著者
新井 俊二
出版者
明倫短期大学
雑誌
明倫歯科保健技工学雑誌 (ISSN:13440373)
巻号頁・発行日
vol.2, no.1, pp.74-79, 1999-03

介護担当者は科学的手順で個々の要介護者の抱えた課題を解決するための介護を効果的,効率的に行う必要がある。歯科口腔介護の担当者も同様で,そのための実施の手順は,「MDS-RAPs(CAPs)」の手法を基本としており,それは歯科口腔介護課題分析票(MDSに該当),課題分析票記入要綱,歯科口腔介護問題項目選定表,歯科口腔介護の内容(問題項目検討指針;RAPs(CAPs)に該当),歯科口腔介護サービス計画表,歯科口腔介護業務記録等の手引き書や定型表(プロトコール)を用いて一定の順序で行う。
著者
新井 俊二
出版者
明倫短期大学
雑誌
明倫歯科保健技工学雑誌 (ISSN:13440373)
巻号頁・発行日
vol.1, no.1, pp.45-51, 1998-03
被引用文献数
1

高齢社会の進展とともに介護の重要性が叫ばれ,多様な介護が実施されているが,歯科医学の知識と技術を用いて行う歯科口腔介護が見落とされている。その原因は,歯科領域(口腔・顎・顔面領域)の機能や形態が,自立生活保持に重要な役割を果たしていることへの認識が不足していることと同時に,歯科口腔介護が散発的にしか行われていなかったことにあると考えられる。本文では,介護の視点から歯科領域の機能と形態の重要性と,明倫短期大学で行った歯科口腔介護実施内容,実施の手法についての概要を述べる。
著者
内田 杉彦
出版者
明倫短期大学
雑誌
明倫歯科保健技工学雑誌 (ISSN:13440373)
巻号頁・発行日
vol.3, no.1, pp.60-66, 2000-03

古代エジプト人の生活はナイルの氾濫をはじめとする自然の恩恵に支えられたものであったが,エジプトの気候,風土,そして当時の生活環境は,人間の健康に悪影響を及ぼしさまざまな病気の原因になることもあった。このような病気に対し,呪術や宗教の影響を強く受けた当時の医術には限界があったが,特に外科医療の分野に見てとれる合理性は,後の西洋医術にも相通じるものだったと言えるであろう。
著者
伊藤 圭一
出版者
明倫短期大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2008

低エネルギー電子線(low-energy electron beam : LEB)をメチルメタクリレート樹脂(MMA)に照射した際の物性を測定し、LEBがMMA樹脂に及ぼす影響を検討した。調査項目は表面硬さ、飽和吸水量、接着性である。それぞれの試験結果からはLEB照射と未照射の条件において有意差は認められなかった。本研究で実施した試験結果からは、対象とした義歯床用レジンに対してLEB照射を行っても物性を低下させないことが示唆され、LEBがMMA樹脂に与える影響を検討することができた。
著者
野村 章子 野村 修一 山田 好秋 河野 正司 高橋 肇 江川 広子 植田 耕一郎 城 斗志夫
出版者
明倫短期大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2002

本研究の目的は、流動性に富みかつ凝集性のよい食品について物性試験を行うことにより、摂食・嚥下機能に障害のある要介護者のための食品としての有効性を評価することにあった。そのために明確にしなければならなかった具体的な事柄は、食品としての物性(硬さ、付着性、凝集性)であった。研究計画の初年度は主に、高たんぱく、低カロリーとして注目されているグルテンの構成要素である2つのタンパク(グリアジン、グルテニン)に着目し、小麦粉からのグリアジンおよびグルテニンの分離を試みたものの、高純度なグリアジンとグルテニンを調整することはできなかった。次年度は、高純度ではないが食品会社から入手したグルテニンとグリアジンを配合したクッキーの物性測定を行った。その結果、嚥下補助食として適正な配合比率を見出した。最終年度は、今までの研究成果に基づき、調整する試験食品の種類を増やして物性測定を行った。臨床試験により、咀囑性・食塊形成性との対応を見出した。さらに、本研究に関連して調査した要介護者の口腔機能と全身状態が、要介護者の食事形態におおいに影響することもわかった。本研究成果は、第15回日本老年歯科医学会学術大会、第10回日本摂食・嚥下リハビリテーション学会学術大会、第3回明倫短期大学学会学術大会で報告した。今後は、要介護度の重度化防止を目的とし、要介護者の食事摂取を向上させるために、義歯治療口腔ケアを実施するための訪問診療機器の開発に繋げる予定である。
著者
木暮 ミカ 河野 正司 飛田 滋 植木 一範 伊藤 圭一 大沼 誉英
出版者
明倫短期大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2010

本研究は、従来の教員によるヒューリスティック評価と同程度に保ちつつ、評価の個人差やバラツキを排除した客観性の高い判定・評価が可能な実技実習自動評価システムを開発し、学生が各自のペースで効率的かつ確実に実技を習得できるようにすることを目的とする。平成22-23年度は、歯型彫刻の評価を「量的・解析的評価」と「感性評価」に分割し、前者を判別フィルタとサポートベクターマシン(Supportvectormachine:以下,SVM)による画像処理システムからの自動評価、後者を教員の目視による官能評価で判定し、この2つを統合する採点方法を考案した。これにより客観性の高い評価が得られると同〓に、SVMを用いることで従来のヒューリスティック評価に近い判定が可能となった。平成24年度は、この採点システムを試験的に本学の実習に導入し、目視評価法と実習成果物撮影評価装置による自動評価を同〓に行い、評価の妥当性、公平性、作業効率・満足度などの点で比較検討することで本システムの評価・改善を行ってきた。また必要に応じて歯科技工士学科長、実習を担当する准教授2名、講師1名、助教2名、CAD/CAM実習を担当する講師1名および日本歯科大学の教員1名の8名からなる評価委員会メンバーにより、本システムの有用性を検証した。