著者
西川 豪 野々木 宏 森 典子 松尾 陽子 清水 史郎 小田 敏子 土井 修 神原 啓文
出版者
日本循環制御医学会
雑誌
循環制御 (ISSN:03891844)
巻号頁・発行日
vol.33, no.2, pp.88-95, 2012

ワイヤレス12誘導心電図伝送「富士山(ふじやま)」を開発し,プレホスピタルから専門病院への伝送の有用性を検討するため実証実験を行った.<BR>方法:小型心電計からBluetooth方式でスマートフォンへ心電図データを送信,画像ファイルを伝送するシステムを用い心電図を走行車両から伝送,さらに各種施設から病院専門医へ伝送し,伝送前後の比較を行った.<BR>結果:伝送前後の心電図は変化なく,伝送時間も7~95秒(中央値23秒)で遅延はなかった.院外伝送24例では家電からのノイズ1例以外は質の高い伝送が得られた.ワイヤレス12誘導心電図は小型,軽量で様々な医療現場での活用が期待される.
著者
杉山 静征 野田 裕司 山口 真由 土井 修市 吉村 昌雄 池田 義照
出版者
近畿大学
雑誌
近畿大学医学雑誌 (ISSN:03858367)
巻号頁・発行日
vol.5, no.3, pp.233-237, 1980-09-25

A medicolegal autopsy report is made of a 30-year-old man who suddenly died from a spontaneous heart perforation after collision with radio lose control airplane on the chest. The perforation was located on the right ventricle, but the heart sac was intact. The cause of this death was diagnosed as so-called "cardiac tamponade".
著者
小林 好紀 川井 安生 山内 秀文 土井 修一 則元 京 佐々木 光 OHTA Shosuke ITO Ryosuke 三浦 泉
出版者
秋田県立大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
1997

木材乾燥の前処理として古くから行われている水中貯木処理が、乾燥性や水分透過性の改善に寄与する理由を科学的に解明し、難乾燥材とされるスギ材の実用的な乾燥前処理技術として利用するために、6年間に及ぶ長期間の研究を行った。得られた結果は以下の通りである。(1)水中微生物の木材への活性水中貯木過程において、3ヶ月ごとに貯木池より回収したスギ素材丸太内における水中微生物の消長を追跡観察した。その結果、水中および散水貯木の開始とともに、まず辺材含水率が増加し、続いて移行材のそれが増加し、18ヶ月後には心材含水率が約150%近くまで増加し、水中微生物を含んだ貯木池の水分が丸太内部まで浸透したことを意味している。(2)貯木処理開始とともに辺材への水中微生物の侵入が観察された。移行材への浸入は貯木処理開始後2週間で観察され、辺材および移行材へ水中微生物が容易に浸入することが明らかになった。しかし、心材への浸入にはばらつきが見られた。水中貯木期間の長期化に伴って、すなわち、水中微生物の素材丸太中への浸入に伴って、参謀内のデンプン粒の減少、有縁壁孔の崩壊など木材組織に変化が生じた。(3)水中あるいは散水貯木処理期間に比例して、遠心分離機による脱水性の向上が見られた。とくに辺材と心材におけるそれの増加が大きく、含水率増加、組織構造の変化と関連があることが推測された。しかし、繊維方向あるいは放射方向のいずれにおいても吸液量の大きな増加は見られなかった。(4)長期間にわたって水中貯木されたスギ丸太内から7種類の水中微生物が観察され、それらが細胞内容物の消滅あるいは有縁壁孔壁の崩壊に関与している様子が確認された。水中微生物をスギ材にアタックさせると乾燥性が改善されることが明らかになった。とくに3年以上の貯木処理によって乾燥速度が著しく増加した。水中貯木期間の増加に比例して乾燥速度が増加した。とくに、48ヶ月以上の処理によって乾燥日数は約1/2に短縮された。(5)乾燥期間が長くなることによって、材色の変化が観察された。明度が向上するが赤みが減少し、また、黄味が増加した。したがって、長期間の貯木処理はスギ特有の心材色を失うことになる。しかし、長期間の水中貯木処理による強度の低下はほとんど観察されなかった・
著者
姫野 泰雄 稲垣 雅男 後藤 剛 阿波 純二 土井 修 松永 和夫 藤野 俊夫 光藤 和明 福田 博司
出版者
公益財団法人 日本心臓財団
雑誌
心臓 (ISSN:05864488)
巻号頁・発行日
vol.17, no.4, pp.408-415, 1985-04-15 (Released:2013-05-24)
参考文献数
20

