著者
村田 真
出版者
国立研究開発法人 科学技術振興機構
雑誌
情報管理 (ISSN:00217298)
巻号頁・発行日
vol.55, no.1, pp.13-20, 2012 (Released:2012-04-01)
参考文献数
6
被引用文献数
5 1

EPUB3は,HTMLとCSSなどのWeb技術に基づいた電子書籍フォーマットである。EPUB3は国際化されており,その1つとして日本語組版を扱うことができる。縦書き等の機能は,まずW3CにおいてCSS Writing ModesとCSS Textを作成し,次にIDPFにおいてこれらをもとにEPUB3を作成することによって導入された。この標準化経験に基づいて,国際的標準化において日本が陥りやすい落とし穴を指摘し,成功するアプローチを示唆する。
著者
澤島 佑規 矢部 広樹 野村 宜靖 足立 浩孝 村田 真也 田中 善大
出版者
一般社団法人日本理学療法学会連合
雑誌
理学療法学 (ISSN:02893770)
巻号頁・発行日
vol.45, no.4, pp.218-226, 2018 (Released:2018-08-20)
参考文献数
37
被引用文献数
3

【目的】急性期の脳領域の損傷度から回復期リハビリテーション病棟(回復期病棟)退院時の歩行自立度が予測可能か検討することを目的とした。【方法】対象は被殻出血患者115 例とし,退院時のFIM の歩行点数から自立群および非自立群,介助群,不可群に分類した。急性期のCT にて,側脳室レベルの6 領域,松果体レベルの14 領域の計20 領域の全体面積と出血面積を測定し,損傷度(出血面積/ 全体面積× 100)を%値にて算出した。20 領域の損傷度に加えて出血量,脳室穿破の有無を測定し,ロジスティック回帰分析およびROC 解析にて歩行の自立/非自立,介助/不可を判別するカットオフ値を算出した。【結果】歩行自立/非自立は内包後脚中部の損傷度(60.4%)と出血量(27.4 ml),歩行介助/不可は内包後脚前部の損傷度(16.8%)が有意に抽出された。【結論】内包後脚前部と中部の損傷度,出血量から歩行自立度の予測が可能であると示唆された。
著者
笈川 大介 高尾 洋輔 村田 真一郎 竹内 弥 下山 啓吾 関根 嘉香
出版者
一般社団法人 室内環境学会
雑誌
室内環境 (ISSN:18820395)
巻号頁・発行日
vol.14, no.2, pp.113-121, 2011 (Released:2012-02-24)
参考文献数
15
被引用文献数
3

東日本大震災により多くの住民が避難生活を余儀なくされている。避難者の生活を一時的に安定させるため,約72,000戸の応急仮設住宅(以下,仮設住宅)が宮城県,福島県,岩手県などに建設されている。一方,国外の災害において,仮設住宅に避難した住民が高濃度ホルムアルデヒド曝露により健康被害を受けた事例がある。宮城県では国土交通省の指示に基づき,仮設住宅の供給メーカーに対して1発注につき1戸(50~60戸に1戸)の割合で住宅性能表示制度に定める特定測定物質5物質(ホルムアルデヒド,トルエン,キシレン,エチルベンゼンおよびスチレン)の室内濃度測定を課し,仮設住宅の空気性能の管理に務めている。しかしながら法定5物質以外の物質が室内空気を汚染する可能性があり,詳細な化学物質調査が必要である。そこで筆者らは,宮城県の協力のもと,2011年6月20日に宮城県内1地区の仮設住宅5戸,6地点を対象に室内空気中化学物質濃度の現地調査を行った。対象物質はアルデヒド・ケトン類3物質,揮発性有機化合物43種類およびTVOC(Total Volatile Organic Compounds)濃度とした。その結果,法定5物質を含む室内濃度指針値の設定されている物質は,測定点全てにおいて指針値以下の濃度レベルであった。しかしTVOC濃度は1700~3000μg/m3で暫定目標値の4倍~7.5倍であり,指針値の設定されていない化学物質の寄与が高かった。
著者
山田 一郎 鳥澤健太郎 風間 淳一 黒田 航 村田 真樹 ステインデ・サーガ フランシス ボンド 隅田 飛鳥 橋本 力
出版者
情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.52, no.12, pp.3435-3447, 2011-12-15

