著者
いとう たけひこ 三浦 楓子
出版者
国際生命情報科学会
雑誌
国際生命情報科学会誌 (ISSN:13419226)
巻号頁・発行日
vol.34, no.2, pp.120-125, 2016 (Released:2016-12-01)
参考文献数
5

【目的】臨死体験とは、心停止から蘇生した人が体感する体外離脱(幽体離脱)などの科学では解明しきれていない体験である。その報告は多い。臨死体験には人類共通の普遍性と文化の違いによる特殊性があると考えられる。本研究ではこの共通性と文化差とを検討したい。臨死体験中に体験したことの表現から臨死体験の世界を考察する。【方法】立花 隆(2001)『証言・臨死体験』(文春文庫)に掲載されている有名人の臨死体験の事例とウェブサイト「臨死体験/臨死共有体験の掲示板」の臨死体験記録をテキスト化しText Mining Studioを用いてテキストマイニングの手法により単語や係り受け表現などの分析を行い、他の文化圏との特徴の比較をおこなった。【結果と考察】日本人の臨死体験における特徴的な単語として「川」と「花」の両方とも、22名中、各12名が証言している。過半数の体験者にみられた特徴と言えよう。日本人に多く表現される「川」が、西洋にみる光とトンネルとの関連で考察された。しかし、他の文化圏にみられる表現との共通性も同時に指摘された。
著者
田島 明子 いとう たけひこ
出版者
聖隷クリストファー大学社会福祉学会
雑誌
聖隷社会福祉研究 (ISSN:18826199)
巻号頁・発行日
no.11, pp.64-72, 2018-11-30

目的:ソーシャルキャピタルを活用した介護予防の取り組みの在り方の参考のためにソーシャルキャピタルを活用した介護予防に関する文献レビューをした。対象:CiNii を用いて「介護予防」「ソーシャルキャピタル」を検索語として抽出された18文献を対象とした。方法:「タイトル」「発行年」「どのような主体を対象としているか」「研究概要」「結果」「ソーシャルキャピタル(SC)についての言及」を横軸としたレビューマトリックスを作成した。結果:「発行年ごとの文献数」「対象とする主体」「文献内容」「ソーシャルキャピタル(SC)についての言及」に着目し、整理をした。考察・結論:多様な実践が紹介されており、今後さらに多職種が連携した実践が増加することが予想された。
著者
辻 あゆみ いとう たけひこ
出版者
心理科学研究会
雑誌
心理科学 (ISSN:03883299)
巻号頁・発行日
vol.44, no.1, pp.29-48, 2023 (Released:2023-06-28)
参考文献数
43

本研究では、発達障害児者の母親を一人の主体として捉え、その人生を家族や教師などの社会的関係から一考することを目指した。そのため、テキストマイニングと質的内容分析の併用による混合研究法を用いて10名の母親と元園長(支援者)との振り返り面接の記録を分析した。その結果、第一に、母親は家庭や教師をはじめとする人と社会的な関係を形成しながら生きていること、第二に、障害のある子どもを通しても人生を肯定的に意味づけるようになること、第三に、子どものみならず、社会に対しても願いを抱くようになることが示された。発達障害児者の母親は、子どもの幸せを願いながら、障害のある子どもを介して様々な人と出会い、多様な体験していることが明らかになった。旧知の関係にある元園長との対話を通しても、子育てにまつわる出来事を意味づけ、自己成長を見せると考察された。
著者
上野 まどか いとう たけひこ
出版者
日本応用心理学会
雑誌
応用心理学研究 (ISSN:03874605)
巻号頁・発行日
vol.46, no.1, pp.53-62, 2020-07-31 (Released:2020-10-31)
参考文献数
28

