著者
太下 義之 オオシタ ヨシユキ
雑誌
静岡文化芸術大学研究紀要
巻号頁・発行日
vol.17, pp.133-150, 2017-03-31

本論文は,最初にSUAC 芸術経営統計を元に,自治体文化財団の概要について整理した。その結果,自治体文化財団の主要な業務は指定管理であり,文化芸術団体の支援は些末な位置づけしかないという実態を明らかにした。次に自治体文化財団の歴史を,国全体のマスタープランとも言える全国総合開発計画との関連も踏まえて考察した。その結果,全国で公立文化施設が多数整備された90年代において,文化振興ではなく,日米構造協議を契機とする内需拡大のために,国からの強い働きかけもあって地方債が多額に発行され,それを活用して箱物が多数整備されたことを明らかにした。最後に自治体文化財団の意義と課題を,「公立文化施設の柔軟な運営/二層の職員構成」「文化振興の専門職のプリカリアート化」「地域の文化政策自体の弱体化」「助成財団としての文化振興/助成金額の減少」「文化政策における自治体文化財団の位置づけの無さ」の5項目に整理した。
著者
美濃部 京子
出版者
静岡文化芸術大学
雑誌
静岡文化芸術大学研究紀要 (ISSN:13464744)
巻号頁・発行日
vol.2, pp.1-7, 2001

話型「絞首台からきた男」(AT366)の話は、イギリスにおいては「黄金の腕」や「ちいちゃいちいちゃい」などの類語を中心にたいへん人気のある話であるし、日本においても同様の話は「こんな晩」などの形で若者を中心によく語られる話として知られている。本稿では「絞首台からきた男」の話型について、イギリスの類語を比較する。また、これらの話は他の話型である「赤ずきん」のサブタイプである「カテリネッラ」(AT333A)や「苦悩から解放された魂」(AT326A)の類話とも、語りの形式において共通する点が見られる。こうした比較を通して、『昔話の型』では「魔法昔話」に分類されているこれらの話が、実際には「形式譚」として分類したほうが望ましいことを論ずる。
著者
奥中 康人 オクナカ ヤスト Yasuto OKUNAKA
雑誌
静岡文化芸術大学研究紀要
巻号頁・発行日
vol.22, pp.19-36, 2022-03-31

『陸海軍喇叭譜』(1885)が刊行される以前の日本陸軍は、フランスのラッパ譜を用いたことが知られているが、それ以上の詳細はよく分かっていなかった。筆者は、すでに3点の手書きのラッパ譜を用いて調査を行ったが(奥中 2019)、その後、新たに2点のラッパ譜を閲覧する機会を得た。一つは、明治9年頃に野口吉右衛門というラッパ手が記したと思われるラッパ譜、もう一つは、明治15年に渡邉三四郎というラッパ手が記したラッパ譜である。これら5点のラッパ譜を比較検討することで、明治9年から18年までの期間に、陸軍がどのようなラッパ譜を用いたか、その実態をより詳細に明らかにすることが可能となった。調査の結果、フランスに起源をもつ50~70種類程度のラッパ信号が用いられていたこと、隊号は明治9年以降に改定されたこと、そして、2重奏や3重奏を含む6曲のラッパ行進曲が存在したことなどが判明した。
著者
美濃部 京子
出版者
静岡文化芸術大学
雑誌
静岡文化芸術大学研究紀要 (ISSN:13464744)
巻号頁・発行日
vol.10, pp.67-73, 2009