質問応答などの自然言語処理アプリケーションが実用レベルに至るには,計算機で扱うことのできる,世界についての膨大な知識を構築する必要がある.本論文では,そのような知識の筆頭といえる,「サッカー選手/長友佑都」などの語句間の上位下位関係を自動獲得する手法を提案する.提案手法は,Wikipediaから獲得した上位下位関係と,Webテキストから獲得した語句間類似度情報を併用することで,網羅的かつ高精度に上位下位関係を獲得する.評価実験では,提案手法の適合率が,複数のベースライン手法の適合率に比べて,スコア上位10,000ペアでは0.155から0.650の差で,スコア上位100,000ペアでは0.190から0.500の差で上回ることを確認した.また,提案手法の獲得結果の中には,広く用いられている語彙統語パターンによる手法では獲得できない上位下位関係が多く含まれていることを確認した.In order to make natural language processing (NLP) applications such as question answering accurate enough for practical use, it is essential to build a large-scale, computer-tractable semantic knowledge base. In this paper, we target hyponymy relation like "football player/Yuto Nagatomo," which is one of the most important semantic relations for NLP. We propose a new method of large scale hyponymy relation acquisition from Web texts that combines a hyponymy relation database constructed from Wikipedia and the distributional similarity between words calculated from Web texts. Experimental results showed that, in terms of precision, our method outperformed nontrivial baseline methods by 0.155 to 0.650 for the top 10,000 pairs and by 0.190 to 0.500 for the top 100,000 pairs. Furthermore, we confirmed that our method could acquire hyponymy relation pairs that widely-used lexico-syntactic pattern based approaches could not.
著者
村田 真一
出版者
佛教大学歴史学部
雑誌
歴史学部論集 (ISSN:21854203)
巻号頁・発行日
no.11, pp.107-122, 2021-03-01

「応令大神宇佐二氏任八幡大菩薩宮司事」と題される弘仁十二年の太政官符(「弘仁官符」)に引載された「大神清麿等解状」には、八幡神は「太上天皇の御霊なり」とあり、飯沼賢司はこれを聖武天皇のことだと指摘した。「弘仁官符」が八幡聖武同体説を示すのだとすれば、古代八幡信仰について八幡応神同体説を前提としない分析が求められる。この観点から以下のことを論じた、『続日本紀』の八幡神の出現と活躍は聖武天皇が皇神化を企図したものであり、また、それは百官諸氏が参集した八幡神の東大寺礼拝という儀礼において国家的神話として承認される。そして、このような聖武天皇と八幡神の特異な関係を前提に「弘仁官符」の八幡聖武同体説があらわれるのである。さらに「弘仁官符」は、八幡聖武同体説を基幹とした、大神氏による宇佐宮祭祀の必要性を訴える神話について、大宰府、太政官という官僚官人組織の経路において国家的に承認するものであった。八幡神聖武天皇応神天皇続日本紀弘仁官符
著者
村田 真樹 内元 清貴 馬 青 井佐原 均
出版者
一般社団法人 言語処理学会
雑誌
自然言語処理 = Journal of natural language processing (ISSN:13407619)
巻号頁・発行日
vol.6, no.7, pp.61-71, 1999-10-10
参考文献数
10
被引用文献数
6

George A. Millerは人間の短期記憶の容量は7±2程度のスロットしかないことを提唱している. 本研究では, 京大コーパスを用いて日本語文の各部分において係り先が未決定な文節の個数を数えあげ, その個数がおおよそ7±2の上限9程度でおさえられていたことを報告した. また, 英語文でも同様な調査を行ないNP程度のものをまとめて認識すると仮定した場合7±2の上限9程度でおさえられていたことを確認した. これらのことは, 文理解における情報の認知単位として日本語で文節, 英語ではNP程度のものを仮定すると, Millerの7±2の理論と, 言語解析・生成において短期記憶するものは7±2程度ですむというYngveの主張を整合性よく説明できることを意味する.
著者
村田 真弓 工藤 歩 高木 博史
出版者
沖縄大学地域研究所
雑誌
地域研究 (ISSN:18812082)
巻号頁・発行日
no.7, pp.115-131, 2010-03

