著者
髙﨑 三千代 パラストゥティ ロニ 稲葉 みどり
出版者
愛知教育大学
雑誌
愛知教育大学教職キャリアセンター紀要 (ISSN:24240605)
巻号頁・発行日
vol.1, pp.75-83, 2016-03-31

愛知教育大学では、国際交流基金による平成27年度「海外日本語教育インターン派遣プログラム」により、教育学部日本語教育コース1年生1名をインターンとしてインドネシア国立スラバヤ大学へ派遣した。研修を充実したものにするため、双方の大学で連携して指導体制を組み、送り出しから現地での研修、事後の指導までの一連の過程を体系的に行えるような研修プログラムの開発と実践をめざした。プログラムは、「日本語教育研修(教育実習を含む)」「異文化体験」「国際交流・地域交流」の3本の柱を立てて作成した。本稿では、実施したインターン研修プログラム概要の紹介、教育実習の方法、カウンセリング、インターン学生のキャンパス内外での活動・体験に関する報告、プログラム運営面からの報告等を行い、プログラムの役割、成果、課題等を考察した。そして、送り出し側と受け入れ側の双方にメリットのあるプログラムの構築に向けて体制の整備を提案した。
著者
橋口 倫介 鈴木 宣明 シロニス R.L. ペレス F. リーゼンフーバー K. 大谷 啓治
出版者
上智大学
雑誌
一般研究(B)
巻号頁・発行日
1989

本計画の2年目で最終年度に当る平成2年度は13世紀から15世紀までの学者の自己理解と知識観の変遷との関係が研究課題となった。この研究テ-マを計画通りに時代区分に従って3つの分野に分けて研究が進められた。1.13世紀の知識観は、大学とくに神学部と哲学部において形成されたものなので、パリ大学とオックスフォ-ド大学における学問論が主題となり、2.14・15世紀に関して、フランス・ドイツ・イギリスにおける「古き道」と「新しき道」という2通りの学問理解が研究され、3.14世紀後半〜15世紀は、イタリアの人文主義にみられる学問観が研究課題となった。1.に関して、13世紀大学において展開された知識観の内、3つの基本形態が区別できるようになった。(1)12世紀サン=ヴィクトル派の学問観を継承・発展させた旧フランシスコ会学派とくにボナヴェントゥラに代表される神学的学問観では、諸学問を神学の下で統一しようとする伝統的知識観、(2)ボエティウスを通して媒介されたアリストテレスの哲学的学問論を受け継いだドミニコ会とくにトマス・アクィナスによって代表される認識論的知識観、(3)オックスフォ-ドにおける、アラブ哲学とアウグスティヌス主義の光論を基盤とし、中期フランシスコ会学派とくにロジャ-・ベ-コンによって代表される数学的・実用主義的な知識観。2.に関して、14・15世紀ヨ-ロッパ北方において、(1)いわゆる「古き道」のアルベルトゥス学派、トマス学派、スコトゥス学派における体系的で思弁的な学問観、(2)「新しき道」を自称した形式論理的・唯名論的・経験論的な学問観、(3)とくにフランスにおいて登場した自然学・経済学・歴史学などの新学問によって特徴づけられた知識観。3.に関して、14・15世紀イタリアにおける学問を生活・文芸・人間形成と結びつけて考察する初期ルネサンスの知識観を研究し、その社会的背景と学者の精神性との連関性を明確にとらえることができた。