著者
JUANITA Heigham ROBERT Croker
出版者
椙山女学園大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2008

研究者達は、2010年の春学期を用いて前年度の予備研究データ分析及び本研究に関連する最近の研究についての調査を行うと共に、2011年秋学期の教師トレーニングワークショップとボランティア活動のための準備を行った。9月には椙山女学園大学及び南山大学の学生14名を対象に、3回の教師トレーニングワークショップを実施した。各分野の専門家により小児の発達についての概論、初級言語レッスンの準備と授業管理についての講義が行われた。さらに学生達はデモンストレーションレッスンにも参加した。ワークショップの模様はビデオ録画され、参加者はワークショップの体験についてアンケートの記入、提出を行った。ワークショップに続き、トワイライトスクールでの毎週の授業準備として、研究者達は週2回の生徒とのミーティングにおいて短い授業デモンストレーションを提供した。デモ授業は学生の参考のためにビデオ録画された。ミーティングでは学生も授業演習を行い、デジタル録画される生徒同士のフィードバックセッションに参加した。参加者には研究者が作成した授業計画が与えられた。多くの学生は前年度にも同じプロジェクトに参加していたため学生間の習熟度に開きがあり、一部の学生は提供された計画に従って準備を行う必要があったが、他の学生は与えられた授業計画に自分なりの変更を加えて準備を行った。トワイライトスクールの実際の授業は10月から12月にかけて行われた。11人の参加者(元の14人のうち3人はスケジュールの都合で不参加)は名古屋市の4つの小学校(星ヶ丘小学校、西山小学校、伊勝小学校、千石小学校)の各校でそれぞれ8回、200人以上の小学生に授業を行った。各参加者は授業の後、考察文を作成し研究者達に提出した。11月後半、研究者達はJALT全国会議にて2010年のプロジェクトについて発表を行った。現在、研究者達は集計されたデータの分析を行っており、本研究についての最終報告は2011年に公開する予定である。
著者
影山 穂波
出版者
椙山女学園大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2004

都市の「居住空間」とジェンダーとの関係を明らかにするために、名古屋市郊外住宅の開発過程とそこに組み込まれたジェンダー関係を検討した。都市は人々が日常生活を営む単なる入れ物ではなく、行為主体として活動し、社会的・経済的・文化的変化が生み出される場所である。事例のひとつとして、名古屋市における学級開放活動、トワイライトスクール事業を取り上げた。2006年度時点で191校の小学校で実施されており、そのうち16校では時間延長モデル事業が行われている。放課後学級活動であるこの事業は、退職した校長が中心となり運営指導者として派遣されている。またアシスタントパートナーとして有償ボランティアが常時子供たちの目の届くところにいる。また伝統芸能や伝承遊び、紙工作等の体験学習の体験学習の指導を地域スタッフが来校して教えることもある。この事業は小学校で実施される活動であるがゆえに公的事業の色彩が強く、それが保護者と児童の安心感につながっている。また地域居住者と子供たちとの交流の場として機能し始めている。一方で、従来就労支援として進められてきた学童保育は、こうした学級開放活動の広がりにより運営上困難な状況に追い込まれてきている。時間延長モデル事業は、共働き世帯への支援の可能性を秘めているものの、学童保育が果たしている第二の家庭としての役割を担っているわけではない。トワイライトスクール事業は、地域社会への開放の役割は果たしてきているものの、女性の社会進出への支援にはなお課題が多いのである。子供たちにとって、家庭と学校以外の場が地域居住者によって開かれることがトワイライトスクール事業の可能性である。再生産空間として位置づけられてきた地域社会が、生産空間としての機能を持ち、地域居住者と子供たちが主体となって、トワイライトスクールを通じて「居住空間」の形成に寄与することが可能となるのである。
著者
季 増民 黒柳 晴夫 土居 晴洋
出版者
椙山女学園大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2008

本研究は上海大都市圏を主な研究対象地域に、衛星画像の解析、役所でのヒアリング、現地踏査に基づき、都市近郊で発生する地域再編の全体像を把握した。調査地域選定作業により、開発区(工業団地)と新市街地(住宅団地)の2つの代表的な類型として無錫、昆山の両市を抽出し、その共通性と異質性について比較検討した。学術理論においては、社会構造の多元化に対応して近郊地域を「第三の空間」として設定することにより、都市と農村という二元的な枠組みでカバーできない多元的な地域構造を解明できるとの知見を得、その存立基盤について考察した。
著者
石原 健吾
出版者
椙山女学園大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2009

脱水状態において、摂取した溶液が短時間のうちに排尿されない方が望ましいと考え、実験動物用の高精度の尿量測定系を開発しました。牛乳摂取後の4時間の排尿量は、水、スポーツドリンクの約50%と低くなりました。その作用の内訳は、牛乳の高分子量画分、低分子量画分が、各25%でした。牛乳摂取後の血漿水分量は長時間高い状態を維持して、その原因はナトリウム摂取量が高くないにも関わらず、溶液摂取後に血漿中のナトリウムが低下しないためと考えられました。
著者
杉藤 重信 窪田 幸子 川口 洋 遠藤 守
出版者
椙山女学園大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2010

本研究の主要な成果は、親族オントロジーの研究およびアプリケーションAlliance3.3の開発である。前者としては、人類学調査における個人情報に関する不詳データをグラフィクスとしてどのように取り扱うかの基本的なロジックの研究である。具体的には、どのような条件をデフォルトとすればコンピュータ・グラフィクスとして表現可能であるかについての研究である。後者としては、今期の開発の焦点は、親族オントロジーの研究をふまえて、直感的な入力方法を開発することであった。開発されたアプリケーションは、下記のウェブサイトからダウンロードが可能である。また、親族データベースや親族研究に関して、国際連携研究を行い、国内外において成果報告を行った。