著者
Stephen Clarke
出版者
名古屋短期大学
雑誌
名古屋短期大学研究紀要 = BULLETIN OF NAGOYA COLLEGE (ISSN:0286777X)
巻号頁・発行日
no.57, pp.155-159, 2019-03-16

Story listening is an instructional procedure developed by Beniko Mason in which teachers aim to provide compelling and comprehensible aural input bytelling stories and using pictures, gestures and L1 translations to help learners to understand the content (Mason, 2015). Studies have suggested that story listening is a more efficient way of developing vocabulary knowledge than more traditional and form-focused types of vocabulary instruction (Mason, 2007; Mason and Krashen, 2004; Mason, Vanata, Jander, Borsch and Krashen, 2009).These short research notes present a loose replication of Is Form-Focused Vocabulary Instruction Worthwhile?" (Mason and Krashen, 2004), which reported a quasi-experimental study of two treatments and their relative effects on vocabulary growth. In both treatments, subjects listened to a story, but one of the groups also did supplementary vocabulary activities designed to teach the new words in the story. This group gained more words on a delayed post-test than the group that only listened to the story, but the latter gained more words per minute of exposure, suggesting that story listening alone is more efficient than combining story listening with traditional vocabulary activities.
著者
鶴田 武志
出版者
名古屋短期大学
雑誌
名古屋短期大学研究紀要 = BULLETIN OF NAGOYA COLLEGE (ISSN:0286777X)
巻号頁・発行日
no.59, pp.55-79, 2021-03-15

子殺しをテーマに高度経済成長期の男性の願望の顛末を描いた松本清張「鬼畜」は、その願望の裏側にある女性への一方的な甘えの構造を転倒させることで日常にある陥穽を炙り出す恐怖小説だった。野村芳太郎は、そんな原作の非情な世界観を人間の弱さと恐ろしさ、そして父子の絆を描くヒューマニズム映画へと仕立てた。結果、映画「鬼畜」は、同じく親子愛の映画「砂の器」(1974)に連なる系譜として完成し、霧プロダクションへの決定打となった。しかし、映画「鬼畜」には、正妻と愛人の対決と正妻の子どもらへの過酷な仕打ちという前半の衝撃と親子愛の結末とが巧く嚙み合わないという分裂を抱えていた。この分裂は、「砂の器」に代表される人間主義と「八つ墓村」に代表されるセンセーショナルさ、相克するその二つが1970年代の野村に期待されるものだったからこそ起きたことである。そして、映画「鬼畜」に大衆が望んだのは、前半の過剰なまでのセンセーショナルさだった。大衆の欲求に敏感な野村の在り様は、自作の映画化にヒューマニズムを求めた清張との間にやがて大きな決裂を生む。映画「鬼畜」は、霧プロ設立前から二人の決裂を予見していた映画だったのである。
著者
鶴田 武志
出版者
名古屋短期大学
雑誌
名古屋短期大学研究紀要 = Bulletin of Nagoya College (ISSN:0286777X)
巻号頁・発行日
no.56, pp.225-243, 2018-03-16

松竹映画「彩り河」(1984)は、霧プロが製作した最後の映画である。前年に公開された「迷走地図」(1983)におて、霧プロの双璧である原作者、松本清張と松竹側の筆頭、野村芳太郎との間に決定的亀裂が起こったこともあり、「彩り河」はその煽りを受けた失敗作とされてきた。しかし、ここには1980年代の松本清張の作風の変化と松竹映画との相性の悪さなど、小説を商業映画にしていくプロセスにおける構造的欠陥が「彩り河」自体で顕在化してきたからに他ならない。本論では、その観点から今までなされてこなかった原作「彩り河」の表現構造分析、映画製作の過程を検証することで、作品がメディアを越境する際に起きる諸相、清張自身の自作映像化への目論見などを炙り出す。
著者
小出 祥子
出版者
名古屋短期大学
雑誌
名古屋短期大学研究紀要 = BULLETIN OF NAGOYA COLLEGE (ISSN:0286777X)
巻号頁・発行日
no.58, pp.1-13, 2020-03-13

万葉集において、助辞ラムとカはよく接続し、助辞ケムとカモもよく接続する。それに対して、助辞ラムとカモ、助辞ケムとカは接続しない。この現象に注目し、ラムカ構文とケムカモ構文の性質の違いについて明らかにした。 ラムカ構文は、情景がそのまま描写される場合が多く、その情景に詠み手の介入しない例がほとんどである。また詠み手の感情が描写されることはなく、情景自体が詠み手の願望と関わることも少ないことが明らかとなった。そして、その情景を淡々と描写することで、感動を表示する構文であることを示した。 それに対して、ケムカモ構文は、ただの情景の描写ではなく、詠み手の感情に働きかけるような事態が言表されている。詠み手が直接関わる事態であることも多い。そして、その事態の引き起こす詠み手の感情を表す構文であることを示した。
著者
鶴田 武志
出版者
名古屋短期大学
雑誌
名古屋短期大学研究紀要 = Bulletin of Nagoya College (ISSN:0286777X)
巻号頁・発行日
no.56, pp.225-243, 2018

