著者
河崎 祐樹 鈴木 直子 和泉 達也
出版者
日本栄養・食糧学会
雑誌
日本栄養・食糧学会誌 (ISSN:02873516)
巻号頁・発行日
vol.68, no.4, pp.157-163, 2015

【目的】本試験は, シスチン・システインペプチド酵母エキス混合物含有サプリメントの12週間摂取が女性の肌に及ぼす影響を検証した。【方法】二重盲検ランダム化比較試験。日本人女性にシスチン・システインペプチド酵母エキス混合物含有サプリメントもしくはプラセボ食品を12週間摂取させ, 4週間ごとに肌環境を評価した。【結果】シスチン・システインペプチド酵母エキス混合物群 (CC群) とプラセボ群を比較した結果, 摂取4週後に赤味評価 (面積Lv3) に有意差が認められ, CC群の方が低い測定値を示した (<i>p</i>=0.021) 。【結論】シスチン・システインペプチド酵母エキス混合物含有サプリメントの摂取は, 摂取4週後に肌の赤みに前向きな影響を与えたといえる。本試験は, 倫理委員会の承認後, 臨床試験登録システムUMIN-CTRに登録し実施した (UMIN000013167) 。
著者
西田 浩志 栗山 由加 川上 賀代子 武井 裕輔 千葉 貴裕 増田 秀美 風間 克寿 大塚 彰 佐藤 眞治 小西 徹也
出版者
日本栄養・食糧学会
雑誌
日本栄養・食糧学会誌 : Nippon eiy◆U014D◆ shokury◆U014D◆ gakkaishi = Journal of Japanese Society of Nutrition and Food Science (ISSN:02873516)
巻号頁・発行日
vol.64, no.3, pp.169-175, 2011-06-10
被引用文献数
1

芽キャベツとケールの交配から生まれた新しい野菜であるプチヴェールはカルシウムなどをはじめとしたミネラルやビタミン・βカロテンなどの栄養素に富んだ野菜であることから, その機能性に関する研究成果が待たれている。本研究では高脂肪・高ショ糖・高コレステロールの肥満誘導食 (ウエスタン飼料) を与えたマウスに対してプチヴェールがどのような影響を及ぼすかを検討した。通常食群 (CT), 通常食+5%プチヴェール群 (PV), ウエスタン飼料群 (W), ウエスタン飼料+5%プチヴェール群 (WPV) の4群を設定した。ウエスタン飼料給餌による体重および内臓脂肪重量の増加をプチヴェールが抑制した。トリグリセリド (TG) およびコレステロール値を測定したところ, 血中および肝臓ではプチヴェールの明確な作用が確認されなかったものの, 糞中への排泄量をプチヴェールが有意に促進することが分かった。また, ウエスタン飼料による肝臓中の脂肪酸合成酵素 (FAS) の活性上昇をプチヴェールが抑制することも明らかになった。 プチヴェールは脂肪酸代謝や糞中への脂質排泄を制御することでマウスの肥満を抑制することが示唆された。
著者
村木 悦子 松岡 知里 及川 璃奈 佐藤 しのぶ 千葉 大成 角田 伸代 加園 恵三
出版者
日本栄養・食糧学会
雑誌
日本栄養・食糧学会誌 : Nippon eiy◆U014D◆ shokury◆U014D◆ gakkaishi = Journal of Japanese Society of Nutrition and Food Science (ISSN:02873516)
巻号頁・発行日
vol.64, no.2, pp.99-106, 2011-04-10
被引用文献数
1

香辛料の一種であるフェヌグリーク (<I>Trigonella foenum-graecum</I> <I>L</I>.) の生活習慣病予防効果を検討した。標準食 (STD) および高脂肪・高ショ糖食 (HFS) の2種類の実験食を作成し, それぞれの実験食にフェヌグリーク添加群を加えて計4群とし, 正常なSD系ラットに摂食させた。HFSではフェヌグリーク添加によって, 体重増加量, エネルギー効率比および精巣周囲白色脂肪組織重量は減少した。また, 肝臓中の総コレステロール量も減少し, 糞中への総胆汁酸排泄量が増加した。しかしながら, 耐糖能に関してはフェヌグリーク添加による大きな影響はみられなかった。以上のことから, フェヌグリークは食餌中脂質の糞中への排泄を促進することによって, 肝臓および白色脂肪組織への脂肪蓄積を抑制し, その結果として体重増加を抑制することが推察された。
著者
山田 典子 吉村 裕之
出版者
日本栄養・食糧学会
雑誌
日本栄養・食糧学会誌 : Nippon eiy◆U014D◆ shokury◆U014D◆ gakkaishi = Journal of Japanese Society of Nutrition and Food Science (ISSN:02873516)
巻号頁・発行日
vol.63, no.6, pp.271-278, 2010-12-10
被引用文献数
3 4