左冠動脈主幹部に完全閉塞をきたした急性心筋梗塞は非常に重篤であり,発症早期の診断と適切な治療が必須である.われわれが急性心筋梗塞発症早期に冠動脈造影を施行した72症例中,5例に左主幹部完全閉塞を認め,それらの心電図所見に共通した特徴ある所見を認めたため,臨床症状,経過をも含め報告する.いずれもショック状態を呈する著明な心機能の低下をきたし来院したが,心電図上は,I,aVLのST上昇を認めるのみで広範な心筋梗塞を疑わせる所見を欠いていた.全例にintraaortic balloon counterpulsation(IABP)を施行し,5例中4例にpercutaneous transluminal coronary recanalization(PTCR)を,1例にpercutaneous transluminal coronary angioplasty(PTCA)を,そして3例に緊急A-Cバイパス術(coronary arterybypass graft(CABG)を施行したが,4例は心原性ショックなどで死亡した.また,陳旧性心筋梗塞の冠動脈造影では左冠動脈主幹部を責任冠動脈とする例は1例も見られなかった.このように重篤な左主幹部閉塞による急性心筋梗塞に対し早期診断は非常に重要である. 心電図上I, aVLのみのST上昇が高度に認められ,胸部誘導のST上昇があまり高度でなく,特に心機能の低下している場合は左冠動脈主幹部閉塞による急性心筋梗塞を疑い,直ちに積極的な治療が必要と考えられた.
著者
土井 修一 山崎 貴司 安岡 茂和 甲斐 拓也 梶原 剛史 夘野木 昇平
出版者
公益財団法人 高輝度光科学研究センター
雑誌
SPring-8/SACLA利用研究成果集
巻号頁・発行日
vol.9, no.1, pp.96-98, 2021

正極活物質に大気中の酸素を用いる次世代二次電池「水素/空気二次電池」において、ガス拡散電極(空気極)は、酸素を還元・発生させる役割を担うため、水素/空気二次電池の特性に大きな影響を与える。本研究では、放射光を利用した高分解能X線CTを用いて、Bi<sub>2</sub>Ru<sub>2</sub>O<sub>7</sub> 触媒、Ni 粉末及びポリテトラフルオロエチレン (PTFE) で構成される空気極の内部構造の調査を目的として、非破壊観察を試みた。また、実際にX線CT像を取得しながら観察用の試料作製方法を検討した結果、試料をキャピラリーに充填する方法が良いことが分かった。測定の結果、空気極内部に触媒粒子の凝集物や大きな空隙が存在しており、空気極の課題を抽出することができた。
著者
土井 修一 安岡 茂和 石田 潤 甲斐 拓也 梶原 剛史 夘野木 昇平
出版者
公益財団法人 高輝度光科学研究センター
雑誌
SPring-8/SACLA利用研究成果集
巻号頁・発行日
vol.9, no.1, pp.83-87, 2021

ニッケル水素電池の負極として用いられる RE–Mg–Ni–Al (RE: 希土類元素)系の水素吸蔵合金について、電池反応と固気反応における結晶構造の変化を放射光粉末X線回折により調べた。民生用のニッケル水素電池として使用実績のある合金を用いた測定の結果、主相 A<sub>2</sub>B<sub>7</sub>(2H) 相の回折ピークに関し、電池の寿命末期に近い 600 サイクル充放電を行った試料と 80℃ での水素ガスによる固気反応5サイクルの試料を比較すると、処理前の合金からのピーク位置の変化量はほぼ同じであったが、ピーク形状が異なることが明らかとなった。電池反応と固気反応では、格子歪みや結晶子サイズの観点で、水素吸蔵・放出の結晶構造への影響が異なると推測される。
著者
梶原 剛史 夘野木 昇平 甲斐 拓也 土井 修一 安岡 茂和
出版者
公益財団法人 高輝度光科学研究センター
雑誌
SPring-8/SACLA利用研究成果集
巻号頁・発行日
vol.5, no.2, pp.270-274, 2017

正極活物質に大気中の酸素を用いる次世代二次電池「水素/空気二次電池」の開発に向け、放射光粉末X線回折を用いて、酸素還元・発生の二元活性を持つBi<sub>2</sub>Ru<sub>2</sub>O<sub>7</sub>パイロクロア型酸化物触媒の結晶構造を調査した。触媒試料は、共沈法により調製した前駆体を焼成することで作製するが、共沈時に分散剤を加えた試料は結晶子サイズが小さく副生成物が減少したが、電池評価では放電電圧が低下した。