著者
成清 龍之介 三宅 陽一郎
雑誌
研究報告ゲーム情報学(GI) (ISSN:21888736)
巻号頁・発行日
vol.2021-GI-46, no.17, pp.1-8, 2021-06-12

不完全情報の会話ゲーム「インサイダーゲーム」は未だ研究の進められていないゲームであるが,ターゲットの推定,複数の役割を持つエージェント同士の駆け引き,会話を通じた情報量の推移的変化など,人工知能の本質的な問題を豊富に含んでいる.本研究は人工知能エージェントに本ゲームをプレイさせる.まずプレイさせるための準備として,本ゲームにおける人間の思考解析とゲーム進捗の可視化の構築を行う.情報の推移変化の可視化手段として,情報エントロピーを用い,その減少率を観測した.さらにエージェントのプレイ・スタイルの違いは,情報の推移の仕方の差異として観測することができた.
著者
三宅 陽一郎 鳥海 不二夫
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 第35回全国大会(2021)
巻号頁・発行日
pp.3I2GS5e01, 2021 (Released:2021-06-14)

本比較検証実験の目的は,デジタルゲームAIにおいて著者が提案するMCS-AI動的連携モデル(Meta-Character-Spatial AI Dynamic Cooperative Model)がゲームデザインに対してアイデアの多様性をもたらすことを検証することである.MCS-AI動的連携モデルを知った被験者のゲームデザインのアイデアを,知らせなかった被験者と比較することで,MCS-AI動的連携モデルのゲームデザインのアイデアへの影響を比較検証する.被験者は解説文を読んだあと,自由記述式アンケートに回答を記述する.26人の被験者に対するアンケート文を自然言語解析を行い,MCN-AI連携モデル(従来のモデル)のみを知らせた場合と,MCS-AI動的連携モデルも知らせた場合とで,ゲームデザインアイデアにどのような変化が行われるか,を比較した.解答文の形態素解析によってキーワード抽出し共起ネットワークを生成することで,MCS-AI動的連携モデルを調べたグループの回答が、よりAIと連携したアイデアを提案することを明らかにした.