A group work was conducted for newly employed hospital professionals. The program was aimed at relieving their anxiety and helping them develop better relationships. Participants were 31 former students and mid-career staff working at a hospital (mean age = 27.7). Brief POMS was administered as the pre- and post-test to see the change of participants mood. A post-test questionnaire that included subjective assessment items (Nakamura et al., 2011), as well as impressions of group work. An analysis of POMS scores indicated a significant improvement in their mood after the program. The effect sizes also indicated that although the effects of group work are generally high, they are particularly effective for the high risk group. The analysis of subjective evaluation indicated that the participants experienced better relationship in terms of universality, cohesiveness, acceptance (sense of safety), advice and meaningful engagement with other occupations. The group work program with non-invasive warm-up activities for newly workers especially with emotional problems will facilitate adaptation to the workplace.
著者
いとう たけひこ ゴールドスティン キース
出版者
国際生命情報科学会
雑誌
国際生命情報科学会誌 (ISSN:13419226)
巻号頁・発行日
vol.33, no.1, pp.70-75, 2015

地震、津波、そして原発事故と2011年3月11日に東日本大震災で被災した人々への災害支援活動のなかには様々な活動のタイプがある。そのなかでも人々に幸せをもたらす共通の物語のテーマがあるはずである。本研究では1659人の調査に基づいて質的・量的分析をおこない、東北支援のタイプをカテゴリー化した。そして、その中でもコミュニティにたいしてポジティブな経験をもたらすようなものとネガティブな経験をもたらすような場合とで何に差があるかを分析し、「地球幸福憲章」との関連について考察する。
著者
石舘 美弥子 山下 麻実 いとう たけひこ
出版者
日本健康医学会
雑誌
日本健康医学会雑誌 (ISSN:13430025)
巻号頁・発行日
vol.26, no.4, pp.204-211, 2018

<p>わが国の小児病棟では看護師が幼児に対して頻繁に用いることばにオノマトペがある。先行研究では,オノマトペの臨場感ある描写力が幼児にわかりやすく伝えるための重要な要素となること,オノマトペを中心とした文レベルの構造的特徴について報告している。看護師がこれらのオノマトペをどのように習得しているのかを明らかにするため,本研究では,実習を経験する看護学生が医療処置を受ける幼児にどのようなことばかけをするのか,小児看護学実習前後で違いがみられるのかについて調査した。看護学生154名を対象に,質問紙調査を行い,医療処置を受ける幼児へのことばかけを小児看護学実習前後で比較検討した。テキストマイニングソフトウエアを用いて特徴語分析を行った結果,小児看護学実習前は「まっすぐ」「出してほしい」「絆創膏」など成人語がみられたのに対し,小児看護学実習後は「ピーン」「チックン」「マキマキ」「ペッタン」などオノマトペが特徴的にみられた。実習後の方にオノマトペとの強い関係性が示されており,実習前後では言語的対応に差が認められた。看護学生は実習を通して,オノマトペを用いたことばを多用し,子どもに必要なことばかけを修得していることが示唆された。</p>
著者
いとう たけひこ 三浦 楓子
出版者
国際生命情報科学会
雑誌
国際生命情報科学会誌 (ISSN:13419226)
巻号頁・発行日
vol.34, no.2, pp.120-125, 2016

【目的】臨死体験とは、心停止から蘇生した人が体感する体外離脱(幽体離脱)などの科学では解明しきれていない体験である。その報告は多い。臨死体験には人類共通の普遍性と文化の違いによる特殊性があると考えられる。本研究ではこの共通性と文化差とを検討したい。臨死体験中に体験したことの表現から臨死体験の世界を考察する。【方法】立花 隆(2001)『証言・臨死体験』(文春文庫)に掲載されている有名人の臨死体験の事例とウェブサイト「臨死体験/臨死共有体験の掲示板」の臨死体験記録をテキスト化しText Mining Studioを用いてテキストマイニングの手法により単語や係り受け表現などの分析を行い、他の文化圏との特徴の比較をおこなった。【結果と考察】日本人の臨死体験における特徴的な単語として「川」と「花」の両方とも、22名中、各12名が証言している。過半数の体験者にみられた特徴と言えよう。日本人に多く表現される「川」が、西洋にみる光とトンネルとの関連で考察された。しかし、他の文化圏にみられる表現との共通性も同時に指摘された。