著者
松田 謙次郎
出版者
神戸松蔭女子学院大学
雑誌
Theoretical and applied linguistics at Kobe Shoin : トークス (ISSN:13434535)
巻号頁・発行日
vol.13, pp.15-22, 2010-03-21

橋下大阪府知事の就任以来2年間にわたる定例記者会見記録を用いて、そこで言及される人名、政党名、そして自称詞について分析を行った。人名については一時期頻繁に言及されるものと、長期にわたりほぼ安定して言及されるものがあり、それらが言及時期によりいくつかのパターンをなしていることがわかった。政党名では、就任当初は自民・公明・民主の3党でほとんど差がなかったものが、2009年8月の政権交代以降民主党の言及数が自民・公明を圧倒している。さらに政党名に「さん」付けをする割合を検討すると、やはり民主党に対する「さん」付けが大幅に増加していることがわかった。自称詞を分析すると、もともと高かった「僕」の割合が2年目にはさらに増えて、「私」がほとんど使われない状態になっていることが判明した。最後に今後有望そうなトピックを3点指摘した。
著者
木村 毅
出版者
神戸松蔭女子学院大学
雑誌
文林 (ISSN:02886170)
巻号頁・発行日
vol.8, pp.1-22, 1974-03-20
著者
徳山 孝子 打田 素之 木谷 吉克 笹崎 綾野 中村 茂 森田 登代子 藤田 恵子 山村 明子 刑部 芳則
出版者
神戸松蔭女子学院大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2014-04-01

礼服・軍服などの男子服意匠の導入に関わる幕末から明治維新期にかけての日仏間の交流の経緯と実態の一端を明らかにした。①明治天皇の御正服の意匠とAICP校に現存する絵型の比較検証から、礼服などの男子服意匠の導入がフランス支援による事が判った。②訪仏した日本人との交流が深かった洋裁店「オゥギャラリードパリ(S・ブーシェ)」は、男子服の発祥経路の一つとして指摘できた。③ナポレオン3世から徳川慶喜に贈呈された軍服、軍帽等の軍装品に関して、仏軍が定める詳細な仕様書などの資料が得られた。④The Tailor’s guideの技法は『西洋縫裁(裁縫)教授書』を介して伝えられたことが判った。

2 0 0 0 IR 菊池寛の思出

著者
木村 毅
出版者
神戸松蔭女子学院大学
雑誌
文林 (ISSN:02886170)
巻号頁・発行日
vol.13, pp.1-22, 1979-03-20
著者
久津木 文
出版者
神戸松蔭女子学院大学
雑誌
Theoretical and applied linguistics at Kobe Shoin : トークス (ISSN:13434535)
巻号頁・発行日
vol.15, pp.27-36, 2012-03-21

バイリンガルの子どもの語彙の変化は大きく、ちょっとした言語環境や入力の変化で大きく影響を受ける。先月まで日本語で話していた子どもが今月にはまったく話せなくなっているということも全く珍しいことではない。大人の場合でもしばらく外国を使う機会がないと忘れてしまう。特に語彙の中でも具象性が高いものが低いものよりも喪失されやすいことが成人の言語処理、第二言語習得研究、および幼児の言語獲得のデータから示唆されている。同じようなことが幼児の同時バイリンガルの語彙の喪失でもいえるのだろうか。本稿では、この疑問に答えるためバイリンガルの子どもの一時的な日本語語彙の喪失を分析する。
著者
浅見 徹
出版者
神戸松蔭女子学院大学
雑誌
文林 = Bunrin (ISSN:02886170)
巻号頁・発行日
vol.39, pp.1-13, 2005-03-15
著者
木村 勲
出版者
神戸松蔭女子学院大学
雑誌
神戸松蔭女子学院大学研究紀要. 文学部篇 (ISSN:21863830)
巻号頁・発行日
vol.2, pp.1-30, 2013-03-05

『にごりえ』は樋口一葉が二四歳半での死の前年に書いた作品。ひとたびは自分の店を構えた男・源七が酌婦・お力に迷って零落し、尽くす妻・お初と一児を捨てて破局にいたるというもの。源七のもとを去るときのお力の言葉が「たとへ何のやうな貧苦の中でも二人双つて育てる子は長者の暮しといひまする、別れゝば片親、何につけても不憫なは此子と思ひなさらぬか、あゝ腸が腐た人……」だ。男の無責任さと、捨てられた母子とくに母の健気さとを、酌婦を介在にした悲劇として読まれてきた。しかし一葉は時間的・空間的(そして心理的)に巧みな仕掛けをして、一読の印象とは違う世界を織り込んでいた。「冷笑がある」と突いたのが斎藤緑雨だ。毒舌で文壇から嫌われていた彼と、一葉は死ぬ前の半年間、親交した。頻繁な来訪を心待ちして「微笑」んで聞く――そんな最後の日々が日記に詳細に書かれた。作品と日記と制作過程を示す残骸(未定稿)を比較し、思想史的背景も考慮に入れて作品分析を行う。
著者
松田 謙次郎
出版者
神戸松蔭女子学院大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2010

この研究プロジェクトは、過去の法令と言語をめぐるアプローチとは異なり、法令を言語データ(コーパス)と見なして言語変化・変異の観察を行い分析することで、法令の言語データとしての特質やその可能性を見極めようとしたものである。具体的な変異現象として先行研究の多いサ変動詞の五段化・上一段化現象を取り上げた。法令データを分析すると、その分布は先行研究の結果と似たものであり、法令データでも他種類と同様な変異が存在することが確認された。また同年に公布された法令間、また同一の法令の中でも同一動詞についてサ変~五段・上一段という活用のゆれが存在することが明らかとなった。次に改正履歴を追跡するために、改正履歴が追跡可能な法令データベースを用いて過去10年間におけるいくつかのサ変動詞の動向を調査した。その結果いくつかの動詞で変化が年とともに進行する様子を明らかにすることができた。これらの結果からは、この変化が法令作成に携わる関係者の意識下で進行する、「下からの変化」であることが分かる。また、内的要因を分析してみると、少なくとも五段化では、先行研究で主要な制約条件とされてきたものがそのまま当てはまることが判明した。
著者
浅見 徹
出版者
神戸松蔭女子学院大学
雑誌
文林 (ISSN:02886170)
巻号頁・発行日
no.36, pp.1-19, 2002-03
著者
松田 謙次郎
出版者
神戸松蔭女子学院大学
雑誌
Theoretical and applied linguistics at Kobe Shoin : トークス (ISSN:13434535)
巻号頁・発行日
vol.7, pp.55-82, 2004-03-21

The on-line full-text database of the Minutes of the Diet offers linguists a unique resource for corpora study of the modern Japanese language; with all the debates and information of the session searchable by keywords, and the name of the speaker, date, House, etc., all laid out in an easy-to-use interface. The database is accessible from ordinary internet browsers, and the search results are easily downloadable to the user's PC. This article explores this resource's possibilities for various linguistic research (lexicon, syntax, dialectology and discourse analysis), demonstrates actual searches and their results, and carefully examines the limitations that necessarily arise from several sources (e.g. editorial practices of the Diet Office transcribers).