著者
有冨 孝一 上坂 克巳 柴崎 亮介
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集F (ISSN:18806074)
巻号頁・発行日
vol.66, no.4, pp.623-634, 2010 (Released:2010-12-20)
参考文献数
56

図面による土木構造物のモデル化は,寸法値により設計意図を適切に表現できる.しかし,図面上の座標値は,表現できる精度が用紙の大きさにより制約を受けるので,実寸大の座標値を正確に再現できない.また,平面直角座標系による座標値は地球の曲率による縮尺補正,標高差による投影補正が必要である.しかし,これらの補正では1万分の1の精度までしか補正できず,標高軸が現場の標高軸と異なる.  本研究は,土木構造物の3次元設計モデルを,地球を3次元多様体空間と仮定し,任意の地点で地表の水平面が重力方向の方向軸と鉛直な3次元直交座標系を使用でき,設計長と実測延長と比較検証して一致することを示した.
著者
関谷 浩孝 上坂 克巳 小林 正憲 南部 浩之
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集D3(土木計画学) (ISSN:21856540)
巻号頁・発行日
vol.67, no.5, pp.67_I_769-67_I_777, 2011 (Released:2012-12-28)
参考文献数
8
被引用文献数
1 1

貨物車の経路選択行動についての既往研究では,所要時間及び費用に加え,道路構造,出発時刻,予測所要時間情報提供の有無等を説明変数とした研究は見られるものの,輸送品の特性に着目した研究は少ない.そこで,本研究では「要冷蔵の有無」及び「到着時間指定の有無」といった輸送品の特性を表す指標と,貨物車の経路選択行動との間に関係があることを実証データを用いて明らかにした.具体的には,物流センサスデータを用い,上記2つの指標それぞれと「高速道路利用の有無」の関係を分析し,冷蔵が必要な品物及び到着時間を指定された品物は,高速道路を利用して輸送される割合が大きいことを示した.
著者
福島 直樹 佐々木 邦明 上坂 克巳 小菅 英恵
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集 (ISSN:24366021)
巻号頁・発行日
vol.79, no.4, pp.22-00031, 2023 (Released:2023-04-20)
参考文献数
13

高齢運転者が健康状態に問題を感じながらも,代替的な移動手段が確保できないことから,運転を継続しているとの報告がなされている.このことから,高齢運転者の運転頻度は,個人的な要因だけでなく,地域的な要因が影響していることが指摘されてきた.そこで本研究は,教習所での高齢者講習時のアンケート調査で得られた,高齢者の目的別の運転頻度データを用いて,高齢運転者の運転頻度とアクセシビリティ,ウォーカビリティなどの地域の移動環境との関係性について検証を行った.ロジスティック回帰分析によって両者の関係を分析したところ,複数の目的の運転頻度において,地域のアクセシビリティ指標やウォーカビリティ指標が有意な係数を持つことが確認され,地域移動環境と高齢運転者の運転頻度に関係性があることが示された.
著者
上坂 克巳 木村 健治 大西 博文 千葉 隆 高木 興一
出版者
社団法人 日本騒音制御工学会
雑誌
騒音制御 (ISSN:03868761)
巻号頁・発行日
vol.25, no.4, pp.233-242, 2001-08-01
参考文献数
7
被引用文献数
9

平面道路に面した市街地を道路近接建物列と背後建物群に大別してモデル化し, 道路と平行な評価区間における等価騒音レベルの空間平均値 (区間平均等価騒音レベル) を簡易に計算する方法を検討した。道路近接建物列の間隙率及び背後建物群の建物密度, 奥行きをパラメータとして計算する方法と, 対象街区全体の平均的な建物密度だけをパラメータとして計算する方法を提案し, それらの計算方法の妥当性を全国33箇所におよぶ現地調査結果との比較により検証した。その結果, 前者の方法がやや計算精度が高いものの, 両方法とも沿道騒音の広域的な予測・評価には十分活用できることが明らかとなった。