著者
吉野 正純 佐藤 哲生 北田 徳蔵 古川 左近 染谷 幸雄 橋詰 和宗 森地 敏樹
出版者
公益社団法人 日本畜産学会
雑誌
日本畜産学会報 (ISSN:1346907X)
巻号頁・発行日
vol.58, no.12, pp.1048-1053, 1987-12-25 (Released:2010-11-26)
参考文献数
15

生乳中の細菌数の測定で, Breed法の適用性の限界, 並びにBreed法による直接鏡検個体数 (全菌数) と標準平板培養法による生菌数との関係を, 別報のBactoscan 17600 (A/S N. Foss Electric, Denmark) の性能試験で得た成績を用いて検討した.生乳305点で, Breed法で求めた全菌数の対数値とBactoscanのインパルスのそれとの相関係数は, 0.936であったが, これをBactoscanのインパルス1000 (約50万/mlの細菌数に相当) 以下の場合, 1000~10000の場合, 10000以上の場合に分けると, それぞれ, 0.491 (n=70), 0.809 (n=144), 0.824 (n=91) となり, 最初のものは, 著しく低い値を示し, Breed法の適用性の限界が示唆された. また, Bactoscanのインパルスで1000以上を与える試料について, 全菌数の対数値と生菌数のそれとの相関係数は0.819であった. 生菌数を何倍すれば, 全菌数に見合う数値になるか調べるため, 生菌数に種々のファクターを乗じた値を求め, 対応する全菌数の, この積に対する比率の度数分布を比較した. この結果, ファクターが3.5の場合, 全菌数/(生菌数×ファクター) で計算される比が0.33~3.0の範囲に入る試料の (点数の) 割合が84.7%と最大となり, かつヒストグラムの形も左右対称に最も近かった. 即ち, 生菌数に, 3.5を乗じた値で, 直接鏡検個体数のオーダーを把握できることが明らかとなった. そして, この値は生乳中に分布する細菌の菌塊 (コロニーの形成単位) の平均個体数に相当すると考えられる.
著者
内藤 元男 高橋 弘晏 畠山 章一 武田 裕 一條 幹夫
出版者
公益社団法人 日本畜産学会
雑誌
日本畜産学会報 (ISSN:1346907X)
巻号頁・発行日
vol.45, no.10, pp.539-542, 1974-10-25 (Released:2008-03-10)
参考文献数
8

小岩井農場ホルスタイン種牛群の1953年より1968年までに得られた初産より3産までの連続記録をもつ119頭について初産次体重,初産への補正FCM量平均値およびFCM/K[{FCM/2(6W+FCM)}×100]相互間の関係を検討した.主な成績は次のごとくである.1) 初産後5ヵ月時の体重および体高の平均値はそれぞれ558kg,体高139.0cmであり,初産への補正FCM量平均値4,479kg,FCM/K28.5%であった.2) FCM/Kの母娘相関により推定した遺伝率は0.51であった.3) FCMとFCM量との相関は-0.045で,両者の間には関係がなかった.4) FCM量とFCM/Kとの相関は0.895***であった.5) 体重とFCM/Kへの単純相関は-0.466***であったが, FCM量を一定とした偏相関では-0.955***となった.6) 個体によって異なるが,一般に550~630kgの中型の牛はFCM量の多い傾向があり,またFCM量が多くなくてもFCM/Kで優れている場合が多く,比較的に有利であるといえる.