- 著者
-
稲垣 元
- 出版者
- 学校法人 敬心学園 職業教育研究開発センター
- 雑誌
- 敬心・研究ジャーナル (ISSN:24326240)
- 巻号頁・発行日
- vol.3, no.2, pp.77-80, 2019 (Released:2020-01-24)
- 参考文献数
- 6
鍼灸の臨床では適切なツボに施術する必要がある。ツボの位置は指標となる骨突出部などからの距離および方向で定義してあり、単位は尺貫法を使う。鍼灸師養成課程で使用する教科書では1尺=30センチつまり1寸=3センチと定義する。個人差を考慮すると、この換算値で万人のツボを探す(以下、ツボを取ると表現する)のは不可能で、臨床では便宜的に各人の体格に合わせて1寸を調整して用いている。とは言え1寸=3センチは平均的な体格の患者にとってはやや長すぎる印象を受ける。 メートル法では1メートルを1秒の299,792,458分の1の時間(約3億分の1秒)に光が真空中を伝わる距離と基準があるのに対して、尺貫法では歴代、基準が一定していない。本調査において1寸を人体の実測値をもとに調査した結果、1寸=2.0~2.2センチの値になると示唆された。