著者
佐藤 創
出版者
専修大学情報科学研究所
雑誌
専修大学情報科学研究所所報
巻号頁・発行日
vol.76, pp.37-52, 2011-06-30

QR コード(Quick Response code)は部品管理のための2次元バーコードとして開発され, カメラ付き携帯電話と結合したことによって急速に普及しました。QR コードには短縮リード・ソロモン符号による誤り訂正機能が活用されています。自らプログラムを書けるほどにその符号化・復号アルゴリズムを理解するためには, 符号理論の本を読むのが常道ですが, それはなかなか難しいことです。ここではベクトルや行列などを学習した学生が読解できるような自己完結的な解説を試み,「なぜ未知の誤りの訂正ができるのか」という基本的な問いに丁寧に答えることにしました。このテーマは「線形代数」の格好の教材であると思っています。
著者
石鎚 英也
出版者
専修大学情報科学研究所
雑誌
情報科学研究 (ISSN:02866048)
巻号頁・発行日
vol.30, pp.1-34, 2010-03-01

It is widely known that various anomalies and stylized facts go with stock prices. Volatility clustering and calendar effects in price time series are well-known examples. Some traders take advantage of such market distortions to increase their profits or reduce the risks of trading. Pairs trading is one of their practical and typical ways. In this paper, time-series data of stock prices in the first section of the Tokyo Stock Exchange are investigated, and risks in and rewards for pairs trading is evaluated through computer simulation.
著者
小川 健
出版者
専修大学情報科学研究所
雑誌
専修大学情報科学研究所所報
巻号頁・発行日
no.97, pp.11-17, 2021-01

本稿ではMicrosoft Mathematics等の(統計用とは異なる)ソフトウェアにおける理論経済・経済数学の基礎教育への活用を取り上げる.特に生産量1変数の利潤最大化からホテリングの補題まで含めた比較静学の部分等は本来手計算を中心とした項目ではあるが,ソフトウェアを活用することで統計とは異なる用途の重要性が映し出されるし,統計的な項目などでもMicrosoft Mathematicsの視認性は単純だが実用性のある項目などに使い易い部分があり,Microsoft Excel等との使い分けができ相互に補完可能な項目である.また,時代の変化に伴ってMicrosoft Word等のアドインからスマホ版・オンライン版へとMicrosoft Mathematicsで重視される特性が変わってきたこともあり,GeoGebra等の類似ソフトとの比較も込みで取り上げ,コンピュータ経済学の復権の足掛かりとする.
著者
間嶋 崇 植竹 朋文
出版者
専修大学情報科学研究所
雑誌
専修大学情報科学研究所所報
巻号頁・発行日
vol.98, pp.1-8, 2021-07-31

新型コロナウイルス感染症の流行拡大によって,大学などの教育機関においてはオンライン講義が一般化し一定の教育効果を上げてきている.しかし一方でディスカッションを伴う演習やグループワークなどの協同学習においては,オンライン環境では十分な効果が得難いことも指摘されており,対面環境での学習の重要性も認識されている.したがって,このような状況においては,オンライン環境での協同学習の実施方法の工夫ももちろん探求する必要があるが,三密を避けた形で対面による協同学習の効果的方法の探求も必要であると考える.そこで本研究では,ソーシャルディスタンスを意識した対面による効果的なグループワーク手法の試案する.
著者
上平 崇仁
出版者
専修大学情報科学研究所
雑誌
専修大学情報科学研究所所報
巻号頁・発行日
no.80, pp.1-9, 2013-06

北欧のデザインの文化を参照する上で,プロダクトやインテリアだけではなく,公共空間におけるコミュニケーションのデザインにどのような配慮を行われているのかを分析することは重要であると考えられる.そこでコペンハーゲン(デンマーク)とストックホルム(スウェーデン)を訪れて実地調査を行った.本稿はその時に採集を行った写真とメモを整理したものである.北欧の街中に溶け込んでいるデザイン事例を日本人の筆者の視点から解釈し、コミュニケーションデザインの観点からの考察を行い,日本の側の読者に両国のデザイン文化について紹介する.
著者
新保 好美 山縣 修
出版者
専修大学情報科学研究所
雑誌
専修大学情報科学研究所所報
巻号頁・発行日
no.81, pp.10-13, 2013-11