2007年末の「社会福祉士及び介護福祉士法」の制定以来初めての改正にともない大幅なカリキュラムの改正が行われた。特に社会福祉士国家試験受験資格を取得するための前提となる相談援助実習においては、実習指導を担当する「相談援助実習指導者」及び養成校の教員に対して要件が課されることとなった。とくに、現場の相談援助実習指導者については社会福祉士の取得資格、相談援助の実務経験3年以上、さらに相談援助実習指導者講習会の受講が義務付けられるなど厳しい要件が課せられることとなった。本調査研究は、こうした社会福祉士養成に関わる現場が2012年度の完全施行を前に現状と今後の把握を行うために沖縄大学の2007年度以降の実習先にアンケートを行った。その結果、8割を超える回収率を得ることができ、現場のこの問題に対する関心の高さと人材確保に対する不安、さらには社会福祉士養成校と現場の連携の在り方を検討する上で重要な示唆を得ることができた。
著者
土田 正明 デ・サーガステイン 鳥澤健太郎 村田 真樹 風間 淳一 黒田 航 大和田 勇人
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.52, no.4, pp.1761-1776, 2011-04-15

情報爆発の時代に入り,大規模コーパスと計算機パワーの増大を背景に,構文的パターンに基づいて「因果関係」などの単語間の意味的関係の知識を獲得する研究が進められている.しかしながら,それらの研究は,文書中に直接的かつ明示的に書かれた知識を獲得するにとどまり,人間であれば解釈可能な間接的記述から獲得することや,文書に書かれていない知識を過去に蓄積された知識からの推論によって大規模に獲得することは行われていない.このような知識の獲得は,より大量の関係を獲得するためだけではなく,人類のイノベーションの加速にとっても重要である.本稿では,既存の構文的パターンに基づく方法で獲得された単語の意味的関係のデータベース,すなわち,特定の意味的関係を持つ単語対の集合を,類推によって大規模に拡張する方法を提案する.提案法は,入力された単語対の中の語を,ウェブから自動獲得した類似語に置換して大量の仮説を生成し,さらに単語間の類似度に基づいて仮説をランキングする.提案法は,従来法では困難な間接的記述からの意味的関係獲得を可能にして,さらには,そもそも文書に記述されている可能性が低い知識を獲得できる.約1億ページのウェブ文書を用いた実験によって,これらを検証するとともに,いくつかの意味的関係に関して,提案法で上位にランキングされた仮説では,最新の構文パターンに基づく獲得法とほぼ変わらない精度を達成できることを示す.
著者
辻川 比呂斗 長津 恒輝 祝原 豊 長澤 純一 和田 知樹 田中 将 村田 真一 杉山 康司
出版者
日本ウォーキング学会
雑誌
ウォーキング研究 (ISSN:27588904)
巻号頁・発行日
vol.26, pp.73-81, 2023 (Released:2023-12-27)
参考文献数
19

There are few physiological reports on skyrunning (SR), a mountain running event. This study aimed to examine the physical fitness characteristics of skyrunners based on the results of a maximal exercise test on level ground and an SR time attack in the field of Mt. Fuji.Eight healthy male subjects who participated in trail running and SR competitions performed the maximal exercise test at 0 m altitude. In addition, they performed the SR Time Attack as an Mt. Fuji field test and calculated LT and OBLA by blood lactate concentration. In the SR Time Attack, blood samples were taken before and after SR, and distance, time, and heart rate during SR were measured with a portable HR monitoring device with a GPS function. Study results showed that subjects were divided into two groups according to their performance in the SR Time Attack, with the upper group compared to the lower group. The upper group had a lower body fat percentage(≈5.0%) and intensity during SR equivalent to 80% VO2max; the WBI before SR was about 1.1, which did not change after SR, but was lower in the low group. In addition, thigh flexor strength was significantly lower in the lower group after SR; the ROS generated during the time attack of SR was within the acceptable range of biological defense mechanisms.
著者
岸江 信介 村田 真実
出版者
日本音声学会
雑誌
音声研究 (ISSN:13428675)
巻号頁・発行日
vol.16, no.3, pp.34-46, 2012-12-30 (Released:2017-08-31)

