著者
上田 和夫
出版者
福岡大学
雑誌
福岡大学研究部論集. A, 人文科学編 (ISSN:13464698)
巻号頁・発行日
vol.5, no.5, pp.1-172, 2006-03
著者
上田 和夫
出版者
一般社団法人日本物理学会
雑誌
日本物理學會誌 (ISSN:00290181)
巻号頁・発行日
vol.65, no.5, pp.316-323, 2010-05-05
参考文献数
51

抵抗極小の現象に対する近藤効果による説明は多体効果の研究の本格的な幕開けを告げるものであった.不純物スピンに関する近藤効果の本質が明らかになるとともに,多体相関の研究は局所的問題から格子系へと展開し,重い電子系からさらには銅酸化物超伝導体を含め強相関電子系の磁性と超伝導というジャンルを形成した.一方,ナノサイエンスの舞台である二次元電子系の量子ドットにおける輸送現象にも近藤効果が本質的役割を果たすことが明らかになり,非平衡状態における多体相関が関心を集めている.近藤効果に淵源を持つこれら二大潮流の研究の現状と今後の動向について私見を述べる.
著者
上田 和夫
出版者
福岡大学
雑誌
福岡大学研究部論集. A, 人文科学編 (ISSN:13464698)
巻号頁・発行日
vol.9, no.2, pp.43-79, 2009-06
著者
上田 和夫
出版者
一般社団法人 日本音響学会
雑誌
日本音響学会誌 (ISSN:03694232)
巻号頁・発行日
vol.44, no.2, pp.102-107, 1988-02-01 (Released:2017-06-02)
被引用文献数
7

音色の表現語に階層構造が存在するかどうかを調べるための手がかりを得ることを目的として質問紙法による心理実験を行った。114語の音色表現語について、その使用頻度を7段階尺度で166名の被験者が評定した。主観的評定の結果に基づき、114語の中から50語が選択された。160名の被験者がこれらの表現語の主観的印象を次の四つの尺度--(1)具体的-抽象的、(2)単純-複雑、(3)客観的-主観的、(4)表現された音色を想起することの困難さ--により評定した。また、表現された音色の類似性を分類法により測定した。結果を多次元尺度法とクラスタ分析により分析した。分析結果から、音色表現語の階層構造が解釈された。本研究は人間の音色知覚機構について更に研究するための基礎となるであろう。
著者
上田 和夫 紺谷 浩
出版者
東京大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
1995

現在までに知られている磁性体の中でもっとも複雑な相図を示すことで良く知られているのはCeSbである。磁場-温度平面での階段状の複雑な相図はデビルズ・ステアケース(悪魔の階段)と呼ばれている。CeSbに限らず一般のCeX(X=P,As,Bi,Sb)で程度の差はあれ、複雑な磁気相図が見られることは、この現象の背後に一般的なメカニズムが存在することを示唆している。CeXがその他のセリウム化合物とことなる特徴は、この系におけるキャリアーの数が大変少ないことで、CeXは小数キャリアー系と呼ばれている。CeXのキャリアーはΓ点のホールとX点の電子からなり立っている。このような、半金属ではそれぞれのキャリアーに対する近藤結合に加えて、電子からホールへ遷移する際にf電子とのスピン交換を伴うプロセスが可能になる。この非対角的交換相互作用にともなう運動量変化は反強磁性波数ベクトルに対応するから、この非対角相互作用は反強磁性的に働くことになる。対角(バンド内),非対角(バンド間)交換相互作用にもとづく二種類のRKKY相互作用の間のフラストレーションがCeXで見られるデビルズ・ステアケースを理解する鍵と考えられる。当研究課題での研究によりこの考えが正しいことが、簡単な一次元モデルを用いて検証された。このRKKY相互作用は、局在スピンによって誘起される磁気的フリーデル振動がその起源である。その詳細を調べるため、近藤格子モデルに対する密度行列繰り込み群のプログラムを開発し、常磁性における電荷およびスピンのフリーデル振動を観測することが出来た。。その周期から、近藤格子の常磁性相では、フェルミ波数が伝導電子の密度に局在スピンの数を加えたもので決まっている、すなわちフェルミ面が大きいことが明らかになった。
著者
上田 和夫 常次 宏一
出版者
一般社団法人日本物理学会
雑誌
日本物理學會誌 (ISSN:00290181)
巻号頁・発行日
vol.48, no.9, pp.704-712, 1993-09-05

