著者
徳田 裕一郎 大橋 剛介 下平 美文
出版者
日本知能情報ファジィ学会
雑誌
日本知能情報ファジィ学会 ファジィ システム シンポジウム 講演論文集 第24回ファジィ システム シンポジウム
巻号頁・発行日
pp.99, 2008 (Released:2008-12-06)

近年、様々なディスプレイ機器が幅広く普及してきており,人々の高画質化に対する関心が高まってきている.機器の高い性能を使いこなすため,画質を調整する必要があるが,画質調整の知識・ノウハウを持たない一般的なユーザは,画質調整を行うことが非常に困難である。そこで本研究では,画質についての専門性を必要としない,人に優しい対話的高画質化支援システムの構築を目指す. 本研究では,画質の要因となる画像の明るさと色に着目し,それらを制御する画質調整パラメータの最適化を行う.最適化手法には、人の主観・感性を反映させることが可能であり,大域的探索に優れている対話型進化計算を用いる。ユーザの画質評価の負担を軽減するため,ユーザは提示画像に対して基準画像との相対的な評価値を与える.本手法の有効性の検証のため、本手法、手動調整、原画像を画質、導出時間について比較したところ、本手法は高い評価を得た.
著者
細江 紀貴 天野 雄介 下平 美文
出版者
一般社団法人 映像情報メディア学会
雑誌
映像情報メディア学会誌 (ISSN:13426907)
巻号頁・発行日
vol.64, no.10, pp.1503-1509, 2010-10-01 (Released:2011-01-01)
参考文献数
7

In recent years, many specific fields require accurate color reproduction for displays. Such fields are, for example, remote medical care, industrial design, electronic commerce, digital archives and color proofing of printed materials. Changes in chromaticity of the primary colors against the luminance level cause inaccurate color reproduction. This is a common problem in liquid crystal displays (LCDs). In this paper, we propose a method for correcting the phenomenon by using many colors conversion matrices made on the basis of the chromaticity shift of primary colors and luminance levels in the measured profile data of an LCD. Accurate color conversion was performed using the matrices, and the effectiveness of the conversion technique was confirmed. The application of the method enables reproduction of colors with accuracy three times as good as the Shaper Matrix Model. Moreover, it was achieved with a fewer matrices than that of the adaptive matrix color conversion.
著者
下平 美文
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. IMQ, イメージ・メディア・クオリティ (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.111, no.192, pp.1-7, 2011-08-26

色域が現在の標準規格を越える撮像および表示機器が多数研究開発されている.従って,これら規格内で検討されて来た画質の考え方を,規格を越えるものにそのまま適用出来ない状態がある.そこで本稿では,概ね視覚の色域からHDTV色域程度まで色域を変えて画像を表示した場合に,それらの画質につい主観評価実験を行った.その結果,視覚色域の画像の画質と比較して許容される画質が得られる色域は概ねHDTV程度であった.しかし,画質の違いは認識されているので,測色的な色再現が求められる用途には,物体色の色域程度以上の広い色域が必要である.これらの知見は今後の画像機器の持つべき特性について示唆を与える.
著者
奥村 治彦 内田 龍男 金子 節夫 下平 美文 内池 平樹 服部 励治 中西 洋一郎 山崎 映一 中本 正幸
出版者
The Institute of Electronics, Information and Communication Engineers
雑誌
電子情報通信学会論文誌 C (ISSN:13452827)
巻号頁・発行日
vol.J92-C, no.8, pp.433-453, 2009-08-01

2002年には,金額ベースでは,FPD全体の市場がCRT市場を超え,特に成長が著しくFPDの活躍の場である携帯電話を中心としたモバイル市場はもとより,最近になって,CRTの最大市場であるテレビ受像機市場でも逆転現象が発生するまでにFPD市場が急成長してきた.このような中,本論文では,中心的な役割を果たしてきたCRTと,その主役を引き継ぐFPD(LCD,PDP,EL,FEDに分類)について,ここ40年のそれぞれの技術進化を振り返り,将来を展望する.
著者
花島 洋平 下平 美文 大橋 剛介
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. EID, 電子ディスプレイ (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.101, no.312, pp.19-24, 2001-09-10
被引用文献数
5

現在は, 各種発光原理に基づく画像ディスプレイが実用化されている.本研究では各種方式の画像ディスプレイに対する, 総合画像品質の評価方式を提案する.本方式は, ガンマ, 最高輝度・最低輝度, 色の再現を考慮している.以前の研究で提案された評価方式では要因の画質に対する影響の依存関係が検討されていなかったが, 本方式ではそれら要因を統合する方法が与えられる.その方法はそれら要因の中で最も画質に対する影響の大きなものを代表として用いる事である.この方式によって得られる総合画質は, 主観評価実験によって直接得られる評価値と良く一致した.