ウェールズはイギリスの一地域でありながら、隣接するイングランドとは異なる文化的特徴を持っている。現在ではネイティブの話者は20%近くにまで落ち込んでいるが、ケルト系のウェールズ語が話され、アングロサクソン系のイングランドとは異なる文化を現在にまで伝えている。 ウェールズの首都カーディフの郊外セント・ファガンズにある国立歴史博物館は、ウェールズの伝統的な人々の暮らしを後世に伝えるために様々な取り組みを行っている。ひとつは歴史的な建物から、伝統的な暮らしにかかわる道具や日用品、民芸品などの収集・整理・展示、そしてもうひとつはウェールズの失われつつある伝統文化をフィールドワークによって調査することである。そうして集められた民俗資料はアーカイブに整理・保存されている。 本稿では国立歴史博物館のコレクションおよびアーカイブの資料について触れながら、博物館がウェールズの民俗学、昔話研究に たした役割について紹介する。
著者
梅田 英春 ウメダ ヒデハル
雑誌
静岡文化芸術大学研究紀要
巻号頁・発行日
no.19, pp.165-170, 2019-03-31

大正琴は、1912年(大正元年)に、名古屋在住の森田吾郎(1874-1952)により創案、製作された鍵盤付弦楽器である。この楽器は、1915年頃から1940年頃まで、東アジア、南アジア、東南アジアへと広く輸出された。アジアに伝播した大正琴は、その後、それぞれの地域で変容をとげ、各地の音楽の中に取り込まれ、現在まで用いられている。本論文では、インドネシア、バリ島西部タバナン県ププアン村に伝播し、マンドリンとよばれる大正琴を起源とする楽器について概観する。
著者
佐々木 哲也 ササキ テツヤ
雑誌
静岡文化芸術大学研究紀要
巻号頁・発行日
vol.19, pp.187-196, 2019-03-31

静岡文化芸術大学(以下、本学と略記)は、開学以来、主に地震に重きを置いた防災対策に取り組み、東日本大震災以降は内容を拡充して継続している。この防災対策のうち、2018年に作成した教職員用の防災マニュアルは「いざという時、しっかりと役に立つこと」を目標とし、WEBでの公開も含めた情報共有の強化、災害発生時の閲覧のしやすさへの配慮、学内の防災訓練との一体的な運用等の特徴をもつものとなっている。本稿は、本学及び同様の境遇をもった他大学の防災対策の発展の一助となることを目的として、本学の防災対策を実務的な観点から整理して報告するものである。加えて、防災対策の現状を踏まえ、今後の本学の防災対策の課題として「防災の取り組み体制の全学化」と「他大学との広域的な連携」の2点を提示する。
著者
四方田 雅史
出版者
静岡文化芸術大学
雑誌
静岡文化芸術大学研究紀要 (ISSN:13464744)
巻号頁・発行日
vol.15, pp.45-56, 2014

「共産主義遺産」は中東欧において社会主義時代が残した文化財のことであるが、同時代には独裁やソ連の支配といった否定的なイメージ・感情がつきまとってきた。そのため、その「遺産」は、負の遺産か、そこまでいかなくとも論争的な遺産、両義的な遺産とみなされ、その保全・観光資源化について議論の対象となってきた。本論文では、それが伴うさまざまな課題とともに、それらが遺産化・観光資源化されている現状の背景について探る。具体的には、特にスターリン体制と不即不離にあるスターリン様式の集合住宅地区ポルバ(チェコ)などを主な例として、外国人観光客にとって異質な体験が可能な場としての視点があり、現地国民から見ると独裁時代の遺産と否定的に感じる一方で、土着文化を援用した装飾など、伝統との連続性に遺産の意義を見出す視点が登場していることを論じる。
著者
奥中 康人 オクナカ ヤスト
雑誌
静岡文化芸術大学研究紀要
巻号頁・発行日
vol.17, pp.65-86, 2017-03-31