セリウム,アクチノイドの金属化合物で強い電子相関によって生じる重い電子系は,固体物理の中心課題の一つです.重い準粒子を舞台に磁性,超伝導,励起ギャップの出現など実に多様な現象が繰り広げられています.最近,重い電子系の基礎的モデルである近藤格子について,1次元の基底状態相図が明らかになりました.1次元とはいえ,既に個性豊かな種々相が登場し,重い電子系の多様性を垣間見ることが出来ます.
著者
REMIJN Gerard Bastiaan 上田 和夫 豊岡 哲郎
出版者
九州大学大学院芸術工学研究院紀要『芸術工学研究』編集委員会
雑誌
芸術工学研究 : 九州大学大学院芸術工学研究院紀要 (ISSN:13490915)
巻号頁・発行日
vol.15, pp.65-70, 2011

標準的な英語において, 名詞の複数形は/s/や/z/といった語音で表現される。これらは通常, 強勢が置かれず, 雑音のような音の性質を持っている。このことにより, (雑音の多い)学習環境においては, 複数形語尾の知覚が困難になる可能性がある。特に, 第二言語として英語を学習する場合, かつ, 学習者の母語では名詞の複数形語尾変化があまり行われない場合には, このことが顕著となる可能性がある。しかし, 英語の複数形を表す語音の知覚については, これまでにあまり研究が行われていない。そこで, 若年成人の日本語母語話者に, 英語複数形の/s/および/z/を聞き取らせ, 書き取らせる研究を実施した。その結果, 書き取られた単語全体のおよそ12%で複数形の/s/または/z/が書き取られていなかった。また, 無性の/s/は, 有声の/z/よりも, 有意に欠落することが多かった。この結果をより確かなものにするためには, 今後, 信号(/s/および/z/)の強調, および/または(背景)雑音レベルの系統的な操作を行う研究が必要である。
著者
上田 和夫
出版者
京都大学
巻号頁・発行日
1999-03-23

新制・論文博士
著者
上田 和夫 堀田 貴嗣 榊原 俊郎 三宅 和正 播磨 尚朝 横谷 尚睦 籐 秀樹 石田 憲二
出版者
東京大学
雑誌
新学術領域研究(研究領域提案型)
巻号頁・発行日
2008-11-13

新学術領域研究「重い電子系の形成と秩序化」(平成20年度から平成24年度)の最終年度の研究成果について、公表された論文リストおよび国内学会あるいは国際学会等における発表について取りまとめを行った。これらの基礎データに加え、研究活動報告、特許出願状況などを加え、冊子体の成果報告書をまとめ印刷した。この成果報告書は当新学術領域研究の計画研究代表者、研究分担者、公募研究代表者に配布したほか、関連研究分野の有識者にも見ていただけるよう送付した。この冊子体については正式の成果報告書として6月に文科省に提出する予定である。当新学術領域研究のホームページhttp://www.heavy-electrons.jpに関しては、上記の論文リスト、学会発表等のデータを含むよう更新した。重い電子系に関する研究は今後もさらに発展していくことが期待される。それに資することが出来るように、研究期間終了後もホームページを閲覧できる状態にして研究成果の公開を継続する体制を整えた。当新学術領域研究の研究テーマと密接に関連する強相関電子系国際会議は平成25年8月5日から9日まで東京大学伊藤国際研究センターにおいて開催された。この会議の参加者は809名に上った。4つの基調報告を含む46件の招待講演、52件の口頭発表が伊藤謝恩ホールを主会場とし経済学部赤門総合研究棟の大講義室を第二会場として、パラレルセッションで講演が行われた。口頭発表のほか、639件のポスター発表が行われた。当新学術領域研究での研究成果が多数報告された。