著者
加藤 護
雑誌
日本地球惑星科学連合2019年大会
巻号頁・発行日
2019-05-17

高校地学では地球内部構造を地震波を用いて知ることができることを学ぶ。この中で地球中心核の発見が扱われ、シャドーゾーンなどの概念が扱われる。しかし地球深部を伝播する地震波の挙動を直感的に理解することは簡単ではなく、教えにくい話題の一つとも言える。本発表では簡略化した地球速度構造モデルを用いて地球中心核が地震波伝播に与える影響を整理する。提案するのは三角関数を用いた図解法である。これは地震波形データを用いて地球に核があることを初めて提案したOldhamや内核の存在を示したLehmannが用いた方法に倣ったものである。高校地学では核の存在を地震学史と関連づけて教えることも多いが、この図解法を用いることでその関連を強くすることが可能となる。発表では簡略化した地球速度構造モデルを用いて、中心核がある場合の走時曲線を図示と三角関数を用いて求める。その上で核の影響がどのように観測されるかのエッセンスを整理する。