ラッパは、幕末に日本に入ってきた最初の西洋楽器のひとつであるにもかかわらず、これまでほとんど研究されていない。本稿は、長野県内の消防組(消防団)に関する文献からラッパについての諸記録を整理、提示することによって、その普及と変容を明らかにすることを目的としている。軍隊の道具として幕末期に導入されたラッパは、明治後期になって各地の消防組でも用いられるようになった。長野県でも、おおよそ一九〇〇年以降に広く普及し、演習や儀式等で用いられた。第二次世界大戦後には音楽を演奏するラッパ隊として再編成され、教本の刊行やラッパ吹奏大会の開催によって演奏技術が向上し、標準化が促されたことを、文献調査から明らかにした。
著者
和田 和美
出版者
静岡文化芸術大学
雑誌
静岡文化芸術大学研究紀要 (ISSN:13464744)
巻号頁・発行日
vol.14, pp.151-166, 2013

本研究は、YouTube 等によるスムースな動画配信を身近にした動画コンバート技術と、光や無線LAN による常時接続で加速するインターネット動画配信技術がクロスオーバーするところで可能になるインタラクティブな動画配信の可能性を探るものである。具体的には、近年のAdobe Flash Professional によって可能になった画期的な技術の一つに動画配信技術があるが、これに3D 画像作成技術も加えて全方位動画コンテンツを作成、インターネットにおいて配信再生し、さらなるアプリケーションの可能性を模索するものとして研究を重ね、一定の成果が得られたので、これを報告する。
著者
石川 清子
出版者
静岡文化芸術大学
雑誌
静岡文化芸術大学研究紀要 (ISSN:13464744)
巻号頁・発行日
vol.1, pp.15-25, 2000

My essay presents a reading of two novels of Leila Sebbar, a French novelist, whose works are classified usually as North African literature written in French. Born in 1941 in Algeria during the colonial administration to a French mother and an Algerian father, Sebbar never formally studied the Arabic language. She left her homeland in 1959 to attend university in France; she currently resides in Paris. Sebbar's mixed heritage as a so-called "croisee' has engendered feelings of alienation and exile. Considered neither French nor Algerian, she exists simultaneously between two cultures and civilizations. She sets her novels in the economically-depressed milieu of the "Beurs", the second generation of North African immigrants residing in France's turbulent inner cities. Like the author, her characters experience the conflict between cultural identities imposed by France and the traditions of their heritage. In her novels, Fatima, ou les Algeriennes au square (1981) and Sherazade, 17 ans, brune, frisee, les yeux verts (1982), Sebbar creates marginalized heroines and an orality of expression inspired by the patterns of feminine speech unique to the immigrant community. The author explores the difficulties such women experience in forging a new identity amidst the opposing demands of two disparate traditions.
著者
根本 敏行
出版者
静岡文化芸術大学
雑誌
静岡文化芸術大学研究紀要 (ISSN:13464744)
巻号頁・発行日
vol.14, pp.101-110, 2013

本研究は、近年世界的に関心が高まってきている産業遺産の活用による地域活性化やツーリズムとの連携と、戦争や民族紛争、労働問題といったいわば近代化の「負の」歴史遺産をミュージアムに取り入れ、これも地域活性化やツーリズムと連携させようとする取り組みの事例を取り上げ、広義の文化政策の視点から分析しようというものである。今回は旧東欧地域からポーランドとチェコの新しい事例を取り上げた。
著者
奥中 康人 オクナカ ヤスト Yasuto OKUNAKA
雑誌
静岡文化芸術大学研究紀要
巻号頁・発行日
vol.23, pp.11-28, 2023-03-31

日本における西洋楽器製造の歴史は、オルガンやピアノ、ヴァイオリンの製造史に偏りがちで、金管楽器製造については、あまり調査されてこなかった。少し有名な江川仙太郎でさえ不正確な情報が多い。そこで、本稿は、明治期に金管楽器を製造していた職工について、雑誌記事や博覧会の記録に基づき、整理することを目的としている。 草創期における代表的な製造業者は、大阪では江名常三郎と上野為吉、東京では宮本勝三郎、江川仙太郎、田邊鐘太郎である。かれらの多くは、楽器の修理と信号ラッパの製造からスタートし、やがてコルネットやバリトンのような金管楽器を製造することになった。
著者
青木 健 アオキ タケシ Takeshi AOKI
雑誌
静岡文化芸術大学研究紀要
巻号頁・発行日
vol.22, pp.69-76, 2022-03-31

