著者
矢木 真穂 加藤 晃一
出版者
一般社団法人 日本生物物理学会
雑誌
生物物理 (ISSN:05824052)
巻号頁・発行日
vol.62, no.4, pp.232-234, 2022 (Released:2022-09-25)
参考文献数
9

クマムシは,水分を失うと乾眠と呼ばれる状態に移行して生命活動を一時停止し,極限環境耐性を獲得する.最近の研究により,クマムシの細胞内に豊富に存在するタンパク質が,水分消失に伴って繊維状の集合体を自発的に形成することで,すぐさま脱水状況に対応できる仕組みを兼ね備えていることを見出した.
著者
吉田 将人 大澤 宏祐 高木 基樹 広川 貴次 植草 義徳 加藤 晃一 新家 一男 夏目 徹 土井 隆行
出版者
天然有機化合物討論会
雑誌
天然有機化合物討論会講演要旨集
巻号頁・発行日
no.53, pp.241-245, 2011-09-02

Thielocin B1 (1), isolated from the fermentation broth of Thielavia terricola RF-143 in 1995, consists of five multi-substituted benzene rings, which are connected with a 2,2', 6,6'-biaryl ether and four ester linkages. Recently, it was found that 1 strongly inhibits protein-protein interactions (PPIs) of PAC3 homodimer (IC_<50>= 0.02 μM) without inhibition of other PPIs such as PAC1/PAC2 or TCF/P-catenin. Since we are interested in the mode of action mechanisms of 1, we performed total synthesis of 1, and docking studies by NMR and in silico analyses. The key intermediate 2,2', 6,6'-biaryl ether 4 was synthesized from 7-membered lactone 6, which was prepared by oxidative lactonization of benzophenone 7, followed by chemoselective reduction of the lactone and removal of the resulting alcohol. The side wing 5 was synthesized from aldehyde 8 via formation of 3 and its coupling by esterification. Condensation of biaryl ether 4 and 5 was smoothly performed using trifluoroacetic anhydride to afford 21 in high yield. Formylation of 21 by treatment with dichloromethyl methyl ether and AgOTf, followed by Kraus oxidation provided acid 2. Coupling of the resulting acid 2 with phenol 3 afforded 22 in 70% yield. Finally, removal of the benzyl groups by-hydrogenation furnished thielocin B1 (1), whose spectral data were in good agreement with those of the natural product.
著者
尾城 孝一 杉田 茂樹 阿蘓品 治夫 加藤 晃一 阿蘓品 治夫 アソシナ ハルオ 加藤 晃一 カトウ コウイチ
出版者
社団法人情報科学技術協会
雑誌
情報の科学と技術 (ISSN:09133801)
巻号頁・発行日
vol.54, no.9, pp.475-482, 2004-09-01
被引用文献数
2

近年,海外の大学図書館を中心として学術機関リポジトリと呼ばれる,インターネット上の電子公開書庫の設置が相次いでいる。学術機関リポジトリは,学術コミュニケーションをめぐる危機的な状況と大学からの情報発信強化という2つの問題に対する解決策として注目されている。本稿では,まず学術機関リポジトリの誕生の背景と問題の所在について概観し,その定義および成立要件について述べる。続いて,海外の代表的な事例を紹介し,さらに国内の状況について,千葉大学附属図書館と国立情報学研究所におけるプロジェクトを取り上げる。最後に,学術機関リポジトリの普及に向けた協調的活動の重要性について触れたい。
著者
米田 奈穂 武内 八重子 加藤 晃一
出版者
大学図書館研究編集委員会
雑誌
大学図書館研究 (ISSN:03860507)
巻号頁・発行日
vol.76, pp.74-81, 2006-03
被引用文献数
2

近年国立大学図書館全体としては文献複写依頼件数の減少が見られるが,千葉大学附属図書館亥鼻分館では文献複写依頼件数が減少していない。このような相違の生じる要因を明らかにするために亥鼻分館における2002 年度から2004 年度のILL文献複写依頼データを詳細に分析したところ,看護文献の依頼増加という傾向が明らかになった。亥鼻分館における受付タイトル分析及びNACSIS-ILLでの全国的な依頼タイトル分析でも同様の傾向が見られたことから,その要因について看護分野の文献需要と提供という観点から考察した。
著者
加藤 晃一
出版者
浜松医科大学
雑誌
奨励研究
巻号頁・発行日
2010

○研究目的国立情報学研究所「次世代学術基盤共同構築事業・学術機関リポジトリ構築連携支援事業・平成20-21年度委託事業(領域2)」の「ユーザ・コミュニティ構築による持続可能なシステム改善の枠組みの形成」プロジェクトで構築された、機関リポジトリ・ソフトウェア5種類の利用環境を提供するデモサイト(体験サイト)「UsrCom」の利用による未設置機関への影響、利用教育の効果について検証するものである。○研究方法「UsrCom」を利用した登録演習を行った国立情報学研究所の学術ポータル担当者研修(2回)とDRFワークショップ(2回、内1回は主催)で、主催者の協力の下、参加者アンケートの一部を用いて「UsrCom」の利用調査を実施し、分析を行った。また図書館司書課程の授業において「UsrCom」を用いた演習を行った別府大学や「UsrCom」を管理する千葉大学を訪問調査し、デモサイトに必要な機能等について意見聴取を行った。○研究成果利用調査では、研修後の復習や職場内研修等での「UsrCom」の教育効果を認める回答が多数あり、また未設置機関においては導入前のソフトウェア比較・検証のツールとして有効性を認める回答が多数あった。訪問調査では、平成24年度開始の司書課程の新カリキュラムでメタデータ作成演習が必要になることから、演習における「UsrCom」の活用で単位の実質化が期待でき、教育効果も高いとの意見を得た。本研究により機関リポジトリ未設置機関における「UsrCom」の影響力の大きさと利用教育における高い効果が認められた。