「情報処理入門」では科目の総演習として学生にWordとExcelを用いたレポート作成を課している。その際、教員による操作説明はなく、教科書を見るなどして自力で作成させている。このような学生の自助努力を支援するために教科書の補助教材として、WordやExcelの操作を録画した動画コンテンツを作成しWebサイトから学生が閲覧できるようにした。なお動画コンテンツは本学情報科学センターのストリーミング型サーバdogaにアップした。本稿では、学生の閲覧状況をdogaのアクセスログから分析し、学生の操作スキルとの相関を調べ、動画コンテンツの有効性を評価した。その結果、動画コンテンツが教科書の補助教材として有効であることがわかった。As a total review of the subject "Introduction to Information Processing", the students have to make reports in Word and Excel by themselves, in other words by reading their textbooks instead of the operation explanation of the teacher. Here, we constructed websites with video contents showing how to operate Word and Excel, and let the students watch them as supplementing the textbook. In this report, we analyzed the access log of the video streaming server "doga", examined the relationship between the viewing rates and the students' operational skills, assessed the effectiveness of the video contents and found them effective in supplementing the textbook.
著者
綿貫 理明
出版者
専修大学情報科学研究所
雑誌
専修大学情報科学研究所所報
巻号頁・発行日
vol.91, pp.1-8, 2018-01-31

筆者は、本学の教育・研究の理念「社会知性の開発」に基づき、産官学連携を推進し、成果を学外で公開する努力を継続してきた。最後の年にあたり、研究室と学生の成果を10年に及ぶ川崎国際環境技術展への出展の詳細を回想する。18歳人口が急激に減少する時代において、研究の成果を実世界とサイバー世界に発信することは必須である。
著者
浅井 修 中村 龍二 綿貫 理明
出版者
専修大学情報科学研究所
雑誌
専修大学情報科学研究所所報
巻号頁・発行日
vol.83, pp.7-12, 2014-07-15

開発時には主として発電量を高めることを目的とした自転車型人力発電機を, 操縦者の脈拍データを測定し発電負荷にフィードバックすることにより, 人間の体力・疲労度に応じて発電量の負荷を調整できるシステムに改良した. 機械中心のシステムから, 人間中心の"人にやさしい発電システム"へと進化させた.
著者
赤坂 貴志 飯塚 佳代
出版者
専修大学情報科学研究所
雑誌
専修大学情報科学研究所所報
巻号頁・発行日
no.92, pp.7-11, 2018-07

私たちの生活を取り巻くものとしてスマートフォンは欠かせないものとなりつつある.スマートフォンの利用者増加に伴いソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)の利用者も増加傾向にある.本研究では,現代社会における若者へのSNSの浸透の深さに着目し,インスタグラム利用者におけるファッションの購買行動について19歳~30歳の若者を対象に調査を行い,ファッション認識・行動にInstagramがどのように影響するかについて分析を行った.
著者
河野 敏鑑
出版者
専修大学情報科学研究所
雑誌
情報科学研究 (ISSN:02866048)
巻号頁・発行日
vol.39, pp.1-13, 2019-03-01