最近, 冷え症者と非冷え症者を判別分析により識別する指標を確立した。本研究では, それらの指標で識別した冷え症の女子学生24名を対象に, プラセボ群, ローヤルゼリー(RJ)低用量摂取群(1.4 g/day), RJ高用量摂取群(2.8 g/day)を無作為に8名ずつ割り振り, 二重盲検試験法により2週間摂取してもらった。冷え自覚症状の程度は, 冷え症関連質問紙および温感質問紙で評価した。腋窩温度, 末梢皮膚血流動態, 手指皮膚表面温度, 緩和寒冷ストレス負荷後の皮膚表面温度の経時的変化なども, RJ摂取前および摂取後2週間目に測定した。その結果, 手部・足部・腰部において, RJを摂取後, 温かく感じていることが判明した。また, 高用量のRJ摂取群では, 安静時の手指皮膚表面温度が有意に上昇し, 腋窩温度と皮膚表面温度との差も小さくなった。RJ摂取群は, 緩和寒冷ストレス負荷後の皮膚表面温度を速やかに回復した。
著者
野口 茜 森山 明穂 峰尾 茂 藤澤 洋子 杉山 まりか 坂口 英
出版者
日本栄養・食糧学会
雑誌
日本栄養・食糧学会誌 : Nippon eiy◆U014D◆ shokury◆U014D◆ gakkaishi = Journal of Japanese Society of Nutrition and Food Science (ISSN:02873516)
巻号頁・発行日
vol.64, no.1, pp.27-33, 2011-02-10
被引用文献数
2

近年, 肥満予防に対するポリフェノールの有用性がよく論じられている。ボイセンベリーにはアントシアニンやエラグ酸などのポリフェノールが多く含まれているが, 抗肥満作用に関する報告はない。そこで, 5%ボイセンベリー果汁 (BJ) を添加した普通食並びに高脂肪食をWistar系雄性ラット (6週齢) に12週間摂取させ, BJが肥満を予防する作用をもつか試験した。その結果, BJ添加は, 体重増加量, 体脂肪蓄積, 肝臓脂質中の中性脂肪量および総コレステロール量を, 有意に低下させた。また, 各飼料摂取後の血漿中中性脂肪濃度を測定した結果, BJ添加が食後3時間での血漿中中性脂肪濃度上昇を, 有意に抑制した。以上の結果から, ボイセンベリー果汁の摂取は, 高脂肪食摂取による肥満を予防する可能性が示唆され, さらにはメタボリックシンドロームの改善にも有用であると考えられた。
著者
野口 茜 森山 明穂 峰尾 茂 藤澤 洋子 杉山 まりか 坂口 英
出版者
日本栄養・食糧学会
雑誌
日本栄養・食糧学会誌 : Nippon eiy◆U014D◆ shokury◆U014D◆ gakkaishi = Journal of Japanese Society of Nutrition and Food Science (ISSN:02873516)
巻号頁・発行日
vol.64, no.1, pp.27-33, 2011-02-10
参考文献数
39
被引用文献数
2

近年, 肥満予防に対するポリフェノールの有用性がよく論じられている。ボイセンベリーにはアントシアニンやエラグ酸などのポリフェノールが多く含まれているが, 抗肥満作用に関する報告はない。そこで, 5%ボイセンベリー果汁 (BJ) を添加した普通食並びに高脂肪食をWistar系雄性ラット (6週齢) に12週間摂取させ, BJが肥満を予防する作用をもつか試験した。その結果, BJ添加は, 体重増加量, 体脂肪蓄積, 肝臓脂質中の中性脂肪量および総コレステロール量を, 有意に低下させた。また, 各飼料摂取後の血漿中中性脂肪濃度を測定した結果, BJ添加が食後3時間での血漿中中性脂肪濃度上昇を, 有意に抑制した。以上の結果から, ボイセンベリー果汁の摂取は, 高脂肪食摂取による肥満を予防する可能性が示唆され, さらにはメタボリックシンドロームの改善にも有用であると考えられた。