著者
清水 一彦
出版者
日本出版学会
雑誌
出版研究 (ISSN:03853659)
巻号頁・発行日
vol.48, pp.1-21, 2017 (Released:2020-10-30)
参考文献数
58

江戸時代の識字率は学術的には高低が判断出来ないにもかかわらず,ドーアとパッシンの就学率推計値が発表された1960年代後半以降,それまでの低いという認識に代わって「江戸時代の識字率は高かった」という言説が主に一般出版で常識化した.一方,学術出版は一般出版での言説を等閑視することで消極的にではあるが「高い」という言説の常識化に加担した.この言説構成過程の機序を,出版学の立場から社会構成主義の分析ツールを利用し考察した.

言及状況

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うーん? Googleブック検索、樋口清之以前でも地球時代の日本人(梅棹忠夫,1974)、現代の神話 (小松左京,1973)、現代アジア入門(梶谷善久,1972)、ヨーロッパ像の転換(西尾幹二,1969)で識字率高い話が出てる。いずれも著名人だよね?
[歴史] 「出版研究」48号、2017年
[メディア][nationalism][文字] "出版における言説構成過程の一事例分析 ― 「江戸時代の識字率は高かった」 という“常識”を例として"
[識字][江戸][literacy]
[識字研究] 「出版における言説構成過程の一事例分析―「江戸時代の識字率は高かった」という“常識”を例として」

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昔の識字率が知りたくてちょっとググったら「江戸時代の識字率は高かった」という「デマ」がなんで一般化されたかについて述べている論文を見つけておもわず興味深く読んでしまったw https://t.co/O1GHO9DV68
清水一彦「出版における言説構成過程の一事例分析―「江戸時代の識字率は高かった」という“常識”を例として」 https://t.co/tcl9IyKHow
「江戸時代の識字率が高かった言説」の流布の構造について、同じ著者による、もうちょっと詳しく言及した文章。 https://t.co/YX6Tn33mDK
この学会発表を翌年に論文にまとめたのがこちら↓。一般書での展開はよく追われてるけど、学術的な研究については「ほとんどされていない」として、資料に基づく識字率や就学率の真値の検証はほぼ全くなく、やや残念。 #今日の論文 『出版における言説構成過程の一事例分析』 https://t.co/RlE3es3pDM https://t.co/wtraXInuy5
“[PDF] 出版における言説構成過程の一事例分析 ― 「江戸時代の識字率は高かった」 という“常識”を例として” https://t.co/1NhX4Mxhvq
https://t.co/RH9WdnQ2L0
『「男子40~50%,女子15%」という「就学率」の推計値は前田や鈴木などの研究者らによって「識字率」の推計値として言い換えられ,議論の前提として引用されることで制度化されていった. https://t.co/gd2360VyqC 江戸時代の識字率に関心のあるフォロワッサンへ
「出版における言説構成過程の一事例分析―「江戸時代の識字率は高かった」という“常識”を例として」 / “出版における言説構成過程の一事例分析” https://t.co/nKU0E98ghI

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