Along with the aging of society and the progress of information technology, the time people have for the lifetime is increasing. In addition, values have also been transformed, and more people are engaged in production activities (labor) without financial rewards such as development of freeware. We investigate labor supply function under the assumption that labor utility is positive and that consuming goods needs consuming time. In this paper, we show that the market equilibrium is not Pareto efficient under the condition that persons to have disutility for labor and persons to have utility for labor coexist. Furthermore, we show that labor supply function decreases in wage rate when time constraint has meaning. This result maintains whether labor has utility or disutility. Therefore, the well-acquainted assumption that labor supply function increases in wage rate depends on the isolated condition that we ignore the fact that consuming goods needs consuming time and time constraint.
著者
小林 隆
出版者
専修大学情報科学研究所
雑誌
専修大学情報科学研究所所報
巻号頁・発行日
no.78, pp.29-36, 2012-06

ビジネスプロセスデザインにおいて、過去の事例を知識ベース化し新たなデザインに活用すること、すなわちパターンアプローチが重要である。一般に、プロセス改善は、対象プロセスの問題点をリストアップし、問題点の根本的な原因を究明して解決課題を明らかにし、課題を実現する解決策を考案するという手順で行う。従って、パターン作成の対象となるテーマは問題点、解決課題、解決策の3つである。これらのテーマのうち問題点と解決策は、対象業務の実行環境に依存するため個別性が高いが、解決課題は業務上の問題点の根本的な原因として得られる抽象レベルの高いものであるためパターン化しやすい。そこで、本論文では、解決課題に着目してパターン化を行った。ここでは、企業のビジネスプロセスを顧客管理、業務管理、イノベーションという3タイプに分類するとともに、ビジネスプロセスのステップを準備、交渉、実行、受入の4フェーズに分類し、それらの分類ごとに解決課題をパターン化した。そして、クレジットカード発行プロセスの事例により、提案方法の有効性を示した。
著者
上平 崇仁
出版者
専修大学情報科学研究所
雑誌
専修大学情報科学研究所所報
巻号頁・発行日
no.82, pp.9-14, 2014-02

デザインのように人間の創造性が関わる営みにおいては,単発のアイデアよりも,対象が変わっても新鮮なアイデアを生産し続けられる良質な方法や考え方を体得できるかが重要となる.そこで,我々の思考を水面下で支えている身体の位置づけについて再考するために,演劇分野で行われてきたインプロビゼーションを取り入れたトレーニングとその応用事例としてのワークショップを紹介する.デザイン教育におけるインプロの効果として, 1)発想トレーニング, 2)チームビルディング, 3)寸劇の場面描写スキル,の3つを上げ,特に1)の発想トレーニングとして,ブレーンストーミングとの深い関係性を追いながら,デザインにおけるアイデア発想における身体性,その学びがもたらす意味について考察する.
著者
赤坂 貴志 飯塚 佳代
出版者
専修大学情報科学研究所
雑誌
専修大学情報科学研究所所報
巻号頁・発行日
vol.92, pp.7-11, 2018-07-31 (Released:2018-10-05)

私たちの生活を取り巻くものとしてスマートフォンは欠かせないものとなりつつある.スマートフォンの利用者増加に伴いソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)の利用者も増加傾向にある.本研究では,現代社会における若者へのSNSの浸透の深さに着目し,インスタグラム利用者におけるファッションの購買行動について19歳~30歳の若者を対象に調査を行い,ファッション認識・行動にInstagramがどのように影響するかについて分析を行った. Smartphones are becoming indispensable in our modern human lifestyles. In accord with the increasing of the smartphone users, social networking services (SNS) users are also increasing. In this paper, the authors analyzed how Instagram impacts the awareness and behavior of young people (from 19 to 30 years old)'s fashion under the condition that Instagram is spreading to them.
著者
上平 崇仁
出版者
専修大学情報科学研究所
雑誌
専修大学情報科学研究所所報
巻号頁・発行日
vol.90, pp.1-8, 2017-07-31

