著者
長谷川 昌士 河井 秀夫 西脇 健司 向井 公一 北山 淳 三谷 保弘 高見 栄喜 Masashi Hasegawa Hideo Kawai Kenji Nishiwaki Kouiti Mukai Atsushi Kitayama Yasuhiro Mitani Hidenobu Takami
雑誌
四條畷学園大学リハビリテーション学部紀要 = Annual reports of Faculty of Rehabilitation, Shijonawate Gakuen University
巻号頁・発行日
vol.6, pp.13-18, 2010

高校吹奏楽部所属の1~3年生160名に、楽器の練習が影響していると考えられる身体症状についてアンケート調査を実施した. 結果は、チューバ奏者の多くが腰痛を訴えていた. サックス奏者やチューバ奏者には顎関節の痛みが発生していた. サックス奏者やチューバ奏者ならびにパーカッション奏者では利き手側の手関節や手指関節に関節痛が集中していた. また、整形外科的症状以外にも、頭痛、めまい、過呼吸、耳なり、倦怠感などの内科的症状が多くの学生に発生していた. これらの症状が改善できないまま学生は練習を継続していることもわかり、予防や対処法を検討していく必要があると考える.
著者
三谷 保弘
出版者
保健医療学学会
雑誌
保健医療学雑誌 (ISSN:21850399)
巻号頁・発行日
vol.7, no.2, pp.54-60, 2016-10-01 (Released:2016-10-01)
参考文献数
8

本研究の目的は,マーチング演奏が体幹運動と体幹・下肢の筋活動に及ぼす影響について検討することである.10 名の女子大学生を対象とし,トランペットならびにマーチングユーフォニアムを用いたマーチング演奏時の体幹運動と体幹・下肢の筋活動を測定した.トランペットならびにマーチングユーフォニアムを用いたマーチング演奏では,いずれも自然歩行に比べて上部体幹の最大後傾角の増大と,上部体幹の最大前傾角,左右傾斜可動範囲,左右回旋可動範囲の減少が認められた.また,僧帽筋,腰部傍脊柱筋,大腿直筋,大腿二頭筋,腓腹筋の筋活動の増大が認められた.これらの楽器を用いたマーチング演奏では,体幹・下肢の力学的負荷が増大することが示唆された.
著者
長谷川 昌士 三谷 保弘 松木 明好 小枝 英輝 向井 公一 北山 淳 西脇 健司 河井 秀夫
出版者
四條畷学園大学
雑誌
四條畷学園大学リハビリテーション学部紀要 (ISSN:18806856)
巻号頁・発行日
vol.8, pp.39-49, 2012

高校吹奏楽部所属学生を対象に、演奏楽器別に整形外科的症状の出現時期や出現部位について明確にすること、ならびに身体機能評価から整形外科的症状との関係について言及することを目的とした. 方法として身体症状はアンケート調査、身体機能評価は協力できる部員に筋力や関節柔軟性を測定した. 整形外科的症状が出現していた部員の多くはユーフォニウム、チューバ担当であり、比較的、大型の重量楽器を演奏する部員に多かった. また、サックス、パーカッション、カラーガード担当も複数の関節に症状が出現していた. 関節の柔軟性については低下している部員が多く、長座体前屈距離や下肢伸展挙上で全国平均値を下回っていた. また、体幹筋力を評価する上体起こしや背筋力は全国平均値を下回っていた.
著者
向井 公一 三谷 保弘
出版者
公益社団法人 日本理学療法士協会
雑誌
理学療法学Supplement
巻号頁・発行日
vol.2010, pp.AbPI1088, 2011

