著者
赤垣 友治
出版者
八戸工業高等専門学校
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2006

PEEK材料の焼付き挙動は、リング温度に強く依存することがわかった。良好な油膜が形成されていてもリング温度が増加し続ける場合、運転条件にかかわらず100℃を超えると摩擦係数が増加し始め、PEEKは120~130℃,PEEK複合材料は160~180℃を超えると焼付きに遷移した。焼付きによって、樹脂表面は溶融あるいは軟化するために、微細なロール状やプレート状摩耗粒子が特徴的に発生した。このように、発生する摩耗粒子形態から、樹脂軸受の運転状態を知ることができる。
著者
赤垣 友治 佐々木 義憲 中村 等
出版者
八戸工業高等専門学校
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
1997

新素材「ガラス繊維強化PTFE系複合材料」の摩擦摩耗特性を広範囲な実験条件の下で評価し,メンテナンスフリー型軸受の実用化の可能性を検討した。得られた結果を要約すると次の通りである。【1】高速無潤滑下における摩擦摩耗特性:すべり速度が〜40m/sで摩擦係数は0.4〜0.45で最大となる。この時の摩擦面温度は〜130℃で,粘弾性変形抵抗が最大となる温度に一致する。10m/s以上では,〜0.3でほぼ一定である。比摩耗量は(1.5〜3.3)x10^<-6>(mm^3/Nm)である。摩耗面は微細な褐色酸化鉄粒子で覆われており,これらの保護作用により破局的な摩耗形態へ遷移しないと言える。このように高速無潤滑という条件下においても,破局的な摩耗を生じない,新規な特性を有していることがわかった。しかし,相手材がステンレス鋼や硬質クロムめっきなどの場合,複合材料の摩耗量は各々〜2倍,〜1000倍大きくなる。【2】油潤滑下の摩擦摩耗特性に及ぼすすべり速度と荷重の影響:金属製の軸受が焼き付きに遷移するような薄い油膜が形成されるような厳しい条件下においてもPTFE系複合材料は焼き付きに遷移せず低摩擦・低摩耗を維持した。高速高荷重下において,油煙が発生するような厳しい摩擦条件下においても焼き付きにき遷移せず,摩擦係数0.02〜0.04を維持した。この時,リング温度は100〜150℃,比摩耗量は10^<-6>(mm^3/Nm)のオーダーであった。【3】油潤滑下の摩擦摩耗特性に及ぼす相手面粗さの影響:金属製軸受や他の複合材料(PEEK)は,相手面粗さが油膜厚さより大きくなると,低摩擦係数(〜0.008)から高摩擦係数(0.06〜0.1)へ急激に遷移し,焼き付きの様相を示す。しかし,PTFE系複合材料は,相手面粗さ依存性が小さく,摩擦係数の上昇率は小さく,激しい焼き付きの様相を示さない。【4】摩耗粒子分析及び摩耗機構の解析:摩耗粒子発生量はきわめて少なく,レーザ回析式粒度分布測定装置では,ほとんど検出できなかった。唯一検出されたのは,粗いリングと摩擦した場合であった。粒径0.4μ程度の小さな粒子が僅かに検出された。このように,PTFE系複合材料の耐摩耗性が、摩耗粒子分析の観点からも実証された。以上の結果から,PTFE系複合材料は,実験条件を厳しくしても焼付きの様相を示さず,また,発生摩耗粒子数も非常に少なく,メンテナンスフリー軸受への応用の可能性が非常に高いと結論付けることができる。
著者
鳴海 寛
出版者
八戸工業高等専門学校
雑誌
八戸工業高等専門学校紀要 (ISSN:03854124)
巻号頁・発行日
vol.38, pp.217-220, 2003-12-20