This paper describes the conditions of how the merger in Class 4 and 5 bimoraic nouns is developing around the Keihan area. This occurrence of the merger originated from Osaka and has clearly spread around the Kinki and Shikoku areas. However, the diffusion of the merger has not affected the Tokyo-type accent. It can be said that the change of Class 4 from LLH to LHL causes the disappearance tendency of the low-beginning unaccented category and also has a disproportionate effect on Keihan accent system due to this change.
著者
村田 真一 大平 陽一 野中 進 フレーブニコワ ヴェーラ ヴェスツテイン ヴィレム シャートワ イリーナ ロマーヒン アンドレイ ボチーエフ ステパン
出版者
上智大学
雑誌
挑戦的萌芽研究
巻号頁・発行日
2016-04-01

間芸術性(芸術の媒介性)の概念を用いて、現代の文学・映画・演劇・デザインのジャンル間で交わる要素の理論的・実践的研究を日本・ウクライナ・ロシア・セルビア・オランダの研究者と芸術家の参画を得て行ない、間芸術性と20世紀芸術に関する国際セミナー開催と出版物(『アヴァンギャルド詩学の間芸術性』、2018年、ベオグラード大学出版部)により、その国際的研究の成果をまとめた。これにより、内外の研究者のみならず、学生・院生や芸術文化に関心のある一般の人々にも、新しい芸術研究の視点と手法を提示することができた。
著者
村田 真理子 山下 成人 川西 正祐
出版者
三重大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
1997

がんの化学予防に用いられることの多い抗酸化物質についてヒト遺伝子損傷性により安全性を評価した。種々の抗酸化物質を用いて単離DNAあるいは細胞内DNAに対する損傷性を検討した。ヒト培養細胞に抗酸化物質を添加し、一定時間後に細胞からDNAを抽出し、パルスフィールドゲル電気泳動法により細胞のDNA損傷性を検討した。その結果、ビタミンA、レチナール、α-トコフェロールおよびケルセチンでは細胞内DNA損傷が検出された。また、酸化的DNA損傷の指標である8-ヒドロキシデオキシグアノシン(8-OH-dG)生成量を電気化学検出器付HPLCにて定量したところ、細胞内8-OH-dG生成量はビタミンA、レチナールおよびN-アセチルシステインの添加で有意な増加が認められた。単離DNAに対するDNA損傷性の検討では、抗酸化物質と^<32>Pでラベルしたヒトがん抑制遺伝子p53のDNA断片と金属イオン存在下で反応させ、電気泳動を行いオートラジオグラムを得た。その結果、ビタミンA、レチナール、α-トコフェロール、ケルセチンおよびN-アセチルシステインは銅(II)イオン存在下で塩基特異性を有するDNA損傷を来すことが明らかとなった。このDNA損傷は,カタラーゼあるいは銅(I)イオンの特異的キレート剤であるバソキュプロインにより抑制されたことから、過酸化水素および銅(I)イオンの関与が考えられた。また、同様の実験条件で8-OH-dGの増加を確かめた。以上の結果より、抗酸化物質は酸化抑制作用のみならず、ある条件下では酸化促進作用を示し、DNA損傷性を有することが明らかとなった。これらの酸化的DNA損傷が発がん過程のイニシエーションとプロモーションに関与する可能性があり、抗酸化剤の予防的投与の危険性が示された。第一次予防の重要性に鑑み、安全性を十分検討した上で、がんの化学予防に抗酸化物質を適用することが望まれる。
著者
岸江 信介 村田 真実
出版者
日本音声学会
雑誌
音声研究 (ISSN:13428675)
巻号頁・発行日
vol.16, no.3, pp.34-46, 2012-12-30