松竹映画「彩り河」(1984)は、霧プロが製作した最後の映画である。前年に公開された「迷走地図」(1983)におて、霧プロの双璧である原作者、松本清張と松竹側の筆頭、野村芳太郎との間に決定的亀裂が起こったこともあり、「彩り河」はその煽りを受けた失敗作とされてきた。しかし、ここには1980年代の松本清張の作風の変化と松竹映画との相性の悪さなど、小説を商業映画にしていくプロセスにおける構造的欠陥が「彩り河」自体で顕在化してきたからに他ならない。本論では、その観点から今までなされてこなかった原作「彩り河」の表現構造分析、映画製作の過程を検証することで、作品がメディアを越境する際に起きる諸相、清張自身の自作映像化への目論見などを炙り出す。
著者
倉田 あゆ子
出版者
名古屋短期大学
雑誌
名古屋短期大学研究紀要 = BULLETIN OF NAGOYA COLLEGE (ISSN:0286777X)
巻号頁・発行日
no.55, pp.1-12, 2017-03-31

家族介護者支援が制度化されていない日本において、家族介護者支援に関する公的なサービスを探すと、それは介護保険法における「地域支援事業」の中の任意事業の1つである「家族介護支援」である。本論文では、まず日本における家族介護者の現状と家族介護者支援の必要性についてまとめ、介護保険制度成立以前の家族介護者支援と介護保険制度における家族介護者支援の変遷をたどり、今後の家族介護者支援について考察している。地域支援事業による家族介護者支援は、内容的には介護保険制度成立以前の特別対策からの流れをくみながら、現在の介護保険法における地域支援事業の中の任意事業の1つ「家族介護支援事業」として行われてきており、その実施は現在に至るまで「介護用品の支給」を除けば低率の状態が続いている。そもそも介護保険法は要介護者を主対象とした制度であり、介護者支援の先進国の「介護者法」のように家族介護者を主対象とする法制度が必要であり、家族介護者の生活をトータルで支援するための視点からの制度構築が求められている。
著者
寺田 恭子 藤田 紀昭
出版者
名古屋短期大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2006

本研究は、特に青年期における重度障害者のスポーツ参加に着目し、彼等のスポーツ参加の現状を実態調査から把握、彼らがスポーツに継続参加できる活動方法について検討した。その結果、そのためには人的サポートが最も重要である事が明らかとなった。また、サポート方法と体制としては、重度障害者が地域の中で健常者と共に活動できる場を積極的に増やし教育の場を通して自然な交流が出来るシステムを構築する事が最重要課題となった。
著者
高谷 邦彦
出版者
名古屋短期大学
雑誌
名古屋短期大学研究紀要 = BULLETIN OF NAGOYA COLLEGE (ISSN:0286777X)
巻号頁・発行日
no.57, pp.1-13, 2019-03-16

家庭や職場・学校とは別に、趣味など共通の話題で多様な人々と平等につながる「第三の居場所」(サード・プレイス)の重要性と必要性についてはかねてから認知されてきたが、個人化が進み各種のコミュニティが衰退しつつある現代社会においてサード・プレイスの減少が社会問題化していた。21世紀になってインターネットが普及し、今ではオンラインのSNSがサード・プレイスとして機能する可能性が指摘されている。本論文では代表的なSNSの一つであるTwitterが、現実社会では孤立しがちな子育て主婦にとって気軽に参加できるサード・プレイスとして有効利用されているのではないかというリサーチクエスチョンに基づき、実際に投稿されたツイート内容をエスノグラフィの手法を用いて質的に分析したものである。その結果、匿名で育児中のストレス発散や悩みを吐露し相談する場としてwitterが活用され、オンラインのサード・プレイスとして機能している実態が明らかとなった。
著者
矢澤 久史
出版者
名古屋短期大学
雑誌
名古屋短期大学研究紀要 = BULLETIN OF NAGOYA COLLEGE (ISSN:0286777X)
巻号頁・発行日
no.57, pp.15-25, 2019-03-16

全日本大学選手権に常時出場しているチームの女子スポーツ選手に対し、指導者の教え方がやる気にどのように影響するかを調査した。調査の結果、やる気が高まる教え方は、「うまいプレーに対してほめる」、「自信を持たせてくれる」、「信じてくれる」などであり、指導者からほめられたり、自分自身のことを認められた時に選手はやる気を出すことが分かった。一方、「プレーを全否定される」、「決めつける」、「意見を言っても全否定する」など、指導者が選手に対して否定的であった場合にはやる気得点が低くなることが示された。