著者
上村 浩一
出版者
一般社団法人日本衛生学会
雑誌
日本衛生学雑誌 (ISSN:00215082)
巻号頁・発行日
vol.67, no.3, pp.363-374, 2012 (Released:2012-06-26)
参考文献数
51
被引用文献数
8 10

Persistent organic pollutants (POPs) are a group of chemical substances that have the common properties of resistance to biodegradation, wide-range transportation, high lipophilicity, bioaccumulation in fat, and biomagnification in the food chain. POPs are persistent in the environment worldwide and have potential adverse impacts on human health and the environment. Polychlorinated dibenzo-p-dioxins (PCDDs), polychlorinated dibenzofurans (PCDFs), and polychlorinated biphenyls (PCBs) are well known chemicals that are considered as POPs. The association between high-level exposure to dioxins and type 2 diabetes among U.S. Air Force veterans who had been exposed to Agent Orange contaminated with 2,3,7,8-tetrachlorodibenzo-p-dioxin (TCDD) during the Vietnam War was reported in the late 1990s. This association has been supported by similar epidemiologic studies, whose subjects were exposed to high doses of dioxins in their places of work involving phenoxyacid herbicide production and spraying, and in the industrial accident in Seveso, Italy. Recently, low-level exposure to dioxins and PCBs has been reported to be linked to type 2 diabetes. Cross-sectional studies in the U.S. general population and Japanese general population showed that body burden levels of some dioxins and PCBs were strongly associated with the prevalence of type 2 diabetes. Very recently, following these cross-sectional studies, several prospective studies have suggested that low-level exposure to some PCBs predicted the future risk of type 2 diabetes in the general population. Environmental exposure to some dioxins and PCBs, which mainly accumulate in adipose tissue, may play a role in the development of type 2 diabetes.
著者
森 美奈子 上村 浩 竹林 正樹
出版者
日本健康教育学会
雑誌
日本健康教育学会誌 (ISSN:13402560)
巻号頁・発行日
vol.30, no.2, pp.146-153, 2022-05-31 (Released:2022-06-10)
参考文献数
25

目的:ナッジが設計された社員食堂での健康メニュー選択促進の実践と利用者の状況等の報告を目的とした.活動内容:特定非営利活動法人TABLE FOR TWO Internationalと契約した社員食堂では,ナッジのEASTフレームワークに則って健康メニュー選択を促進している.Easyナッジとして,手に取りやすい場所に健康メニューを配置し,健康メニューを選ぶと20円が自動的に寄付できる仕組みとした.Attractiveナッジとして,手書きポップで健康メニューを強調し,支援を受けた子どもの笑顔の写真を掲示した.Socialナッジとして,開発途上国の学校給食への寄付数を,Timelyナッジとして,今すぐに援助を要する子どもがいることを掲示した.活動評価:参加群(当該社員食堂利用者)100名に質問紙調査を,未参加群(当該社員食堂を利用したことのない労働者)70名にウェブ調査を実施した.参加群(解析対象者47名)は,未参加群(同70名)より社会貢献活動と健康メニューの両方に興味がある者が多く,ボランティア活動の参加経験率も高かった(いずれもP<0.001).参加群の利用期間は平均29.3か月,今後も継続利用したい者が71.0%だった.これらのナッジは,既存のナッジの弱点である「短期的効果」を克服できる可能性が示唆された.今後の課題:本実践では各群で調査法が異なったこと等の限界があるため,今後は同一企業の社員を対象に条件を揃えて検証する必要がある.
著者
谷口 公二 上村 浩信 小成 英寿
出版者
室蘭工業大学
雑誌
室蘭工業大学研究報告. 文科編 = Memoirs of the Muroran Institute of Technology. Cultural science (ISSN:05802407)
巻号頁・発行日
vol.41, pp.151-159, 1991-11-11

In order to examine the heart rates during sleep by various exercises,heart rates during exer cises and sleep were measured. Changes of heart rates during sleep were seen in the first period of 2 -3 hours. We concluded that the condition of exercises effects the quality of sleep.
著者
水科 篤郎 伊藤 竜象 上村 浩 中村 昭夫
出版者
公益社団法人 化学工学会
雑誌
化学工学 (ISSN:03759253)
巻号頁・発行日
vol.33, no.5, pp.429-435,a1, 1969-05-05 (Released:2010-10-07)
参考文献数
10

凝縮性蒸気1成分が混入しているガス系用の多管式冷却凝縮器の熱的設計のために2種類の簡略設計法を提案した。第1の方法では水温を入口, 出口の温度の算術平均に一定しているものとして扱い, 第2の方法では単純向流を仮定した算出面積を通常の多管式熱交換器の設計に用いられる温度差補正係数で補正して所要伝熱面積を求める。両方法を実験結果に適用した結果, 共に実面積に十分近い計算面積を与え, より厳密な逐次計算の結果ともよく一致した。
著者
今野 美紀 丸山 知子 和泉 比佐子 澤田 いずみ 上村 浩太
出版者
札幌医科大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2003

本研究は(1)入院児の親を対象に家庭における喫煙状況を調査し、子どもへの受動喫煙の実態を調査する、(2)入院児の親を対象に「禁煙と健康支援活動」を行い、その効果を親の変化と携わった看護師の変化から検討する、以上の2点を目的に調査と看護介入を行った。1.入院児をもつ親の家庭における喫煙状況入院児の喫煙する親50名への調査の結果より、児の殆どは家庭内で受動喫煙に曝露されていた。作成したパンフレットから「換気扇や空気清浄機ではタバコ煙の影響を無くせないこと」を新たに学んだ、と述べる者もおり、禁煙・分煙について正確な知識提供の必要性が示唆された。禁煙に無関心な親は「喫煙をストレス解消の手段」と捉えていたが、禁煙に関心ある親は子どもや家族、自分の健康への影響を案じており、医療者からの禁煙助言を希望する割合が増えた。2.入院児の親に行った「禁煙と健康支援活動」の効果平成17〜18年度に療育目的に母子入院した児の親61名を対象に「禁煙と健康支援活動」を行った。その結果、親の喫煙知識が増えたが、本人の喫煙本数、禁煙の準備性に変化は見られなかった。看護師の喫煙知識は有意に増え、禁煙に携わる自信も次第に高まった。看護師は無関心な喫煙者に対応する困難さや子どもの障害のリスクゆえに喫煙を話題にする躊躇を覚え、親の禁煙意思に影響を与える環境の大きさを感じながらも、入院児の親の禁煙試行を励まし、子どもの健康と関連づけて禁煙の動機付けを高めるよう情報提供をしていた。病棟としては親の禁煙への関心を喚起し、禁煙を話題にしやすい雰囲気を醸成していた。