情報過多時代のコミュニケーションデザインにおいては,従来の発信者と受信者を一方通行として捉える伝達型モデルを超えた統合的な仕組みをデザインする必要がある.ここでは新しく関係を生み出すものとして生成的なコミュニケーションデザインを仮定し,その生成的な行為を生み出す社会的な原理について,贈与の視点を提案した.また,その具体的な事例として大学の宣伝活動と進路を決める高校生の関係をデザインすることを目的として「つなぐカフェ」を企画と実践を取り上げ,贈与の視点から解釈を行い出来事の意味を整理した.また課題として自発的な贈与を生むような継続的な信頼関係を育む土壌が必要となることを指摘した.This paper discusses a viewpoint of gifting in generative communication design. It is important for us who live in excessive information society to design generative communication beyond traditional transmission model. I proposed a viewpoint of gift as a social principle that creates that activity. In addition, as a case study, we practiced a "tunagu cafe" aimed at designing the relationship between the advertisement of the university and the high school students who suffer from career path.
著者
佐藤 創
出版者
専修大学情報科学研究所
雑誌
専修大学情報科学研究所所報
巻号頁・発行日
no.76, pp.37-52, 2011-06
被引用文献数
2

QR コード(Quick Response code)は部品管理のための2次元バーコードとして開発され, カメラ付き携帯電話と結合したことによって急速に普及しました。QR コードには短縮リード・ソロモン符号による誤り訂正機能が活用されています。自らプログラムを書けるほどにその符号化・復号アルゴリズムを理解するためには, 符号理論の本を読むのが常道ですが, それはなかなか難しいことです。ここではベクトルや行列などを学習した学生が読解できるような自己完結的な解説を試み,「なぜ未知の誤りの訂正ができるのか」という基本的な問いに丁寧に答えることにしました。このテーマは「線形代数」の格好の教材であると思っています。
著者
佐藤 創
出版者
専修大学情報科学研究所
雑誌
専修大学情報科学研究所所報
巻号頁・発行日
no.76, pp.37-52, 2011-06
被引用文献数
2

QR コード(Quick Response code)は部品管理のための2次元バーコードとして開発され, カメラ付き携帯電話と結合したことによって急速に普及しました。QR コードには短縮リード・ソロモン符号による誤り訂正機能が活用されています。自らプログラムを書けるほどにその符号化・復号アルゴリズムを理解するためには, 符号理論の本を読むのが常道ですが, それはなかなか難しいことです。ここではベクトルや行列などを学習した学生が読解できるような自己完結的な解説を試み,「なぜ未知の誤りの訂正ができるのか」という基本的な問いに丁寧に答えることにしました。このテーマは「線形代数」の格好の教材であると思っています。
著者
河内 祐香里 森本 祥一
出版者
専修大学情報科学研究所
雑誌
専修大学情報科学研究所所報
巻号頁・発行日
vol.80, pp.25-35, 2013-06-15 (Released:2013-06-28)

商店街活性化に有効な手段の一つにフリーペーパーがある.フリーペーパーとは,特定の読者を狙い,無料で配布する情報誌である.その多くは,特定の地域に絞ってその地域の人々に役立つ情報を掲載している,地域に密着した生活情報誌である.このような特徴を活かし,商店街に密着したフリーペーパーも発行されており,競合する商業施設との差別化や商店街の活性化を図っている.しかし,その効果を得るためには労力がかかることや,費用対効果が不明確,といった問題がある.よって本研究では,実在する商店街の協力のもと,フリーペーパーの作成を通じて作成方法の明確化とアンケートによる効果の検証を行った.更に,これらの実践結果に基づき,商店街活性化施策の考察を行った.本研究の成果により,フリーペーパーが商店街の情報発信の起点となり,商店街活性化の一助となることを目指す. A free newspaper is a means of regional vitalization, which is distributed free of charge. It is a magazine collecting localized information for the inhabitants and a tool for community-based public relations. Thus a shopping street aims at differentiation from the other competitors through the street’s free newspaper focusing on the PR of community-based information about everyday life in the area. However, the publication of effective free newspapers requires expertise and its cost effectiveness is not clear. Therefore, we have arranged the production method and evaluated the effect through the actual publication in industry-academia cooperation.