著者
久保木 健夫
出版者
敬愛大学・千葉敬愛短期大学
雑誌
千葉敬愛短期大学紀要 (ISSN:03894584)
巻号頁・発行日
no.29, pp.23-47, 2007-03

本論は,「絵本」と「美術」というテーマから継続的に行ってきた研究の一環である。絵本について,絵本画家を中心にして,美術や美術教育の意義について考えるところに本研究の目的がある。赤羽末吉は,戦後の日本を代表する絵本画家であるが,最初の絵本作品を発表したのは,1961(昭和36)年,51歳の時と比較的遅い出発である。それは,赤羽が生きた時代が,第二次世界大戦という過酷な時代であったことに拠っている。本論は,この絵本画家以前の赤羽の半生を辿りながら,赤羽の芸術観や,絵本に託した想いについて考えていく。
著者
佐久間 由夛
出版者
敬愛大学・千葉敬愛短期大学
雑誌
千葉敬愛短期大学紀要 (ISSN:03894584)
巻号頁・発行日
vol.23, pp.35-51, 2001-02

厳しい自然環境と産業主義による環境破壊に故郷の山間の土地を追われた人々を待っていた非人間化した工場生活。そんな中で、天衣無縫なkitが奢侈な生活に溺れていくある種の必然性。そして参入した、禁酒時代の密造酒組織の持つ貧欲、奸計、残忍さ。やがて組織の冷酷さ、や諸悪への憤りを禁じ得なくなる。同時に人生への疑問を抱く。激しい孤独感や疎外感に苦悩しながらも、kitが人生への新たな可能性を確信するまでの足跡を辿る。
著者
松原 真沙子
出版者
敬愛大学・千葉敬愛短期大学
雑誌
千葉敬愛短期大学紀要 (ISSN:03894584)
巻号頁・発行日
vol.30, pp.1-18, 2008-03

50年に及ぶ日本による植民地統治を経験した台湾が,小学校の社会科で日本統治時代をどのように教えているか。また台湾が民主化された現在,日本が去った後に大陸から移ってきた蒋介石の国民党政府による統治をどのように統括し,教えているか。本論文はこの二点を第一の目的とするが,台湾では5年生から始まる社会科の内容を日本の社会科と比較することも試みたい。
著者
和田 良子
出版者
敬愛大学・千葉敬愛短期大学
雑誌
敬愛大学研究論集 (ISSN:09149384)
巻号頁・発行日
vol.67, pp.265-283, 2005

本稿は,Epstein and Zin(1989)による異時点間の効用関数おける,代替性のパラメターとリスク態度のパラメターの範囲を実験によって明らかにしようとする試みである。Epstein and Zin(1989)のモデルでは,期待効用理論では分離されていなかった,異時点間の代替性とリスクパラメターが分離されている。本稿では実験によって,時間選好率,異時点間の代替性とリスク態度それぞれの範囲を計ることを目的とする。第1章では,異時点間の効用理論をめぐる歴史的な背景と実験経済学との関係をごく簡単に述べる。第2章では,Epstein and Zin(1989)の理論を紹介する。第2章第1節では,彼らが導入したα-平均という概念に基づくリスク測度μとそのパラメターαを,具体的な数値例によって紹介する。第2章第2節では,異時点間の効用関数における代替性のパラメターρについて,具体的な数値例をもって理解し,時間選好率との違いについても触れる。第3節では,リスク態度αと代替性ρの相関関係,および期待効用理論の意味について述べる。第3章では日本の資産選択の現状について分析する。第4章では実験によるパラメター測定の方法について説明する。第5章で実験の主な結果をまとめ,第6章で結論を述べる。そこでは,簡単な装置の実験においても,時間選好率,意時点間の代替性,リスク態度が異なるものとして観察されることが述べられる。
著者
堀田 和弘
出版者
敬愛大学・千葉敬愛短期大学
雑誌
千葉敬愛短期大学紀要 (ISSN:03894584)
巻号頁・発行日
vol.24, pp.1-9, 2002-02

下総台地に数多く存在する湧水は、印旛沼の貴重な水源であり、また、沼や河川の水質浄化に大切な水源であると共に、動植物にとっても、その生命体を維持するために欠くことの出来ない資源である。特に動物の生命維持にとって大切な湧水と湧水周辺部に、どのような種が飛来・生息しているかを調査した。その結果、各調査地点において、飛来・生息する動物種に相違があることが確認され、また、湧水に棲息する水生動物は、その存続を湧水に依存しているものが多く(特にサワガニとホトケドジョウ)、その棲息密度は、湧水地点および湧水周辺部に近いほど高い。
著者
岡本 茂
出版者
敬愛大学・千葉敬愛短期大学
雑誌
千葉敬愛短期大学紀要 (ISSN:03894584)
巻号頁・発行日
vol.21, pp.53-58, 1999-02

This paper is devoted to generalization of narcissistic number. Let n be a natural number and n = ΣlO^iq_i be the decimal representation, and p>1 be a natural number. Then, n is called a generalized narcissistic number for p if Σq^p_i = n, and p is called as index of narcissistic number. We prove the following theorems : Theorem 1. Narcissistic numbers with index 3 are 1,153,370,371 and 407. Theorem 2. Number of generalized narcissistic numbers with index p are finite. In the proof of Theorem 2,we have the following inequality : (n-log (n+1))/log 9 <n , which concerns an upper bound of index p.
著者
岡本 茂
出版者
敬愛大学・千葉敬愛短期大学
雑誌
千葉敬愛短期大学紀要 (ISSN:03894584)
巻号頁・発行日
vol.22, pp.17-20, 2000-02
著者
茂木 喬
出版者
敬愛大学・千葉敬愛短期大学
雑誌
千葉敬愛短期大学紀要 (ISSN:03894584)
巻号頁・発行日
no.27, pp.1-13, 2005-03

我々の命が一回限りで、はかないものだからこそ、頂いた命への感謝の念も強まる。感謝の心と共に立ち上がるのが自立の心である。自分の命を自分の責任でしっかりと生きるのは当然のことである。自分の命が大切となれば、他人の命も同様であることは容易に想像がつく。そこで思いやりの心が大切になる。その際に、問題の解決ということが、かかわる。解決できる問題とできないものとに、賢明に対処する必要がある。道徳教育が重要とされるのは、道徳的に生きることが社会的に意味を認められる場合である。また問題解決学習についても解決を諦めなくてはならない問題もあり得るので、道徳教育も、問題解決も、現実を重んじた適切な問題の解決が目指されるべきである。