This paper describes the conditions of how the merger in Class 4 and 5 bimoraic nouns is developing around the Keihan area. This occurrence of the merger originated from Osaka and has clearly spread around the Kinki and Shikoku areas. However, the diffusion of the merger has not affected the Tokyo-type accent. It can be said that the change of Class 4 from LLH to LHL causes the disappearance tendency of the low-beginning unaccented category and also has a disproportionate effect on Keihan accent system due to this change.
著者
村田 真樹 長尾 真
出版者
一般社団法人 言語処理学会
雑誌
自然言語処理 (ISSN:13407619)
巻号頁・発行日
vol.4, no.1, pp.87-109, 1997-01-10 (Released:2011-03-01)
参考文献数
23
被引用文献数
1 2

日本語文章における代名詞などの代用表現の指す対象が何であるかを把握することは, 対話システムや高品質の機械翻訳システムを実現するために必要である. そこで, 本研究では用例, 表層表現, 主題・焦点などの情報を用いて指示詞・代名詞・ゼロ代名詞などの指示対象を推定する. 従来の研究では, 代名詞などの指示対象の推定の際には意味的制約として意味素性が用いられてきたが, 本研究では対照実験を通じて用例を意味素性と同様に用いることができることを示す. また, 連体詞形態指示詞の推定に意味的制約として「AのB」の用例を用いるなどの新しい手法を提案する. 指示対象を推定する枠組は, 以下のとおりである. 指示対象の推定に必要な情報をすべて規則にする. この規則により指示対象の候補をあげながら, その候補に得点を与える. 得点の合計点が最も高い候補を指示対象とする. この枠組では規則を柔軟に書くことができるという利点がある. この枠組で実際に実験を行なった結果, 指示詞・代名詞・ゼロ代名詞の指示対象を学習サンプルにおいて87%の正解率で, テストサンプルにおいて78%の正解率で, 推定することができた.
著者
馬 青 谷河 息吹 村田 真樹
出版者
一般社団法人 言語処理学会
雑誌
自然言語処理 (ISSN:13407619)
巻号頁・発行日
vol.22, no.4, pp.225-250, 2015-12-14 (Released:2016-03-14)
参考文献数
32
被引用文献数
1

本稿は機械学習を用いて関連語・周辺語または説明文書から適切な検索用語を予測する手法を提案する.機械学習には深層学習の一種である Deep Belief Network (DBN) を用いる.DBN の有効性を確認するために,用例に基づくベースライン手法,多層パーセプトロン (MLP),サポートベクトルマシン (SVM) との比較を行った.学習と評価に用いるデータは手動と自動の 2 通りの方法でインターネットから収集した.加えて,自動生成した疑似データも用いた.各種機械学習の最適なパラメータはグリッドサーチと交差検証を行うことにより決定した.実験の結果,DBN の予測精度はベースライン手法よりはるかに高く MLP と SVM のいずれよりも高かった.また,手動収集データに自動収集のデータと疑似データを加えて学習することにより予測精度は向上した.さらに,よりノイズの多い学習データを加えても DBN の予測精度はさらに向上したのに対し,MLP の精度向上は見られなかった.このことから,DBN のほうが MLP よりもノイズの多い学習データを有効利用できることが分かった.
著者
村田 真樹 内山 将夫 井佐原 均
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告自然言語処理(NL) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2000, no.11, pp.181-188, 2000-01-27
参考文献数
19
被引用文献数
38

質問応答システムの研究は,TREC8やAAAIにおいても重要な問題として位置づけられている.本研究では,自然言語で書かれた知識データと質問文を,類似度に基づいて照合することにより,全自動で解を取り出すシステムを作成した.このシステムの有効性を確かめるために,TREC8のホームページや英検の問題から取ったサンプルデータで実験したところ,良好な結果を得た.Research on question-answering systems is now considered to be extremely important in TREC8 and AAAI. In this paper, we constructed a question answering system which matches a question with knowledge-based data written in natural language and automatically selects the answer. We tested this system using sample data taken from TREC8's homepages and Eiken textbooks, and obtained good results.
著者
馬青 神崎 享子 村田 真樹 内元 清貴 井佐原 均
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.42, no.10, pp.2379-2391, 2001-10-15
被引用文献数
6

