメスター制度に移行した日本の多くの大学と同じように1セメスター15週制を採用しているが、この制度の下では学生が学期中に平均10科目以上もの多くの科目を履修することになり、また一週間に1回の授業では、教員が学生に接する時間も少ない。1セメスターに3ないし4科目程度を履修し、1科目の授業を週に2-3回行なうアメリカの大学の学期制度が教育効果は高い。今後、学期制度を本来の形態を維持し教育効果をあげているアメリカの大学をモデルに変革し、教育力を高める必要があると思われる。
著者
尾野 正晴
出版者
静岡文化芸術大学
雑誌
静岡文化芸術大学研究紀要 (ISSN:13464744)
巻号頁・発行日
vol.4, pp.61-69, 2003

「天地 (あまつち) 耕作」は、浜松近郊に在住する三人の美術家、村上誠、村上渡、山本裕司によって結成された。本稿は、12年にわたる彼らの活動を映像と写真によって回顧するとともに、活動の終焉を告げた展覧会「天地耕作、まで」の報告書である。入場者数は約300人。名古屋や京都からも入場者があった。浜松展終了後、規模を縮小して、7月11日 (金) 〜26日 (土) まで、成安造形大学ギャラリー (大津市) に巡回した。
著者
林 在圭
出版者
静岡文化芸術大学
雑誌
静岡文化芸術大学研究紀要 (ISSN:13464744)
巻号頁・発行日
vol.11, pp.17-30, 2010

韓国の伝統的な食生活は医食同源の考え方に基づき、日常の食事は主食と副食から構成されている。そのため、野菜を中心とする多様な副食から均衡のとれた栄養素を取り込むことが可能である。 そこで本稿では、韓国農村の一村落を対象として日常の食事記録をとり、日常食の特徴と基本パターンを検証する。「飯バンサン床」と呼ばれる日常の食事は固有のルールをもっており、基本飲食を除くおかずの数によって格式化されている。 しかし実際に調査してみると、調査対象村落における日常食の基本パターンは主食1に副食4の5品であった。最も質素な「三サムチョップバンサン楪飯床」の7品に比べ、当該村落は2品が少ない結果となった。また日常食の特徴としては今日でも主食と副食とが明確に区別されており、食材と調理法の重複を避けて、栄養バランスがとれるように工夫されている。したがって、韓国の村落社会における医食同源の考え方は、依然として強く受け継がれていることが確認できる。しかし近年、幼児を含む世帯を中心に外食行動も増え、肉食化の傾向がみられる。
著者
和田 和美
出版者
静岡文化芸術大学
雑誌
静岡文化芸術大学研究紀要 (ISSN:13464744)
巻号頁・発行日
vol.12, pp.103-111, 2011

H20〜H22年度において、学長特別研究により遂行された「ネット販売の教育的可能性に関する研究」では、メディア造形学科、空間造形学科、生産造形学科の、デザイン学部3学科で取り組む課題として、大学公式のネットショップのあるべき姿の展望を図り、実施に向けたユニバーシティ・グッズの研究・開発を行った。本研究の一部として、優良なウェブサイトに仕上げるためのSEO対策まで含めて、最終的にウェブ教育に反映・充実させていきたいと考えている。
著者
古瀬 敏 林 左和子 河手 太士
出版者
静岡文化芸術大学
雑誌
静岡文化芸術大学研究紀要 (ISSN:13464744)
巻号頁・発行日
vol.13, pp.163-166, 2012

大学教員は研究・教育その他さまざまな活動を行っており、その成果として多くの知的生産物が生み出されている。しかしながら、そうしたものは大学において生み出されたにも関わらず、個人の成果としてしか検索できない状況が続いた。それらを組織としての成果物として、大学が対外的に体系的に提供しようという試みがしばらく前から行われている。それが「学術機関リポジトリ」と呼ばれるものである。ここでは、本学においてその構築の仕組みを検討した結果を報告する。なお、本検討は、平成22 年度・23 年度の2 年間にわたり学長特別研究として行った。
著者
野中 壽晴 渡邊 章亙 迫田 幸雄 黒田 宏治
出版者
静岡文化芸術大学
雑誌
静岡文化芸術大学研究紀要 (ISSN:13464744)
巻号頁・発行日
vol.4, pp.85-97, 2003

本学の教育基本理念であるユニバーサルデザインは、デザイン学部の共通必須科目として位置付けられている。そのユニバーサルデザインについての様々な情報を各方面から継続的に収集し、体系的に集約して情報発信することで、ユニバーサルデザインの研究拠点としての基礎を確立しなければならない。これまで、わが国が福祉のモデルとしてきたのは北欧諸国であり、そのデザイン思想もヨーロッパ型になると考えられてきた。しかし、今日の日本におけるこの分野におけるデザイン理念は、アメリ力型の「ユニバーサルデザイン」が普及進行中である。かねてよりヨーロッパにおける「Design for All」う言葉と、アメリ力発の「Universal Design」にどのような違いがあるのか、その違いがあるとしたらそれをどう捉えたらよいのか気になっていた。今回の視察は、福祉先進国北欧2国 (デンマーク・スウエーデン) を訪問し、それらを肌で感じ、自分の目で実態を見て見極めようと言うことがねらいであった。
著者
永井 聡子
出版者
静岡文化芸術大学
雑誌
静岡文化芸術大学研究紀要 (ISSN:13464744)
巻号頁・発行日
vol.10, pp.27-33, 2009

本論文は、明治末期より昭和期に至る日本の劇場の変遷を、帝国劇場、築地小劇場、東京宝塚劇場などの劇場改革を踏まえて現代性を描きだすことを目的としている。「劇場」とは、「専門家の配置、舞台作品の製作、空間の設計、観客の資質」という4つの要素が関わることが重要であり、時代は経ても変わることのない部分である。本論では、その前提となる建設の背景および劇場空間における前舞台領域との関係性において考察した。特に、劇場建設に対する言説から考察し、民間劇場が残した財産を現代の公共劇場がどう担うのか、これからの劇場のあり方を提示する。