著者
松井 俊浩
出版者
日本ソフトウェア科学会
雑誌
コンピュータ ソフトウェア (ISSN:02896540)
巻号頁・発行日
vol.23, no.2, pp.2_62-2_71, 2006 (Released:2006-06-30)

3次元の幾何モデルを記述し,その上でロボットの環境認識機能や知的行動計画プログラムを記述するための言語,EusLispの概念と実装について論ずる.ロボットの知的機能の実現にはオブジェクト指向が最適であるとの考えに立ち,言語の基本機能としてオブジェクト指向を実装し,その上にCommon Lispと同様な関数プログラミング機能を実現する.オブジェクト指向とLispの関数を融合するために,階層的なクラス継承木の中で定数時間で型判別を行える仕組みを導入している.不定長のオブジェクト管理のメモリ効率を向上させるため,フィボナッチバディによるメモリ管理を行う.非同期,並列プログラミングのために導入したマルチスレッド機能とスレッドごとに分割したメモリ管理機構の評価を行う.これらによって効率よく実現された幾何モデラーと,ロボット向きのEusLispの応用を2例示す.
著者
勝野 恭治 相原 達 水谷 晶彦 玉川 憲 Yasuharu Katsuno Toru Aihara Akihiko Mizutani Ken Tamagawa 日本アイ・ビー・エム株式会社 東京基礎研究所 日本アイ・ビー・エム株式会社 東京基礎研究所 日本アイ・ビー・エム株式会社 東京基礎研究所 日本アイ・ビー・エム株式会社 東京基礎研究所 IBM Research Tokyo Research Laboratory IBM Research Tokyo Research Laboratory IBM Research Tokyo Research Laboratory IBM Research Tokyo Research Laboratory
出版者
日本ソフトウェア科学会
雑誌
コンピュータソフトウェア = Computer software (ISSN:02896540)
巻号頁・発行日
vol.20, no.5, pp.492-496, 2003-09-25
参考文献数
7

本論文では,様々な携帯デバイスに搭載されている短距離無線通信技術, Bluetoothを用いた距離検出方法を提案する.無線通信として搭載されているBluetoothでデバイス間の距離を検出できれば,デバイスの位置が相対距離で検出できる.そのため,位置情報を利用したサービスをBluetooth搭載デバイスに提供することが可能となる.さらに本方法を用いたアプリケーション例として, Bluetooth搭載腕時計型コンピュータ, WatchpPad 1.5を身につけたユーザーとの相対距離に応じて提供するコンテンツを変えるインフォメーションキオスクシステムを試作し,本方法の有効性を確かめる.
著者
坂本 大介 小野 哲雄
出版者
日本ソフトウェア科学会
雑誌
コンピュータ ソフトウェア (ISSN:02896540)
巻号頁・発行日
vol.23, no.2, pp.2_101-2_107, 2006 (Released:2006-06-30)

本稿では環境に埋め込まれた対話可能な絵画を生成するソフトウェアについて述べる.本ソフトウェアが生成する絵は環境センサの情報をもとに常に変化する.また,絵に直接触ることで絵に対して変化を与えることができる.これらの絵はモチーフというプラグインで管理され,ユーザの意思で変更することが可能である.本ソフトウェアが出力する絵はコンピュータ上のディスプレイではなく,コンピュータという存在を消したディスプレイから出力することを想定している.これにより我々が生活している空間に含まれる情報を,生活の一部として絵画を飾ることと同じように「情報を飾る」という概念を提案する.また,本稿では空間を一枚の絵画が支配し表現する,環境に埋め込まれたソフトウェアの可能性について考察する.
著者
渋沢 潮 林 貴宏 尾内 理紀夫
出版者
日本ソフトウェア科学会
雑誌
コンピュータ ソフトウェア (ISSN:02896540)
巻号頁・発行日
vol.24, no.3, pp.3_20-3_28, 2007 (Released:2007-09-30)

質問応答技術の分野において,Who,When,Where,What型の質問に対する回答をWebから自動抽出する研究はさかんに行われている.しかし,Why,How型の質問を対象にした研究や実用的なシステムはほとんどない.Why型の質問の回答は,単語ではなく文であることが多いため,その抽出に従来の手法を適用することは難しい.そこで本論文では,Why型質問を表す文と,その回答を表す文の,文章内における位置関係に着目し,Why型質問の回答をWebページから自動抽出する手法を提案し,試作システムRE:Whyを実装した.本システムにおいて20問の質問を用い,精度と再現率を求める実験を行った.実験結果に基づき,従来の検索エンジンに対する本システムの有効性を考察した.