【目的】Functional Reach Test(以下、FRT)は、動的バランス能力を評価できるとされている。しかし、中村らは、FRTでの最大リーチ距離と足圧中心移動距離には相関が見られないことを報告し、対馬らは、FRTの結果は、関節運動戦略によりリーチ距離や重心の前後移動距離、重心動揺面積が変化することを報告するなど、評価指標としての妥当性について、疑問を投げかける報告が散見されている。今回の研究では、FRTによる重心移動とリーチ距離との関係を明らかにすることを目的とした。<BR><BR>【方法】整形外科的および神経学的疾病を有しない健常男子大学生14名(平均年齢20.6±0.8歳、平均身長171.7±7.2cm、平均体重61.9±5.4kg、平均足長25.2±1.2cm)を対象とした。<BR>被験者は、足位を閉脚とした静止立位にて一側上肢を水平挙上した状態を開始肢位とし、3秒の静止後、合図と共に上肢を出来る限り前方へリーチし3秒間保持する。この際に、1:特に動作に規定を行わず、自由に行わせる(FRT1)、2:開始肢位よりも殿部が後方へ移動しないように制限する(FRT2)という2種類を運動課題とした。両課題共に、動作中は足底全面が設置していることとし、3回計測を施行した。FRT2の施行に際し、殿部後方に棒を設置して動作中に棒に触れた場合は課題の再施行とした。測定器具として、リーチ距離は超音波式距離計測装置(マイゾックス社製P-13)を用いて計測した。また、重心移動距離は重心動揺計(アニマ社製G5500)を用いた。重心移動距離の算出は、安定してほぼ静止している状況では本来の体重心の軌跡とCOPが一致すると仮定し、機器により算出される足圧中心軌跡長(以下、COP)を身体重心の軌跡とした。これに基づき、3秒間の静止立位における前後方向の平均値から、最大リーチ時の前後方向の平均値を差分し、FRT時の重心移動距離とした。尚、リーチ距離および重心移動距離は、身体特性による影響を取り除くため、身長および足長で各々正規化した。統計学的解析は、ピアソンの相関係数、対応のあるt検定を用い、危険率5%とした。<BR><BR>【説明と同意】本研究に際して、実験における意義や目的について十分に説明し、書面にて同意を得た。説明は、本研究の意義、目的、研究参加に伴う不利益や個人情報保護などについて行った。尚、本研究は四條畷学園大学倫理委員会において認証されている。<BR><BR>【結果】各試行の最大リーチ距離は、FRT1は38.1±6.1cm、FRT2が26.2±7.8cm(mean±SD)となり、FRT1が FRT2に比べ有意に長い結果であった(p<0.05)。FRTにおけるCOP移動距離は、FRT1は36.2±7.7%、FRT2が36.6±10.9%(mean±SD)であり、各条件による有意差は認められなかった(p<0.05)。また、リーチ距離とCOP移動距離の関係は、FRT1がr=0.461、FRT2はr=0.354となり、何れも弱い相関関係であった。<BR><BR>【考察】Duncanらの報告では、リーチ距離とCOP移動距離には相関を認めている。今回の結果も相関を認めているものの弱いことから、重心移動をFRTが反映しているとはいい難い。また、FRTの運動戦略として重要と考えられる、股関節戦略を制限したFRT2において、制限を加えなかったFRT1とCOP移動距離には差は認められないが、リーチ距離には差を認めている。この理由として、動作による重心移動は、基底面内での最大前方移動は身体の各重心の位置関係によらず決定するため、股関節戦略を制限したとしても有意な差とはならなかったと考えられた。一方リーチ距離は、関節の自由度によって決定されるため、股関節戦略を制限された場合自由度が少なくなることから、結果として有意に減少したと考えられた。従って、特に異なる股関節運動戦略を用いたFRTを行った場合、リーチ距離の差によって重心移動能力を判定することが必ずしも妥当ではないことを示したと考える。<BR><BR>【理学療法学研究としての意義】FRTは、理学療法の対象者に対する動的バランスの評価として広く使用されている。しかしながら、動的バランスの評価とする場合、重心移動と相対的な関係性が認められる必要があると考えられるが、検証が十分でない。今回の研究で評価指標としての妥当性について明示できたことは、よりよい評価指標へ改善する一助となると考えられる。
著者
三谷 保弘 橋本 雅至 北川 智美 松木 明好
出版者
理学療法科学学会
雑誌
理学療法科学 (ISSN:13411667)
巻号頁・発行日
vol.28, no.5, pp.619-622, 2013 (Released:2013-11-09)
参考文献数
13
被引用文献数
4 1

〔目的〕異なる重さの荷物を持ち上げる際の身体運動を計測し,その特徴を検討した.〔対象〕健常な成人男性13名とした.〔方法〕三次元動作解析装置と床反力計を用いて無負荷,10 kg,15 kgの荷物を持ち上げる際の身体運動を計測した.〔結果〕持ち上げる荷物が重いほど,身体重心の上下移動範囲,膝関節屈曲角度,股関節屈曲角度,股関節伸展モーメント,足関節底屈モーメントは有意に増大し,身体重心の上方への加速度は有意に減少した.足関節背屈角度,体幹前傾角度,膝関節伸展モーメント,身体重心の上方への最大速度は,荷物の重さによる有意差が認められなかった.〔結語〕荷物が重くなるに従い,膝関節屈曲角度,股関節屈曲角度,股関節伸展モーメント,足関節底屈モーメントが増大した.
著者
三谷 保弘
出版者
理学療法科学学会
雑誌
理学療法科学 (ISSN:13411667)
巻号頁・発行日
vol.27, no.6, pp.665-670, 2012 (Released:2013-01-30)
参考文献数
29
被引用文献数
1

