著者
佐藤 正知
出版者
広島商船高等専門学校
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2020-04-01

瀬戸内海島嶼部や海域では特殊な電波伝搬が生じるために地上デジタル放送の視聴が難しい地域があり、これらの難視聴地域を解消するために瀬戸内海沿岸及び芸予諸島には多くの中継局が設置されているが解決には至っていない。また、近年では地上デジタルテレビ放送の高度化方式である4K・8K放送の地上波放送の技術開発が進められており、その要素技術の中に複数の中継局が協調して送信することで通信容量を向上させる方式が採用されている。本研究では、この中継局協調送信を通信品質の改善の用途に用いることで地上波テレビ放送を視聴可能な地域が拡大できることを示す。
著者
上杉 鉛一
出版者
広島商船高等専門学校
雑誌
広島商船高等専門学校紀要 (ISSN:03879275)
巻号頁・発行日
vol.26, pp.101-108, 2004-03-19

Every student of the Maritime Technology Department gets qualified as a Third Grade Marine Technincal Officer when they graduate. But this qualification is not regarded as sufficient to operate a large ship. Some of the students try State Examination for Marine Technical Officers for Fisrt Grade or Second Grade. But some of those fail. The reason many of them say is that English is too difficult, or that they don't have enough time to make good answers. Examinees can use dictionaries in the examination. Because of this, students cannot understand the necessity to memorize both general words and technical terms. As a result they spend too much time consulting dictionaries. A list of words for the State examination for Second Grade Maritime Officer (Navigation) and (Engineering) would help them very much. One of the list is shown in this article.
著者
水井 真治 笹 健児 日比野 忠史 永井 紀彦 清水 勝義 富田 孝史
出版者
広島商船高等専門学校
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2006

港湾計画においては構造強度や海洋環境など様々な観点から多面的に検討されるが,その中でも最も重要な指標の一つに港内静穏度,特に波浪や風による影響の検討がなされる.瀬戸内海など外洋に面していない海域の港湾の場合,波浪条件が静穏であることから外洋性港湾ほど詳細な安全性の検討がなされているとは言い難い.しかし,著者らは瀬戸内海における港湾において,強潮流時にも船舶が運用困難となる事例から潮流による運用困難な影響も詳細に検討する必要性を示した.当初は潮流による船体運動への影響評価として,静止した船舶が潮流を受けた場合に移動する距離を潮流条件ごとに比較検討した.しかし,実際には船体が桟橋に着桟する局面では舵とプロペラの力を用いて姿勢制御を行う操船方法であり,これらの影響を考慮した船体運動の数値解析法は検討できていない.潮流が卓越する中で運用せざるを得ない港湾の運用限界を定量的に評価するため,舵とプロペラによる操船制御の動作を考慮した船体運動の解析手法へ改良する必要があると考えられる.瀬戸内海の船舶運航者を対象に潮流下での運用の困難度をアンケート調査で把握し,港湾運用の現状を改めて整理した.これをもとに前報で対象とした潮流影響が顕著な離島航路のフェリー港湾まわりの潮流・水質調査を大潮日に数回実施した.さらに潮流中における着桟操船時の船体運動について,舵力,プロペラ推力,ポンツーン衝突時のエネルギー吸収などの影響を再現できる数値計算法の開発を実施し,再現精度を検証するとともに強潮流下における港湾での新たな運用限界の検討方法を提案した.この結果,実際の着桟局面での船体運動を定量的に評価することが可能となり,強潮流が卓越する港湾での運用の困難度を評価する一手法を確立することができた.
著者
井田 徹哉 和泉 充
出版者
広島商船高等専門学校
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2011-04-01

