著者
小澤 りりさ Lilisa Kozawa
出版者
同志社大学商学会
雑誌
同志社商学 = Doshisha Shogaku (The Doshisha Business Review) (ISSN:03872858)
巻号頁・発行日
vol.73, no.4, pp.1133-1145, 2022-01-11

本研究は、議論のあいまい性を指摘されることの多い両利きの組織研究に対し、先行研究をもとにその課題を考察し、両利きの組織研究における条件を提示することを目的とする。調査の結果、研究を行う際には活用と探索の定義を述べたうえで、「活用と探索の主体」、「活用と探索の重なり」の2つの条件を明示し、それらを前提として両利きの組織についての詳細な記述を行う必要があることを提示した。
著者
福本 俊樹 Toshiki Fukumoto
出版者
同志社大学商学会
雑誌
同志社商学 = Doshisha Shogaku (The Doshisha Business Review) (ISSN:03872858)
巻号頁・発行日
vol.75, no.1, pp.109-124, 2023-06-30

本稿では、社会化が行われるその現場において、社会化エージェントがなんらかの人物(パーソン)として現象するそのしかたを、相互行為論に依拠しつつ考察する。具体的には、採用面接の事例を通して、採用面接官(社会化エージェント)の人物(パーソン)が現れ、応募者(新人)に観察可能になるそのプロセスを分析する。そこから、個人化された戦術をまさに「戦術」として用いる際の含意を導出する。
著者
関 智宏 Tomohiro Seki
出版者
同志社大学商学会
雑誌
同志社商学 = Doshisha Shogaku (The Doshisha Business Review) (ISSN:03872858)
巻号頁・発行日
vol.74, no.6, pp.901-914, 2023-03-14

本稿では、プロセスの視点に基づくアントレプレナーシップ研究の潮流との関連性を考慮し、本研究の検討対象となる41本の論文の内容を精査し、1つにアントレプレネリング、2つに、認知的視点および起業行動、3つに、起業機会の発見/創造・評価・活用、4つにその他、の4つのカテゴリーを導出し、前者2つをとりあげ、その内容を提示した。
著者
植田 宏文 Hirofumi Ueda
出版者
同志社大学商学会
雑誌
同志社商学 = Doshisha Shogaku (The Doshisha Business Review) (ISSN:03872858)
巻号頁・発行日
vol.72, no.5, pp.875-898, 2021-03-12

鈴木良始教授古稀祝賀記念号(Honorable issue in commemoration of Prof. Yoshiji Suzuki's 70 years of age)
著者
内藤 徹 Tohru Naito
出版者
同志社大学商学会
雑誌
同志社商学 = Doshisha Shogaku (The Doshisha Business Review) (ISSN:03872858)
巻号頁・発行日
vol.73, no.2, pp.713-731, 2021-09-17

本論文は,2017年に発生した九州北部豪雨で被災し,一部不通となった日田彦山線(添田-夜明)の利便性の低下を金銭評価するものである.推定には日田彦山線の沿線の公示地価のパネルデータをもとに差の差分法(DID)を用いて推定した.推定の結果,不通による利便性の影響は確認されたが,必ずしも大きい影響とは言えないことを示した.
著者
佐藤 郁哉 Ikuya Sato
出版者
同志社大学商学会
雑誌
同志社商学 = Doshisha Shogaku (The Doshisha Business Review) (ISSN:03872858)
巻号頁・発行日
vol.70, no.1, pp.27-63, 2018-07-20

本論文では、2000年前後から日本の高等教育セクターにおいて頻繁に使用されるようになったPDCAという用語の普及過程とその用法について検討を加えていく。また、その事例の分析を通して日本におけるニュー・パブリック・マネジメント(NPM:新公共経営)が陥りがちな落とし穴について明らかにしていくことを目指す。事例分析の結果は、業務の効率化を目指して導入されたPDCAの発想がその本来の意図とは正反対の極端な非効率と不経済をもたらす可能性があることを示している。