〔目的〕下肢アライメントの性差について調査し,男女における傷害発生の特徴との関連性について考察した.〔対象〕健常な男子大学生25名(50脚)と女子大学生25名(50脚)とした.〔方法〕下肢アライメントとしてQ-angle,leg heel angle,アーチ高率を測定した.また,距骨下関節の回内および回外可動域,膝関節の伸展可動域を測定した.〔結果〕Q-angle,距骨下関節の回内および回外可動域,膝関節伸展可動域は,男性に比べて女性で有意に大きかった.その他の項目には,男女に有意差は認められなかった.〔結語〕下肢アライメントおよび関節可動域の性差が男女における傷害発生の特徴に影響を及ぼしている可能性が考えられたが,これらの関係性を十分に明らかにするためにはさらなる検討が必要である.
著者
稲田 竜太 三谷 保弘 植田 篤史
出版者
理学療法科学学会
雑誌
理学療法科学 (ISSN:13411667)
巻号頁・発行日
vol.33, no.2, pp.209-213, 2018 (Released:2018-04-27)
参考文献数
26

〔目的〕大腿四頭筋セッティングの肢位の違いが,大腿四頭筋の筋活動に及ぼす影響について検討した.〔対象と方法〕健常男性10名を対象とし,背臥位ならびに腹臥位でのセッティングを実施した.腹臥位でのセッティングは片脚で行い,非支持側の股関節を伸展0°と最大伸展位の2つに設定した.このときの支持側の大腿直筋,内側広筋,外側広筋の筋活動を表面筋電計にて計測した.〔結果〕非支持側の股関節を最大伸展位にした腹臥位でのセッティングは,他の肢位に比べて支持側の大腿直筋の筋活動が有意に増大した.〔結語〕大腿四頭筋セッティングは,腹臥位にて非支持側の股関節を最大伸展位にすることで支持側の大腿直筋の筋活動が増大することが示唆された.
著者
三谷 保弘
出版者
保健医療学学会
雑誌
保健医療学雑誌
巻号頁・発行日
vol.7, no.2, pp.54-60, 2016

<p><tt>本研究の目的は,マーチング演奏が体幹運動と体幹・下肢の筋活動に及ぼす影響について検討することである.</tt>10 <tt>名の女子大学生を対象とし,トランペットならびにマーチングユーフォニアムを用いたマーチング演奏時の体幹運動と体幹・下肢の筋活動を測定した.トランペットならびにマーチングユーフォニアムを用いたマーチング演奏では,いずれも自然歩行に比べて上部体幹の最大後傾角の増大と,上部体幹の最大前傾角,左右傾斜可動範囲,左右回旋可動範囲の減少が認められた.また,僧帽筋,</tt>腰部傍脊柱筋,大腿直筋,大腿二頭筋,腓腹筋の筋活動の増大が認められた.これらの楽器を用いたマーチング演奏では,体幹・下肢の力学的負荷が増大することが示唆された.</p>
著者
長谷川 昌士 河井 秀夫 西脇 健司 向井 公一 北山 淳 三谷 保弘 高見 栄喜 Masashi Hasegawa Hideo Kawai Kenji Nishiwaki Kouiti Mukai Atsushi Kitayama Yasuhiro Mitani Hidenobu Takami
出版者
四條畷学園大学
雑誌
四條畷学園大学リハビリテーション学部紀要 = Annual reports of Faculty of Rehabilitation, Shijonawate Gakuen University (ISSN:18806856)
巻号頁・発行日
vol.6, pp.13-18, 2010

高校吹奏楽部所属の1~3年生160名に、楽器の練習が影響していると考えられる身体症状についてアンケート調査を実施した. 結果は、チューバ奏者の多くが腰痛を訴えていた. サックス奏者やチューバ奏者には顎関節の痛みが発生していた. サックス奏者やチューバ奏者ならびにパーカッション奏者では利き手側の手関節や手指関節に関節痛が集中していた. また、整形外科的症状以外にも、頭痛、めまい、過呼吸、耳なり、倦怠感などの内科的症状が多くの学生に発生していた. これらの症状が改善できないまま学生は練習を継続していることもわかり、予防や対処法を検討していく必要があると考える.I carried out questionary survey about the physical symptom that it was thought that the exercise of the musical instrument influenced 160 1-3 year students of the high school brass band club position. Most of tubists appealed to the result for low back pain. To a saxophone player and a tubist, the pain of the temporomandibular joint occurred. In a saxophone player and a tubist and the percussion players, arthralgia concentrated on a wrist and finger joint of the handedness side. In addition, as well as an orthopedic symptom, medical symptoms such as a headache, dizziness, hyperpnoea, ringing in the ears, the lassitude occurred to many students. The student practices being able to improve these symptoms and thinks that it is necessary to examine the prevention and actions to be taken.