次世代の船舶推進用電動機/発電機に高温超電導バルク磁石を搭載してその性能を飛躍的に向上させるために必要な、バルク磁石へのパルス着磁技術の開発を行った。本研究課題ではバルク磁石の特性に合わせたパルス磁場を発生させることを目標として、30K以下までの温度制御が可能なパルス着磁装置、25kJ出力のパルス着磁電源と表面の磁束密度分布を1ms以内で続けて計測可能な磁場センサを開発し、パルス着磁実験を試みた。
著者
岡山 正人 岡村 修司
出版者
広島商船高等専門学校
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2014-04-01

本研究では、大崎上島の高齢者の外出時に役に立つ様々な情報を提供するためのシステム“しまナビ”を開発した。本システムは、島内で運行されているコミュニティバスにGPSおよび電子掲示板を設置し、停車するバス停付近の施設情報や島内のイベントや身近な情報を提示することで、バスそのものを高齢者のための移動サロンにするとともに、島内のスーパー、病院、役場、フェリー乗り場など主要なバス停にはタッチパネル端末を置くことで、バスに設置した電子掲示板と同様の情報を見ることができ、必要な情報をタッチパネルの操作により取り出すことができるようにするものである。
著者
重岡 洋平
出版者
広島商船高等専門学校
雑誌
奨励研究
巻号頁・発行日
2013-04-01

○研究目的本校の商船学科学生は、本校における4年半の授業や実験実習に加えて、1年間の大型練習船による国内外の航海実習を通して、航海に必要な知識や技術を学んでいる。この航海実習において船舶での輸送航路の重要な要衝となる海峡や運河等を通過し、実際に航海実習で目にすることは学生にとって非常に有用である。しかし、近年は燃料の様々な問題から海外航路の重要な通過点である海峡や運河等は通航しなくなった。そこで本研究では世界中の船舶の航路の中でも重要な役割を担っている運河を模型とし、運河の往来および構造を視覚約に学ぶことができる教材の開発を目的とする。○研究方法運河の模型として、世界三大運河の一つであるパナマ運河を選ぶこととする。パナマ運河は年間1万隻以上の船舶の通航があり、世界的に見ても重要な運河である。また、閘門式と呼ばれる閘室内に船舶を入れ閘門を閉じ内部に水を貯め高低差のある運河をつなぐ構造を持ち、パナマ中央部のガトゥン湖も運河の一部として利用している特殊な運河である。この運河を模型にするにあたり、他の研究や教育にも活用されているLEGO EDUCATIONを用いて製作する。また閘門の門が開閉する構造や水を送るポンプなどの複雑な構造は、パーツの組合せで複雑な動きを可能にするLEGO TECHNICを使用することで再現する。○研究成果閘室とポンプをブロックのみで製作したことで、ブロックを組合せた部分から水が漏れ出てしまい、ポンプは水を送る量が少なくなってしまう。閘室も同様に隙間から水が漏れるため、水位の上昇に時間がかかってしまう。また、ブロックそのものが浮力の強い材料であるため浮力を考慮した構造にする必要が生じる。模型を製作する上で、ブロックを大量に使用するため上にあげた部分への考慮と、模型そのものの構造に配慮する必要がある。本校学生と共同で製作し、学生から改良する点はまだ多いが視覚的に体験できる良い模型になったとの評価を得た。
著者
大和田 寛
出版者
広島商船高等専門学校
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2013-04-01

がん組織を43℃前後に加温して治療を行うハイパーサーミアは,放射線療法や制癌剤との併用療法として有効な治療技術であるが,その加温効果の確認のためには熱電対や光ファイバ温度計を使用する必要がある.そこで筆者らは,リエントラント電極間に形成されるTMモードの電界特性および誘電率の誘電率依存性に注目した非侵襲温度計測法を提案している.本研究では,三次元有限差分時間領域法等を用いた数値解析によって,温度変化分布画像の再構成に必要な解析パラメータに関する検討等を実施した.検討の結果,共振器内電磁界分布の位相情報に替えて振幅情報を利用することによって,再構成画像をより高精度化できる可能性を示した.