著者
朱 紅 岩坪 加紋
出版者
摂南大学
雑誌
経営情報研究 : 摂南大学経営情報学部論集 (ISSN:13402617)
巻号頁・発行日
vol.18, no.1, pp.35-45, 2010-11

現在、地域経済・社会にとって不可欠な存在としてNPO 法人の重要性が益々増大している。一方、NPO 法人も営利企業と同様にその設立や運営に資金が必要であるが、法人の特殊性や経済環境に起因する要因により資金調達環境は極めて厳しい。本研究では、NPO 法人の先行研究の調査・研究結果による現状認識とともに、資金調達難の原因を分析し、昨今注目されつつある中間支援組織の役割について論じた。その結果、課題は残るものの中間支援組織はNPO 法人の資金調達の問題を緩和しうる有効な組織と結論付けられる。
著者
池内 淳子
出版者
摂南大学
雑誌
若手研究(A)
巻号頁・発行日
2010

阪神・淡路大震災以降,災害医療への対策が整備され,昨今の地震災害時でも効果を発揮している.しかしこれらの地震災害は中山間地域で発生しており,都市部においても効果が発揮されるかを検証する事は難しい.そこで本研究では,阪神・淡路大震災の資料から「傷病者搬送状況」を抽出して人的被害想定とし,現在の阪神地域における災害拠点病院の「病院防災力」に対する机上シミュレーションを実施した.分析した「傷病者搬送状況」や「病院防災力」の情報は電子地図を用いて整理し,病院防災力については,すでに構築した病院防災力診断指標と国際評価指標とを比較した.
著者
瀬戸 宏 飯塚 容 田村 容子
出版者
摂南大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2007

1.文明戯は辛亥革命前後に上海を中心に栄えた演劇である。1913年から15年にかけて上海の新聞『申報』に掲載された文明戯の劇評等100編を整理し、瀬戸宏の個人サイト上で公表した。2.文明戯の研究をおこなった。研究内容は、文明戯と映画の関係、文明戯と伝統演劇の関係、文明戯と中華人民共和国建国後の通俗話劇との関係、文明戯が描いた朝鮮の形象、文明戯の重要演目であるシェイクスピア作品の受容史などである。
著者
瀬戸 宏
出版者
摂南大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
1999

中国演劇のリアリズムと話劇は密接に結びついている。リアリズムを主な内容とする演劇は、日本では近代劇とも呼ばれる。このため、本研究では、まずリアリズムの演劇、話劇、近代劇の相互関係を研究した。『話劇と近代劇』(西洋比較演劇研究会会報二十三号)にその研究成果が詳述されている。続いて、中国演劇のリアリズム概念を作品に即して具体的に考察するため、中国におけるリアリズムの演劇の代表作とされる曹禺『雷雨』を分析してその近代性を明らかにし、中華人民共和国建国後の上演とテキスト出版において『雷雨』の近代性が変質せざるを得なかったことを具体的に分析した。この面での研究成果は、『曹禺「雷雨」の近代性』(『野草』63号)、『曹禺作品上演史からみた中華人民共和国50年-曹禺「雷雨」を中心に』(『現代中国』74号)で詳述した。また、演劇のリアリズムを中国だけでなく世界演劇全体の中で考察するため、『演劇学論集-日本演劇学会紀要』三十八号「演劇のリアリズム」特集編集責任者となり、共同討議「演劇のリアリズムとは何か」を主宰し冒頭発言と討議の結語を担当・執筆した。研究の過程で「曹禺作品上演史からみた中華人民共和国50年」(日本現代中国学会第四九回学術大会)、「試論《雷雨》的家庭性質」(曹禺誕生九十周年記念学術研討会)の題目で口頭発表をおこなった。さらに、中国演劇におけるリアリズム概念の成立過程をより厳密に考察するため、中国現代演劇運動が主に展開された上海・北京の五四運動時期新聞記事・上演広告を調査した。調査結果は、平成十三年度中に論文・資料研究として公表する予定である。全体として、研究課題についてかなり大きな成果をあげることができたと考えているが、残された問題も多く、今後も研究を継続していく。
著者
荻田 喜代一 米田 幸雄
出版者
摂南大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2002

ddY系雄性マウスにKA(30mg/kg)を複腔内投与し、一定時間経過後に海馬および大脳皮質から細胞核抽出液およびミトコンドリア抽出液を調製した。ゲル移動度シフト法によりそれぞれのAP-1DNA結合能を解析したところ、KA投与はいずれの部位でも細胞核抽出液およびミトコンドリア抽出液中のAP-1DNA結合を著しく増強させることが判明した。AP-1DNA結合能はKA投与後1時間で有意に増強し、その増強は3日後まで持続した。また、スーパーシフト法およびウエスタンブロット法により、本結合増強に関与するAP-1結合蛋白質はc-FosおよびFos-Bであることが判明した。さらに、KA投与動物で発現したc-Fos蛋白は細胞核内ばかりでなくミトコンドリアのマトリクス内にも存在することが免疫電子顕微鏡法により明らかとなった。次に、ミトコンドリアDNA(mtDNA)へのAP-1の結合について解析を進めた。mtDNAの転写調節部位と考えられる非翻訳領域についてAP-1認識配列を検索したところ、10箇所にAP-1類似配列(MT-1〜MT-9と命名)が見出された。これらの類似配列の中で、MT-9がAP-1結合に対して最も著明な拮抗作用を示した。また、放射性MT-9プローブを用いたゲル移動度シフト法は、KA投与動物から得られたミトコンドリア抽出液中にMT-9結合蛋白質が存在すること、およびそのMT-9結合蛋白質がAP-1構成蛋白質であるc-Fos、Fos-B、c-Jun、Jun-BおよびJun-Dにより構成されることを示した。さらに、ゲノム免疫沈降法によりc-Fos蛋白質がmtDNAに結合することも確認された。以上の結果より、カイニン酸シグナルにより発現した転写因子AP-1は細胞核のみならずミトコンドリア内にも移行し、mtDNAの転写調節領域に結合することが明らかとなった。これらの事実は、グルタミン酸シグナルがmtDNAの転写に影響を与えることによりミトコンドリア機能変化を起こす可能性を推察されるものである。
著者
後藤 一章
出版者
摂南大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2010

本研究課題では,日英パラレルコーパスを利用し,英語の頻出表現とその日本語訳が付与されたリスト,及び日本語の頻出表現とその英語訳が付与されたリストをそれぞれ作成した。自然言語処理分野の手法を援用し,コーパスにおける日本語表現の出現分布と英語表現の出現分布の比較から,対訳関係にある日英・英日表現を抽出した。得られた対訳表現リストは,日本人英語学習者が自然な英文を作成する際の有用な手がかりとなることが期待される。