本稿は、仏教がイラン高原西部まで及んでいたか否かを論じる試論である。仏教がイラン高原東部(現在のアフガニスタン)まで及んでいたことは、今更論じるまでも無い。この延長線上に、先行研究の一部は、ナウバハールの地名の普及、ゴータマ伝説の普及、イラン・イスラーム神秘主義の思想構造などを根拠として、仏教はイラン高原西部まで到達していたと結論している。しかし、この所説は、未だ定説にはなっていない。 そんな中、筆者は、ペルシア湾岸にある二つの石窟遺跡に注目した。チェヘル・ハーネ石窟とガルアテ・ヘイダリー石窟である。両者は、陸のシルクロードの沿線には無く、イラン高原東部で栄えた仏教遺跡と結び付けて論じるのは無理筋と感じられる。その代わり、ペルシア湾岸からスリランカを結ぶ海のシルクロードの要衝に位置しているので、今後は、インド洋に於ける仏教伝播の一齣として研究する必要があるのではないだろうか。
著者
梅田 英春 ウメダ ヒデハル
雑誌
静岡文化芸術大学研究紀要
巻号頁・発行日
vol.19, pp.165-170, 2019-03-31

大正琴は、1912年(大正元年)に、名古屋在住の森田吾郎(1874-1952)により創案、製作された鍵盤付弦楽器である。この楽器は、1915年頃から1940年頃まで、東アジア、南アジア、東南アジアへと広く輸出された。アジアに伝播した大正琴は、その後、それぞれの地域で変容をとげ、各地の音楽の中に取り込まれ、現在まで用いられている。本論文では、インドネシア、バリ島西部タバナン県ププアン村に伝播し、マンドリンとよばれる大正琴を起源とする楽器について概観する。
著者
永井 聡子 ナガイ サトコ
雑誌
静岡文化芸術大学研究紀要
巻号頁・発行日
no.17, pp.107-116, 2017-03-31

舞台作品とそれを観る者―見せる者と見る者の場が有機的に結びつけられ上演されるということは、そこに劇場が舞台作品との間の関係性だけでなく、地域の文化において劇場がどのようにあるべきなのかということと関係している。劇場の近代化の過程における舞台と客席は、帝国劇場(1911)や築地小劇場(1923)で劇的変化を遂げるとともに演劇史、劇場史上においても画期的な視点を獲得していた。本論では舞台論と観客論に言及するため、劇場における芸術の捉え方を、舞台と観客との境界領域に焦点を絞り考察する。取り上げる資料は、アドルフ・アッピア、小山内薫など実践的な場に関わった演劇人の言説と、帝国劇場建設から築地小劇場建設を経て間もない昭和7年刊行『演劇学研究』所収の外山卯三郎論文「演劇学の対象と方法論的限界」を手掛かりに、劇場における「象徴領域」を内包する演劇の特質と劇場を拠点とする文化形成について考察することを目的としている。
著者
種田 明
出版者
静岡文化芸術大学
雑誌
静岡文化芸術大学研究紀要 (ISSN:13464744)
巻号頁・発行日
vol.10, pp.117-124, 2009

本研究は2008年欧州文化首都リバプールを分析の対象にしている。中世の小さな漁村は、18世紀第一四半期から19世紀初頭まで「(いわゆる奴隷)三角貿易」の中心の港として繁栄した。奴隷貿易廃止(1807年)以後は、南北アメリカ・オーストラリアおよびその近隣やその他への海外移民の送出港として、ある研究者によると900万人(かそれ以上)のヨーロッパの人びとを見送ってきた。 こうした「負の遺産」にもかかわらず、2004年にはユネスコ世界遺産リストに登録され、2008年には欧州文化首都に選定されている。 (文化政策研究科長研究費08調査研究報告/種田担当分)
著者
溝口 紀子 光本 健次 田辺 陽子
出版者
静岡文化芸術大学
雑誌
静岡文化芸術大学研究紀要 (ISSN:13464744)
巻号頁・発行日
vol.6, pp.77-82, 2005