As many members come from the wide areas in Aomori prefecture, the exercise is suspended unwillingly from the end of the college year to the early spring. By analyses on how the above exercise suspension influences on the body composition, physique and physical fitness of members of the female basketball club in our college, following results are obtained: 1) Weight is almost the same; 2) Although %FAT increases slightly, no significant difference is recognized; 3) FM increases slightly, but no significant difference is recognized; 4) LBM decreases for seven members among ten, and the obvious decrease of the average is recognized at 5% significant level; 5) The average of backstretch decreases slightly, but no significant difference is recognized; 6) V0_2max of all ten members decreases, and the obvious difference is recognized at 0.1% significant level; 7) Ability of all members decreases on how many meters they can run during twelve minutes, and the obvious difference is also recognized at 0.1% significant level; From the above results, followings are confirmed: Viewed from the body composition, nevertheless the rates of increase on %FAT and FM are less than male members, the above exercise suspension causes LBM to significantly decrease similarly to male members; Viewed from physical fitness, achievable distance with running in twelve minutes which is not measured for male members and VO_2max decrease significantly, and obvious influence on heart-lung capability is verified. Suspension causes endurance of physical fitness degradation, careful selection of training menu, therefore, must be considered as re-starting the exercise.
著者
蝦名 謙一 下館 秀子 福田 廣夫
出版者
八戸工業高等専門学校
雑誌
八戸工業高等専門学校紀要 (ISSN:03854124)
巻号頁・発行日
vol.37, pp.121-123, 2002-12-20

In order to lead student life, maintaining health, it is also an important element to carry, out proper weight observation by approaching from the physique-side. We collected fundamental date about the from analysis by BMI and the athletic ability and tried to make good use of them in the future. The unmbers of appearances of overweight on the basis of BMI were 39 boys out of 389 and 11 girls out of 123. Instruction and observation from a health side and a gymnastics side are required for the group of the overweight and a little overweight in the classification of corpulence degrees, which is a serious duty.
著者
佐々木 修平
出版者
八戸工業高等専門学校
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2015-04-01

超電導バルク体を用いた磁気浮上型免震装置の実用化に向けて,免震対象物の許容重量となる磁気浮上力,鉛直振動伝達の抑制が重要な課題となる。本課題研究期間において,永久磁石の配列方法や,磁性体を用いた磁束密度操作によって磁気浮上力の向上を図り,一般家屋を磁気支持できるレベルに到達することができた。さらに,モデル装置を用いて鉛直振動伝達特性について検討を行い,超電導バルク体に超電導線材コイルを取り付けることで鉛直振動伝達を抑えることに成功した。
著者
黒沢 忠輝 鳴海 寛 中村 嘉孝 佐藤 久美子 金子 仲一郎 下舘 秀子
出版者
八戸工業高等専門学校
雑誌
八戸工業高等専門学校紀要 (ISSN:03854124)
巻号頁・発行日
vol.42, pp.1-5, 2007-12

In this paper we deal with YG Personality Inventory (YGPI) in case of Heisei 18 third grader in Hachinohe National College of Technology. YGPI consists of 120 questions which are quite useful and also quite valuable to many companies, department to obtain information for their personnel. At school the YGPI helps teachers counsel students for their direction in seeking a profession. As a result, it turned out that distribution of a candidate is average.
著者
佐藤 純
出版者
八戸工業高等専門学校
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2011

1930年代におけるイングランド銀行の対外政策に関しては、その影響力が及んだ範囲の大きさゆえに研究者の関心を集めてきた。これに関して先行研究は、同行がスターリング圏(sterlingarea)の安定と拡大を目的として、帝国内外の諸国にアドバイザーを派遣し中央銀行の創設を実現していったことは明らかにしているが、中央銀行創設に至るプロセスや、果たして中央銀行の創設によって上述の目的は達成されたのか否か、以上の点については十分には明らかにしてこなかった。本研究では、これらの点を1934年におけるエル・サルバドル準備銀行の創設に関する事例に即して明らかにした。
著者
久慈 憲夫
出版者
八戸工業高等専門学校
雑誌
八戸工業高等専門学校紀要 (ISSN:03854124)
巻号頁・発行日
vol.41, pp.29-34, 2006-12-15

A novel life-rhythm analysis system, which secures safety of living-alone seniors by sensor network, has been developed. Sensor network consists of sensor nodes which are composed of various sensors, CPU and a wireless communication module. Sensing data are transferred to the host computer through wireless communications among sensor nodes. Since the sensor network enables us to place processors and various kinds of sensors in any places, we can not only obtain much more life-rhythm information, but can also control electric appliances in the household. The developed system acquires sensing data from sensor network and transfers them to a database on a host computer through internet. Clients access the database through web browsers. The system was applied to measurement of actual home environment. As a result, it was shown that many kinds of life rhythms, such as washroom usage, rising hour, bed time, coming-home time, can be obtained at a time. Also it was confirmed that each sensor node can control external devices, such as LEDs. From these evaluations, we can say that the system is very promising for remote sensing of an extraordinary life rhythm of living-alone seniors and coping with such an unusual situation.
著者
菅原 隆
出版者
八戸工業高等専門学校
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2002

