- 著者
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中澤 弥子
三田 コト
- 出版者
- 社団法人日本家政学会
- 雑誌
- 日本家政学会誌 (ISSN:09135227)
- 巻号頁・発行日
- vol.55, no.2, pp.167-179, 2004-02-15
文献調査および長野県在住の消費者を対象としたアンケート調査を行い以下の結果が得た.(1)生イカの購入割合も最も高かったが,塩イカ,煮イカの購入も維持されており,北・東信に比べ南・中信地方で多く利用されるという地域性も認められた.(2)塩イカ,煮イカは,普段から日常食として用いられており,塩イカは酢の物,粕和えやサラダに,煮イカは刺身や酢の物などの和え物に多く用いられていた.(3)30歳代以上の年齢層に比べ,20歳代以下の塩イカ,煮イカについての購入割合や食経験,現在の摂食状況はやや低い傾向が認められたが,今後も食べ続けたいとする回答は20歳代以下でも8割以上と多かった.(4)郷土料理が伝承される重要な要因として,子どもの頃からの母親の手料理による食経験に加え,手軽に料理できること,今の時代に見合うおいしさであることが示された.