著者
山崎 晃司 坪田 敏男 小池 伸介 清水 慶子 正木 隆 郡 麻里 小坂井 千夏 中島 亜美 根本 唯
出版者
ミュージアムパーク茨城県自然博物館
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2012-04-01

ツキノワグマの行動生態研究の多くは,秋の食欲亢進期に行われており,春から夏の行動はよく分かっていない。本研究では,各種新型機材を利用し,冬眠明け後の春から夏の野生グマの生理状態の把握と共に,その行動生態の解明を試みた。その結果,夏期には活動量,体温,心拍計共に低下することを確かめた。春は低繊維,高タンパクの新葉が利用できたが,その期間は極めて短かった。夏は食物の欠乏期として捉えられ,夏眠のような生理状態に入ることでエネルギー消費を防いでいたと考えられた。本研究は,秋の堅果結実の多寡だけでは説明できていない,本種の夏の人里への出没機構の解明にも役立つことが期待できる。
著者
佐々木 広美(池澤広美) 秋山 昌範 稲葉 修 上島 励 鎌田 洸一 川名 美佐男 堤 徳郎 芳賀 拓真 吉村 武雄 茅根 重夫
出版者
ミュージアムパーク茨城県自然博物館
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2011-04-28

茨城県の貝類相の実態を明らかにするため、市民参加型調査の他、現地調査やコレクション調査など、様々な方法を通して調査を実施した。その結果、約390種、約4,400点の海産貝類コレクションが同定・整理されただけでなく、約40種の淡水産貝類、約80種の陸産貝類が確認された。また、市民参加型調査によって、農産物に被害を与える外来の陸産貝類の茨城県内の分布状況が明らかになった。これらの成果は博物館の企画展の展示や刊行物を通して広く一般に公開されるとともに、改訂版の茨城県レッドリスト種を選定するための基礎資料として活用された。