苛酷環境下におけるコンクリートの耐久性を向上させる事はコンクリートの研究者にとって至上命題となっている。寒冷地における歩車道ブロックは凍結融解の作用や凍結防止剤の散布により表面剥離や崩壊などの被害が急増している。ここでは、コンクリート製品の一つである歩車道ブロックを対象として、コンクリートの耐久性を向上させる要因を明らかにすることを研究目的として、申請計画書に基づいて各種実験・研究を行った。3年間に亘って研究を行った結果をまとめると次のようなことがいえる。(1)コンクリート工場製品に透水型枠工法が適用できるかどうかについて検討した。試作した透水型枠と透水性シートを組み合わせることでコンクリートの表層部を強化でき、品質の良いコンクリートを製作できることがわかった。(2)透水型枠工法によって製作した歩車道ブロックの表面は透水性シートを使用した事により綺麗さが格段に向上した。また、水セメント比の低下や表層部の緻密化によってコンクリート表層部が強化され、凍害に対する劣化が抑制されることを明らかにした。(3)塩化物の浸入によるスケーリング抵抗性も透水型枠工法を用いることで向上し、歩車道ブロックの上面・側面ともにスケーリング量は大きく減少することを明らかにした。(4)コンクリート工場製品にかかわらず、コンクリート構造物の高耐久性、高機能性を考慮した時には透水型枠工法が有効な工法の一つである事を明らかにした。以上のように、凍害や塩害などを受けやすい苛酷な環境下にあるコンクリートはその表層部を強化してやることで劣化を抑え、かつ耐久性を向上させる事ができる事を明らかにした。また、透水型枠工法はコンクリート工場製品やコンクリート構造物などの表層部を強化できる有効な手法の一つであることも明らかにした。
著者
佐藤 純
出版者
八戸工業高等専門学校
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2008

両大戦間期イングランド銀行によるアルゼンチン、ニュージーランド、オーストラリアにおける中央銀行創設・改革運動の実態を明らかにした。具体的には、イギリスとニュージーランドにおいて、イングランド銀行文書館、ニュージーランド公文書館、英国公文書館に所蔵されている一次史料の収集・読解を行い、これまでイングランド銀行の意図に沿って創設されたとされてきたこれら諸国の中央銀行は、実は現地の政策主体の意図に主に沿った形で創設されたことが明らかとなった。
著者
浅野 泰一 田部井 久男 伏貫 義十 正留 隆
出版者
八戸工業高等専門学校
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
1999

警察白書によれば,覚醒剤事犯大きな社会問題の一つであり,現在は1950年代の第一次乱用,1980年代の第二次乱用に続き第三次乱用期とされ,早急に解決しなければならない社会問題とされている。この問題を解決するためには,捜査現場において様々な生体試料から,覚醒剤メチルアンフェタミンを簡便,迅速,正確に検出し,陽性であれば,被疑者を即現行犯逮捕することが最も効果的であり,この目的に沿った科学捜査用覚醒剤簡易計測器を開発することへの要望が高まっている。近年,新規な有機物計測法として注目を集めているSPRに基づく生体膜相互作用解析装置は,測定原理の多様性から科学捜査用のドラッグセンサ化が容易な最新のセンシング技術として有効であると考えられる。裁判化学用の機器に求められる条件は,得られた計測データが裁判における証拠にされるるので測定結果は2重,3重の確からしさに基づく信頼性の高い方法でなけれなならない。本研究では測定結果の信頼性を高めるために,まず試料からメチルアンフェタミンンを分離した後に免疫反応を行わせ,この際生じる表面プラズモン共鳴現象による入射光の角度変化を検出することによって,尿中に含まれる覚醒剤を簡便・迅速・選択的に計測するための基礎技術の検討を行った。その結果,覚醒剤の保持時間は,尿中に共存する可能性の高いカフェインやエフェドリンの保持時間と明らかに異なり,保持時間を計測項目に取り入れることにより,覚醒剤のSPR計測結果の信頼性が一層高り,測定値の信頼性の向上という観点から裁判化学用機器におけるSPRクロマトグラフィの有効性が明らかのなった。