著者
吉川 泰弘 稲葉 睦 浅井 史敏 尾崎 博 遠藤 大二 澁谷 泉 山下 和人 北川 均 新井 敏郎 高井 伸二 杉山 誠 上地 正実 鎌田 寛
出版者
北里大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2012-04-01

わが国の全16獣医系大学における参加型実習に入る段階の学生の質を全国一定水準に確保することを目的とし、知識を評価するCBT (Computer-Based Testing)と技能と態度を評価するOSCE (Objective Structured Clinical Examination)の二つからなる獣医学共用試験について、CBT問題作成システム、問題精選システム、問題出題システム、評価システムを開発し、平成25年と26年に渡り、16大学を対象としてCBTトライアルを実施した。同時に、OSCE試験の態度と技能を確認する医療面接試験並びに実地試験を開発した。
著者
堀 泰智 上地 正実 小儀 昇
出版者
動物臨床医学会
雑誌
動物臨床医学 (ISSN:13446991)
巻号頁・発行日
vol.14, no.3, pp.99-103, 2005 (Released:2007-11-13)
参考文献数
11

12歳齢の雑種犬において顔面浮腫,腹囲膨満がみられた。血液生化学検査では低蛋白血症,低アルブミン血症がみられ,単純X線検査では腹水,胸水が確認された。腹部超音波検査では肝臓辺縁の鈍化,胆管拡張,膵臓の腫大,十二指腸の肥厚が認められたことから慢性膵炎が疑われた。症例は予後不良と判断されたため安楽死とした。病理解剖検査ならびに病理組織学的検査の結果,胆嚢炎,慢性膵炎,リンパ球形質細胞性腸炎と診断された。膵臓の腫脹,辺縁鈍化がみられた本例では,慢性膵炎の鑑別診断に腹部超音波検査が有用であった。
著者
原田 佳代子 上地 正実 千葉 菜穂 海老澤 崇史 阪本 裕美 浅野 和之 水越 崇博 福井 亨
出版者
日本獸医師会
雑誌
日本獣医師会雑誌 = Journal of the Japan Veterinary Medical Association (ISSN:04466454)
巻号頁・発行日
vol.61, no.5, pp.390-394, 2008-05-20
参考文献数
16

キャバリア・キング・チャールズ・スパニエル、去勢雄、7歳齢が運動不耐性、発咳、呼吸困難を主訴に紹介来院した。グレード5/6の心雑音が左側心尖の領域で聴取された。胸部X線検査では、心陰影は著しく拡大し、肺水腫が認められた。心臓超音波検査では著しい僧帽弁逆流と拡張した左心房が観察された(LA/Ao:3.5)。これらの所見から、腱索断裂による重篤な僧帽弁閉鎖不全症と診断した。僧帽弁閉鎖不全は、人工心肺を使用して僧帽弁形成術によって整復された。手術2カ月後では、症例は臨床的に健康であり、心臓超音波検査で僧帽弁逆流が顕著に減少していることを認めた。この症例から、キャバリア・キング・チャールズ・スパニエルの僧帽弁閉鎖不全が僧帽弁形成術によって修正できることが示唆された。