本稿は,日本語名詞の意味を連続的かつ可視的に表現する意味マップを神経回路網モデルSOMによる自己組織化によって自動構築する手法を提案する.共起する連体修飾要素の観点から,まず,意味マップの自己組織化に有効と思われる,連体修飾要素が名詞の具体的な内容を表すような名詞句を新聞から人手で収集し,その名詞句を用いた意味マップの構築を試みる.そして,大規模意味マップの構築にはデータ収集の自動化が不可欠という観点から,新聞から名詞およびそれと共起する形容詞と形容動詞を共起頻度の高いものから自動的に取り出して構成される名詞句を用いた意味マップの構築を試みる.計算機実験で得られた意味マップはまず実際に用いた学習データを用いて検討し,意味マップ上の名詞は全般的に学習データが示唆する意味で配置されていることを確かめる.そして,分類結果に可視性や連続性のない階層型クラスタリング手法との比較を行い,本手法の分類能力を評価する.さらに,可視化能力を有す多変量解析手法が本タスクにうまく適用できないことを主成分の寄与率分析および計算機実験を通じて明らかにし,提案手法の必要性を補強する.A method is described for automatically constructing a semantic map,a visible and continuous representation in which Japanese nouns with similar meanings are placed at the same or neighboring points so that the distance between them represents semantic similarity.This is done by using the self-organizing neural network, SOM.From the point of view of common adnominal constituents,we first manually gather noun phrases whose adnominal constituents concretely describe the contents of head nouns from newspapers and construct a semantic map of the nouns using these noun phrases.Such types of noun phrases are thought to be effective for self-organizing a semantic map.Because it is indispensable to gather data automatically for constructing a large semantic map,we then construct a semantic map of the nouns using the noun phrases that consist of nouns and their co-occuring adjectives and nominal adjectivals.They are gathered automatically from newspapers in the order of the frequency of their co-occurrent words.Examination of semantic maps obtained in computer experiments showed that the nouns were mapped to the points corresponding to the training data.And, to objectively evaluate the SOM's ability in semantic classification,the semantic maps are compared to the results of classification by hierarchical clustering,which cannot give results with visible and continuous representation.Further, it is clarified that the multivariate statistical analysis such as principle component analysis and factor analysis cannot be used to construct semantic maps which reinforces the necessity of the proposed method for this task.
著者
及川 伸二 村田 真理子 平工 雄介 川西 正祐 Shinji Oikawa Mariko Murata Yusuke Hiraku Shosuke Kawanishi 三重大学医学部衛生学教室 三重大学医学部衛生学教室 三重大学医学部衛生学教室 三重大学医学部衛生学教室 Department of Hygiene Mie University School of Medicine Department of Hygiene Mie University School of Medicine Department of Hygiene Mie University School of Medicine Department of Hygiene Mie University School of Medicine
出版者
日本環境変異原学会
雑誌
環境変異原研究 = Environmental mutagen research communication (ISSN:09100865)
巻号頁・発行日
vol.23, no.3, pp.207-213, 2001-12-22
参考文献数
33

Reactive oxygen species are capable of causing damage to various cellular constituents, such as DNA, proteins and lipids, leading to carcinogenesis, aging and a number of diseases. We have investigated the sequence specificity of oxidative stress-mediated DNA damage by using ^<32>P-labeled DNA fragments obtained from the human c-Ha-ras-1, p53 and p16 genes. The sequence specificity of DNA damage plays the key role in the mutagenic process, and affects the mutation frequency. Therefore, investigation on sequence specificity of DNA damage would provide clues on the biological significance of DNA damage which in turn may be beneficial for cancer prevention strategy. Here we discuss the mechanisms and sequence specificity of DNA damage caused by various environmental chemicals and UVA-activated photosensitizers in relation to carcinogenesis and aging.
著者
村田 真 川口 耕介
出版者
一般社団法人日本ソフトウェア科学会
雑誌
コンピュータソフトウェア (ISSN:02896540)
巻号頁・発行日
vol.21, no.6, pp.472-481, 2004-11-25

形式言語理論を用いて,XMLとスキーマ言語を解説する.また,スキーマに基づくXML技術(とくに検証と静的型検査)について概観する.