著者
松田 謙次郎
出版者
神戸松蔭女子学院大学
雑誌
Theoretical and applied linguistics at Kobe Shoin : トークス (ISSN:13434535)
巻号頁・発行日
vol.9, pp.31-56, 2006-03-21

VARBRULプログラムは欧米の変異理論研究では一般的なフリーウェアだが、日本においてはVARBRUL登場後30年たってなお、その紹介が十分に成されているとは言い難い状況にある。本稿ではVARBRULの基本から、実際の使用法、そして現バージョンのVARBRULが持つ諸問題点を指摘するものである。
著者
藤本 浩一
出版者
神戸松蔭女子学院大学
雑誌
神戸松蔭女子学院大学研究紀要. 人間科学部篇 (ISSN:21863849)
巻号頁・発行日
vol.2, pp.13-26, 2013-03-05

何かをしながら別のことを記憶し続けるとき、私たちは保持と処理の両方に関わる脳の機能であるワーキングメモリ(作動記憶、作業記憶)を使っている。Baddeley によれば、ワーキングメモリとは、聴覚言語的記憶、視覚的記憶、エピソード記憶、そしてそれらを組み合わせて考え判断する中央実行系から成る。本論では、ワーキングメモリの弱さが発達障害児に共通しているという指摘に基づき、ワーキングメモリ訓練教材の作成とその効果の検証を試みた。グー・チョキ・パーの絵柄を単語カードに一枚ずつ貼り付けて束ねたカード式教材(ジャンケン・メモリ)と、PC 上で実施するマトリクス教材等を作成し、健常女子大学生33 名に試した。リーディングスパン・テスト(RST)などによる事前・事後テストを実施して比較したところ、どちらの教材群もわずかな訓練期間にもかかわらず効果が認められた。しかしながらRST テストの慣れの影響などが否定できず、むしろ今後の問題点として以下の事柄を指摘した。それは、①集団式の事前・事後テストは実施上限界がある、②被験者の興味が湧く教材が必要である、③訓練日数や訓練の仕方を出来るだけ細かく指導し統制する、などである。また、脳をトレーニングすることの効果について反論を取り上げて検討し、なお効果があるとの見通しを示した。
著者
松井 理直
出版者
神戸松蔭女子学院大学
雑誌
Theoretical and applied linguistics at Kobe Shoin : トークス (ISSN:13434535)
巻号頁・発行日
vol.5, pp.53-82, 2002-03-21

情報の構造化は、認知機構の処理する情報のエントロピーの減少として捉えることができる。情報が構造化されるにつれ、エントロピーが減少し、探索に必要な範囲が限定されていく。こうした認知機構の情報構造化過程を形式的に表現する方法の一つに、タイプ継承という手法がある。本研究は、主辞句構造文法 (HPSG) における音韻情報の構造と制約の相互作用を、タイプ継承という点から議論したものである。
著者
春木 孝子
出版者
神戸松蔭女子学院大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2003

中世から現代にいたるアイルランド文学史における女性表象の変遷を、それぞれの歴史的、社会的、政治的な時代背景との関連において明らかにすることが報告者の主要な研究テーマであるが、その目的は日本ではまだあまり取り上げられていない英語を媒体とする女性詩人や劇作家・小説家のみならず、アイルランド語を媒体とした女性詩人を取り上げることにあり、3年間の期間内においても出来得る範囲で積極的にゲール語(アイルランド語)で書かれた文献を研究の範囲に入れるということを大きな目標として研究を進めてきた。そのため、アイルランド語の研鑽にかなりの時間を投じ、京都アイルランド語研究会のメンバーと共に中級文法書の翻訳を完成させるという形でもその成果はあがったが、特に、現代詩人のモーイラ・ヴァッカンツイーの哀歌を読み、分析するにあたって、歴史的また伝統的な背景にまでさかのぼった視点を持つことができたということが大きな成果であった。その一方で、20世紀初頭の文芸復興期以降のアイルランド文学における女性表象の大きな変化については、リアム・オフラバティーの小説に関しての論文「存在の矛盾そして狂気」のなかでだけではまだ十分に論じることができず、さらに「男の幻想と女の現実のはざまで」という枠組みでとらえ、「リアム・オフラバティーの女性表象」というタイトルで現在、論文を執筆中である。
著者
池谷 知子/久津木 文
出版者
神戸松蔭女子学院大学
雑誌
Theoretical and applied linguistics at Kobe Shoin : トークス (ISSN:13434535)
巻号頁・発行日
vol.17, pp.27-45, 2014-03-05

日本語を学ぶ外国人が苦労するものとして「日本語の中のカタカナ」が挙げられる。本研究では英語母語話者の日本語学習者55人に次の6組のカタカナ語と非カタカナ語の使い分けについての研究調査を行った。カテゴリー1 Bottle ボトルと瓶カテゴリー2 Brush ブラシと筆カテゴリー3 Glove グローブと手袋カテゴリー4 Potato ポテトと芋カテゴリー5 Tea ティーとお茶カテゴリー6 Ticket チケットと券その結果として以下のことがわかった。1. カタカナ語に関して、非カタカナ語に対応する語がなく「ペットボトル」「歯ブラシ」のように指示対象物の名称の中にそのカタカナ語が入っていれば、カタカナ語を選びやすい。2. 日本的なものは非カタカナ語、そうではないものはカタカナ語を選ぶ傾向がある。3. カタカナ語と非カタカナ語のどちらを使えばよいのか不明な場合、英語の母語の知識を生かして、それと対応するカタカナ語が選択されやすい。4. 日本語学習者は材料や形態など、独自の使い分けの基準を適用して判断することがある。5. 一般的に、カタカナ語と非カタカナ語の使い分けは辞書に書いていないことが多いことから、その情報にどのくらいアクセスできるかが習得の鍵になっている。KATAKANA words bring difficulties for foreign learners of Japanese, because it is hard to distinguish them from original English (or other foreign) words, and they may also have synonyms in Non-KATAKANA words.This study looks into 55 Japanese learners of native English speaker about choosing Japanese words in the following 6 categories that have a pair of words in KATANAKA and in Non-KATAKANA respectively.Category 1 Bottle: "BOTORU"/"BIN"Category 2 Brush: "BURASHI"/"FUDE"Category 3 Glove: "GUROBE"/"TEBUKURO"Category 4 Potato: "POTETO"/"IMO"Category 5 Tea: "THI"/"OCHA"Category 6 Ticket: "THIKETTO"/"KEN"In conclusion, Japanese learners of native English speaker have tendencies (1) to choose KATAKANA word, when KATAKANA is embedded with the name of object,(2) to choose Non-KATAKANA word, when it refers to Japanese traditional objects, (3) to choose KATAKANA word, if they are unsure of selecting, (4) to develop their own way to discern KATAKANA word and Non-KATAKANA word, (5) to learn the distinction between KATAKANA word and Non-KATAKANA word by having ample opportunities for Japanese language input.
著者
高尾 こいし
出版者
神戸松蔭女子学院大学
雑誌
生活科学論叢 (ISSN:02886146)
巻号頁・発行日
vol.8, pp.27-41, 1975-12-28
著者
高尾 こいし
出版者
神戸松蔭女子学院大学
雑誌
生活科学論叢 (ISSN:02886146)
巻号頁・発行日
vol.6, pp.25-41, 1973-12-28
著者
浅見 徹
出版者
神戸松蔭女子学院大学
雑誌
文林 (ISSN:02886170)
巻号頁・発行日
vol.31, pp.1-14, 1997-03-20