フランスのスポーツクラブの歴史を調査すると、その歴史や現状に関しての先行研究、統計資料は、フランス国内において多数発表されているが、日本国内においては、それらの資料の入手が困難であるため、フランスのスポーツクラブに関する研究はほとんど行われていなかった。本研究では、フランスのスポーツクラブの歴史を明らかにし、最近のスポーツクラブの変化を捉えることでクラブが組織化された背景を検討する。
著者
高田 和文
出版者
静岡文化芸術大学
雑誌
静岡文化芸術大学研究紀要 (ISSN:13464744)
巻号頁・発行日
vol.5, pp.133-142, 2004

本稿は平成十三年度、十四年度に学長特別研究事業として行なわれた「現代イタリア演劇の研究」に関する報告である。事業の目的は、イタリアのノーベル劇作家ダリオ・フォーの作品を、実際の舞台上演を通して本学学生及び一般市民に紹介することにあった。上演されたのは、フォーの初期の一幕喜劇『泥棒もたまには役に立つ』(十三年度)と代表的な政治風刺劇『アナーキストの事故死』(十四年度)で、いずれも日本では未公開の作品である。上演は本国講堂において行なわれたが、日本ではまだあまり知られていない劇作家であるにもかかわらず多数の観客が来場し、たいへん好評であった。また、舞台上演と並行してフォーの演劇活動を紹介する写真パネル展、イタリア独自の演技の方法を用いたワークショップを実施した。ワークショップには浜松で活動する劇団の俳優や高校の演劇部員が参加し、地域の演劇関係者との直接的な交流を図ることができた。
著者
鈴木 元子 スズキ モトコ
雑誌
静岡文化芸術大学研究紀要
巻号頁・発行日
no.17, pp.1-14, 2017-03-31

ユダヤ系アメリカ作家ソール・ベローのホロコースト体験者を主人公とした2つの小説『サムラー氏の惑星』及び『ベラローザ・コネクション』と、日本の作家遠藤周作の『沈黙』とその周辺のエッセイを中心に、比較文学文化研究をおこなった。1章の序論では共通するアイデンティティの葛藤について、2章では両作家の宗教的背景・大病との闘い・シュタイナーの影響について、3章ではホロコーストとキリシタン弾圧、及びその作風について、4章では同化か隠れかについて、アルメイダとフェレイラのマラーノ出自説からの読み直し、そして最後に、両作家のオウム/九官鳥という動物表象を論じて結びとした。
著者
石川 清子
出版者
静岡文化芸術大学
雑誌
静岡文化芸術大学研究紀要 (ISSN:13464744)
巻号頁・発行日
vol.13, pp.1-12, 2012

ウジェーヌ・ドラクロワ『アルジェの女たち』(1834)は、オリエントのハーレムの女性を画材にしたオダリスク絵画の代表的名画であり、以降のオリエンタリズム絵画、裸婦像に多大な影響を及ぼした。しかし、1830 年のフランスのアルジェ占領があってこそ、画家はハーレム内部に入ることができ、ゆえにこの絵を描くことができた。フランスのアルジェリアに対する植民地支配の産物とも言える。また名画として鑑賞されてきたこの絵を、フランス語表現の女性作家はどのような視点で見て、どのように自己の作品に反映させ、自らのアイデンティティを構築していくか。この論考はその後半部で、アルジェリアとフランス両方にルーツをもつフランス人作家、レイラ・セバールのシェラザード三部作を検討し、80 年代に顕在化する北アフリカ系フランス人の若者の自己構築の諸相を、この名画と関連づけて考察する。